《にヲタクという誇りを掲げて》第4節/の隠した中を明かされて
私の顔を見るなり小田くんは、それはもう特撮の主人公並みに速いスピードで店の外へ走り出てしまった。
私、泡沫うたかた 玲花れいかは隠れヲタクだ。
ある日、勉強で疲れているのに眠れなくなったので、部屋おきのテレビを付けて深夜番組を見ようとした。
そこでやっていたアニメに興味を持ち、原作がライトノベルだということをしり、そのアニメの原作小説を買い漁った。
その作者のライトノベルの作品を買い漁り、読み込んだ。
それからというもの、勉強の後にアニメをみてその原作をまた買い漁り読み込むという作業の繰り返しに。
特に気にった作品のキャラクターのグッズも揃え始め、たまたま目にった教育番組で自分がヲタクであることを知った。
周囲の友達はヲタクの事を批判して遠ざけている。
臆病な私は周りの友達に自信がヲタクであることを話すことは出來ず、クラスの中では良家のお嬢様というステータスのみです語られることがほとんど。
私がするライトノベルでは、ヲタクが最も苦手とするタイプのキャラクターだろう。
自を偽ることで立場を守るのは良いことかもしれない。実際にそれで今まで悪いことが起こったことは無かった。
しかし、自分と同じ話題を共有できるよう友人がいないことに毎回悲しみを覚える自分がいる。
その鬱憤を新しいライトノベルを読むことで発散しようと思ったのだけれど、そんな時に立ち寄ったアニ友で小田くんに會ってしまったのだ。
基本男子と関わることのない私は、男子の名前は知っていても、一人一人の趣味なんて覚えているほど出來ている人間ではない。それで彼に、
「小田くん、貴方、(私と同じで)『ヲタク』だったのね」
と言ったら、冒頭で話した通り逃げられてしまったのだ。
うーん、彼に対して変なフラグは今まで立ててないからなぁ。と、學校での今までの生活を振り返る。
ライトノベルの容風に今の狀況を考えてみると、彼と関わることは今まで無かったから彼に好かれる道理もない。
「ラノベの主人公並みにひとにほれやすいのかなぁ、あんなに顔が赤かったし」
彼の顔を思い出し、自の発言を思い返し、思わず赤面してしまった。
私は一何を言っているんだろうか。自意識過剰過ぎる。ライトノベルのキャラクター達って凄いな、と思わず心してしまった。
一瞬滾った妄想を頭の隅によけると、目當てのライトノベルが見つからなかったので上の階の本屋へと続くエレベーターの方へと歩を進める。
その先でまた彼が待っているとは知らずに。
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