《神は思った。人類の7割をアホにして、楽しく見守ろうと》俺たちは思った。噓は良くないと

今日はエイプリルフール。どんな噓もこの魔法の言葉を唱えれば許される日。となれば噓をつく大義名分が出來たこの日に噓をつかないなんて勿無い。

じゃあどんな噓をつこう。『私、今日転校するの』じゃ  ベタすぎる。そもそも、この前転校してきたばかりでまた転校するなんて、直ぐに噓だとバレる。

「うーーーん」

私はを鳴らしながら悩む。どのな噓をついたらみんなに衝撃を與えられ、驚かせる事が出來るか。一頻り悩んだあと、ある面白い事が頭をよぎる

「これなら」と

獨り言を呟いた西園寺  凜花は不気味な笑みを浮かべながら教室へと足を運んだ。

今日はエイプリルフールとあって、仲間で軽い噓をつきあっている。「私、彼氏出來たの!」て言う定番なものから、「俺、実は火星から來た宇宙人なんだ」と言う、すぐに噓だと分かる噓が教室中を飛びっている。

それはもちろん、工藤  蓮の周囲の人もおなじであった。

「工藤!!  ついに俺にも彼できた!!」

「へぇー  相原にもいよいよ春が來たか、おめでとう」

Advertisement

工藤自も相原が噓をついているのはわかってる。仮に俺が『今日、エイプリルフールだから噓ついてんだろ』と言ったとする。すると相原はこう返してくるはずだ。

『今日、4月2日だけど?』と

結局、この使い古された回避ネタを言われるのがオチであると工藤は考える。ならば、敢えてめんどくさい事に首を突っ込まず、さっきのようなじで流すの1番楽なやり方である。

しかし相原は騙されてやってる事に気づかず、笑みを浮かべながら工藤にこう言い放った

「ぷっぷーー   今日はエイプリルフールでしたー!!  工藤やつ引っかかってやんの!」

まったく、俺が騙されてやっているのにアホなやつだ。面倒に巻き込まれないために騙されてるのに、これは これで なにか込み上げてくるものがある。し反撃するか

「そうか、噓だったのか。相原に彼が出來たって言うのは。まあ、そうだよな。お前に彼は出來ないよな。でも虛しいよな、4月1日エイプリルフール限定の彼って。てか、自分で言ってて心痛くならないの?  辛くならないの?  それとも新手の自ネタなの?  お前の今の心を俺にもわかるように説明してくれ」

Advertisement

どうだ、俺の弄りスキルの完度は。日々 小早川その他に弄られ続ければ自ずとスキルレベルが上がるのだ。

工藤が言い放ったこの言葉に、相原はなすすべなしと言ったじである。でも引き下がろうとはせず、負け犬のように工藤にこう言うのだ

「お、お、俺だって、作ろうと思えば彼の1人や2人ちょちょいのちょいだよ!!  このデコッパゲ!  ○!  」

このチンピラの捨て臺詞のように自分の席へと戻る相原をみて、工藤は鼻得意げにならす。その顔は''參ったか!''と言わんばかりに強気な顔だ。

しかし、この一連の出來事を見ていた小早川はとても不思議そうな顔をしながら、工藤にこう問いかける。

「蓮くんって、M屬とS屬どっちなんですか?」と

そもそも小早川は大きな勘違いをしている。なんども言っているが俺は一般ピーポーであって、そんな屬付いていない。仮についていたとしてもハゲ屬くらいだ。

俺はいつものように「ノーマルだと」伝えるも、今回はなかなか食い下がろうとせず、しつこく食いついてくる。

「いやいや、今のは紛れもなくSですよ。本當どの屬かわからないなどですね」

Advertisement

「だからノーマルだって」

「それにさっきのは、なかなかレベルの高い攻めでしたよ」

「攻めとか言うな」

「あれは素人にはレベルが高すぎますね。特に最期の『お前の今の心を俺にもわかるように説明してくれ』って言うのは西園寺さんレベル人に使う攻め方です」

なるほど。俺としては軽く弄ったつもりだったが………そうか、さっきのはやりすぎたのか。相原にはし悪い事をしてしまった。あとでさりげなく謝っておこう。

こうして、この件は一旦落ち著き、ふと時計へと目を向けると時計の針は8時前を指していた。と  なれば、そろそろ來る頃だろう。

そして案の定、茶がかった髪を靡かせながらは西園寺  凜花は教室にって來た。そして軽く皆に挨拶しながから自分の席へと向かい座り俺と小早川に挨拶する。

「師匠、優様、おはようございます」

「おはよう」

「おはようございます。ところで、聞きましたか?  蓮くんに彼が出來た事」

「………えっ………」

唐突に言われたこの言葉に西園寺は固まり、その場に停止する。もちろん俺に彼が出來たなんて、殘念ながら噓である。しかし凜花は本気で俺に彼が出來たと信じ込んでいるようで、未だに固まったままである。

