《貧乏だけど、ハイスペックです!》2話 こうして、平穏は過ぎ去った。
両親が家を去ってからというもの、僕は相変わらず、
働いていた。もう、草木が紅葉している頃だった。
「おい、誠也!何ボサッとしてやがる!
まだまだあるぞ!早く運べ!」
「あ、はい!ただいま參ります!」
……デジャヴだ。だが、もう僕は新人ではない、
ここの立派な労働者だ。そう、この、運び屋の。
まあ、ただの郵便配達なんですけど。
因みに、バイクではなく、自転車便。
兎とにも角かくにも、こうやって夏休みはずっとバイト三昧。
この秋から學校なわけだが、
両親の一件で思うところも多く、
學校にはまだ行けていない。
あんな酷い最低な親たちでも、親は親だ。
いなくなって本當に清々するなんてことは、
多分ないんじゃないかと思う。
が繋がってるってことは、そういうことだ。
「おい誠也!またボサッとしやがって!
いつからそんな余裕こけるほど偉くなったんだ?おお?
さっさと運んでさっさと屆けてそしてまた運べ!」
「はっはい!ただいまあ!」
まあ、悪くはない日々だと思っていた。
あの日までは。
10月。そろそろ気溫的には心地よい頃になって、
仕事によりが出ると勵んでいた。
そんな中、仕事場に一本の電話がった。
「誠也くんだよね?」
知らない男の人の聲。でも、優しい聲。
けど、焦っているのが伝わってくる。そんな聲だった。
「はい、そうですけど、どちら様でしょうか?」
「警察の森もり蒼真そうまという者です。
君のご両親が、その……」
「え、うちの両親が
なにかしでかしてしまったのでしょうか?
それは大変申し訳ございません!
息子であるこの僕が処置をさせていただきます。
どうすれば良いのでしょうか?
ところで、つまるところ、
両親はなにをしでかしたのですか?」
一瞬の沈黙。が、すぐにその沈黙は破られた。
「その、君のご両親が、
その……通事故に遭われました……」
「……え?今、なんと……?
僕の両親が、事故に、遭った?
遭わせた、ではなく……?」
「……ええ。そうです、不幸な事故でした」
なんだよ、それ……。
夢を追ってるのじゃなかったのかよ!
だったら最後まで追えよ!ふざけんなよ!
自分の息子1人おいて死ぬのかよ!なんだよそれ!
なんだよ……それ。なんなんだよ……。
心の中で、ただんだ。
「誠也くん、大丈夫かい?」
「……はい。大丈夫です、お気遣い謝します」
お忙しい中、わざわざ知らせてくださり、
ありがとうございました」
「いやあ……たしかに、
それも不幸なお知らせなんだけどね。
君には、まだ殘念なお知らせがあるんだよ」
空気がどっと重くなった気がした。
さきほどまで重くなかったわけではない。
十分に重かった空気が更に急激に重くじた。
それくらいの何かが、
今、伝えられようとしている、
ということなのであろうか。
僕は、息をのんで尋ねる。
「なんでしょう?」
「君のご両親が亡くなってしまう前、
賭博場にて多額の借金を負っていた
ということがわかったんだ。
そして、事故の原因もこれだ。
あまりに大きな借金を負ってしまったがため、
2人は全力で逃亡。
何も気にすることなく走った先の差點にて、
事故に遭ったそうだ」
なんだよ……結局、夢なんて
追えなかったんじゃねえかよ。
夢を追うどころか夢に追われるなんて、
もうどうしようもないじゃないか。自業自得だ
それが、完全に両親に失した瞬間であった。
そんな心のゆとりもない狀況で
僕にとどめの一撃となる一言が下される。
「で、他界された君のご両親の借金は、
君の責任ということになってしまったんだけど……」
衝撃なんてものではなかった。
もう、ただただ絶句した。
ようやく口が開いた時には
ただこう言うことしかできなかった。
「……いくらくらいなんですか?
その借金というのは」
「それが……10億円だったのだけれど、
君のご両親の生命保険4億9900萬円から
差し引き5億100萬円だそうだ」
「なっ!ご、5億!?」
とんでもない額だった。
5億円なんて高校生の僕には重すぎる額だ。
森さんの話によると、
5億円もの借金は政府にも
そうそう肩代わりできるほどの額ではなく、
なにより賭博社ギャンブルカンパニーが
借金を負った者の息子にこれを負わせると
取り決めたらしい。
賭博場での全ての最高権利者は
賭博社ギャンブルカンパニーであるため、
政府でもどうしようもないのだということらしい。
こうして、僕の平穏な日々は過ぎ去ったのである。
そして、運命の12月24日に僕は彼と出會った。
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