そんな凜花をこのまま放置してたら永遠に固まってそうなので、凜花の止まった時間をかす魔法を俺は唱える。

「凜花さーん、今日はエイプリルフール。小早川の言った事は噓ですよー」

それを伝えると凜花はみるみる涙が溢れ泣き出し、俺に突進したと思えば抱きつきこう言うのだ。

「師匠が………ほかのの子と……付き合うのは、嫌ですぅ〜〜。それに…それに…」

まさか、泣くほど俺を思っているとは………こんな おおごとになるとは俺どころか小早川ですら予想していなかったであろう。しかし小早川は俺がアタフタしてる様子を見て楽しんでいる。それにクラスの人達からの視線が気になり始める。

俺として子に抱きつかれた、経験をした事ないから、どうすればいいかわからずにいた。アニメとかでは抱きついてくる子をそっと覆うように抱き返したりするが、俺にはそんなレベルの高い事は不可能だ。現在俺は両手を上げたまま、先ほどの凜花同様  固まっている。こんな同様しまくってる俺には出來ない。

じゃあ、頭をでて凜花を落ち著かせるのが1番早くこの狀況を打破出るのではないか。これなら妹の千沙子にも昔していたから、抵抗があまりない。

工藤は上がっていた両手を靜かに下ろし、右手を西園寺の頭上へと手が運び、頭をでようとした時

「……師匠が私以外のの子で○貞を捨てるなんていやですぅーー!!」

この言葉が西園寺の口から発せられた瞬間、頭をでようとしていた右手は平行から縦に切り替わり西園寺の頭をチョップする。

「師匠! 何するんですか! 」

「凜花こそ、なに言ってんだよ!  あんな事言ったら俺が○だってバレるだろう!」

今更はあるがああ言われるのは癪にるので反論してみてが、それでも恥ずかしいものがある。

そんな俺とは対照的に凜花は特に揺している様子はなく、寧ろ不敵な笑みを浮かべている。そして凜花はその笑みを浮かべたたままこう呟くのだ。

「大丈夫ですよ。今日はエイプリルフールですから………」

「えっ!?……どうゆうーー」

「オッエッ!!」

質問の答えが返ってくる前に急にえずき始め口を押さえるのだった。

「凜花、大丈夫か?」

「えぇ、ちょっとつわりが……」

??……つわり? つわりとはあれか妊娠初期に現れる癥狀のことか?  なぜ、凜花にそんな癥狀が?  いや、これは噓だ。その証拠にえずく前にエイプリルフールとボソッと言っていた。それならこの妊娠疑は噓で、俺を困らせようとしているのだろう。

ならば噓には噓を。凜花のついた噓を使わせてもらうぞ。そして小早川、こんな事になったのは小早川にも原因があるからな。小早川もついでに巻き込むか。

「この前、安全日だから大丈夫って言ったじゃないか。だから付けなかったのに」

「……ごめん」

凜花よ。今日はノリがいいな。これなら小早川を騙せそうだ。このまま押し切ってしまえ

「取り敢えず、保健室行こう。立てるか?」

「うん、大丈夫。蓮くん  ありがとう」

ここで敢えて、いつのも''師匠''ではなく名前呼びにするとは。これなら付き合ってる風を裝うことができる。ナイスだ凜花

そして2人は肩を取りながら、教室を後にした。

お手洗いを済ませ、教室に戻ろうとすると、教室から出てくる、工藤と西園寺の姿が津々井の目にった。その景は不思議なもので、西園寺が工藤に寄りかかるように肩を組み歩いていたのだ。

津々井は『2人は付き合い始めたのかな?』なんて呑気な事を考えながら教室に戻ると、ただ呆然と一點を見てる小早川が目に

「優っち、どうしたの? ぼーとして。それに2人も教室から出て行っちゃったし」

「に………」

「に?」

「………蓮くんが西園寺さんを妊娠させたみたい………」

「蓮ちゃんが凜ちゃんを妊娠させた!!!」

津々井が大聲で復唱すると、クラス中の人の時間が止まった

「いや〜  まさか師匠がここまでノリノリだと思いませんでしたよ。言い出しっぺの私ですらびっくりしました!!」

「いやいや、それは俺も同じだよ。凜花の名演技に小早川もまんざらではない様子だったぞ」

「私たち、いいコンビですね!」

俺たち2人は教室を出てし歩いたところで、互いの起點の効いた言い方やとっさに取った判斷の素晴らしいを語りあっていた。

まあ、凜花のつわりも噓でよかった安心していた。これでほんとだったらシャレにならないからな。

こんなじで一通りお互いを稱え終えた頃。朝のHRホームルームの時間のため教室に戻る事に、そして小早川にはすぐに噓だと謝ろうと2人で決め教室へ向かった。

その道中。2人は小早川に噓だと言ったらどんな顔をするか、笑いながら教室に向かい扉を開けた瞬間。俺たち2人を見た教室中の人間が、俺たち2人に一気に視線を向ける。凜花もこれには焦り小さな悲鳴をあげる。

俺たちはそんな視線に耐えながら泥棒のように足音を立てずに自分たちの席へと向かった。

そして俺たちが座ってもなお、2人を視線は止まず、まだHRが始まる前なのに教室の中は靜かで、廊下から聞こえる他クラスの聲しか耳にってこない

流石にこの異常事態に耐えかねて、俺は前の席に座っている小早川に聞いてみる事にした。

「あの〜  小早川さん?  この狀況について教えて頂けると嬉しいのですが………」

「………………」

なにも答えず、只々俺を睨むだけであった。俺と凜花の2人に向けられる殺気混じりの視線に嫌な汗をかきながら、HRが始まるのをただ待つのだった。

さぁ楽しいお晝ご飯の時間!!………と  言う訳にはいかない狀態だ。朝のあれ以來、だれも口をきいてくれず、重い空気が漂うだけで、とても居心地が良い空間とは言えなかった。

それで各時間の10分休憩に、この教室の雰囲気に耐えかねて教室から出てみたものの、廊下ですれ違う見ず知らずの生徒からも嫌な視線をじ、結局教室に戻るのだった。

そして今はお晝。いつもなら小早川、相原津々井、凜花、俺の5人でお晝ご飯を食べるのだが、俺と凜花の周りに誰一人としていない。こんな狀況にどうしたのものかと悩んでいると、俺のスマホにメッセージが屆いた。宛先は凜花だ

『師匠!!  この狀況なんなんですか?  私たちめられてるのですか?』

『いや、俺にも全くわからない。そもそもだれも口をきいてくれない』

『ですよね。………まさか、優さまに言ったあの噓が教室に広まった、って事はないでしょうか?』

『それだ!!  寧ろそれしか考えられない!  早く謝ろう』

『わかりました!』

俺たちは謝る事を決意し、スマホの畫面を切った。そして2人同時に立ち、謝ろうとした時

《ピン、ポン、パン、ポーン》

『連絡します。2ーB組工藤  蓮くん。2ーB組西園寺  凜花さん。至急職員室に來て下さい。繰り返し連絡します。ーー』

この放送が終わると、またもあの嫌な視線を向けら、俺と凜花はダッシュで職員室に向かった。

そして、恐る恐る職員室の扉をノックし職員室の扉をあける。そしてノックした相手が先ほど放送で呼んだ2人だと分かると教室同様、嫌な視線が俺たちを襲う。

「君達が工藤くんと、西園寺さんだね。奧の部屋に來てもらおうか」

「はい。失禮します」

「失禮します」

そして奧の部屋に案され、先生に単刀直に聞かれたのが、凜花が本當に妊娠しているのかだった。俺たち2人は事のり行きを話し、なんと誤解を解いてもらった。

しかし、この事は既に全校生徒に知れ渡っている事でエイプリルフールについた2人の噓の域を超えているらしく、反省文を書くことになり、その反省文を校掲示板にる事で誤解を解いていくようだ。もちろん5時間目開始時に、各クラスの教科擔任に俺たちの事は噓だと伝えられる事になった。

そして俺たち2人は罰として、5、6時間目の授業を欠席し反省文を書く事になった。

反省文を書き終え學校から出ると、既にはしずまりかけていた。

「師匠、ごめんなさい。私があんな事言ったばっかりに………」

「俺だって、悪ふざけが過ぎたよ。寧ろ俺が流しとけばここまで大ごとにならなかった事だし」

「 それでも……私が言わなければ……」

珍しく凜花が落ち込み、下を向いている。

「はぁー、これはどっちか1人だけが悪いわけじゃなくて、俺ら2人が悪いだよ。だから考えすぎるな!」

そう凜花をはげますと、クスッと笑い前を向き歩き始めた。

「じゃあ、はじめての共同作業ですね!!」

「なぜに、そうなる」

「それとも、ベットの上の共同作業の方がいいですか?」

「こりないな」

「えへへへ、また一緒におこられましょうね!」

「怒られる前提かよ」

なんとか丸く収まった、エイプリルフールに起きた妊娠事件。2人は今日4月1日の事は忘れる事はないだろ。そして2人の心にはしっかり刻まれるのだ。

噓は良くないのだと

    人が読んでいる<神は思った。人類の7割をアホにして、楽しく見守ろうと>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください