《こんにちは!この世界の勇者を倒しに來ました!〜『世界』を旅する転生旅行記〜》さあ、観察です!

さてさて...とりあえず狀況を確認しないとな。どうやら僕は魔王の間にある、魔王の玉座の裏にいる様だ。そして後ろでは、今まさに勇者と魔王の決闘が始まった様だ。

・・・どういう狀況!?整理したところでわからないものはわからないんだなぁ...

とにかく。僕は勇者を倒さなければならないのだ。この戦いを見て、參考にしようじゃないか。出來るなら相打ちになりかけた瞬間に両方にトドメを刺したいところだ。

ガキィン!!

魔王と勇者が剣を挾んで睨み合う。

ここまで気迫が伝わって來そうな激しいせりあいだった。

だが、未だ決著は付かず能力を使う様子もない。

しかし、魔王が渾の力を込めたと思われる魔法によって事態が急変する。

魔王のが一回り大きくなったのだ。

拮抗していた力が一気に崩れる。勇者はどんどん押され、傷ついてゆく...

...お?なすすべも無く斬りつけれていた勇者が魔王の剣撃をわした!?

それ以降は魔王の猛攻も虛しく、一切の攻撃が當たらずそれどころかカウンターを決められていく。

勇者が早くなったのか?いや、魔王がとても遅くなっているのか?...

その間も魔王は攻撃を続けるが、魔法攻撃さえも遅くなっており當たる気配が無い。

...『魔法攻撃さえも遅くなっている』?

剣撃は魔王自きなので気がつかなかったが、魔法は手から飛ぶ事わけだから魔王が遅くなったところで速度が遅くなるわけが無い。

つまり、時間自が遅くなっているのか!!

どうやら勇者の能力は『自分以外の時の流れを遅くする能力』を持っている様だ。

...チートじゃん!?勝てる気しないんだけれど!?しかし連発はできないようだ。

そうこうしているうちに決著が著いてしまった様だ。

魔王は膝から崩れ落ち、消滅していった。

勇者の勝ちだ。

さて。ここからが問題だ。

...どうやって逃げ出そう。僕は魔王軍というわけでも無いから、勇者が帰っても魔王軍の殘黨に殺される運命しか見えない。

かと言ってそのまま勇者に泣きついても切り捨てられそうな気がする。

くそっ...なんでこんな場所に瞬間移したんだ!?

いや、元はと言えばランダムだという事を教えてくれなかったあの自稱神のせいだ!!

...その時閃いた。

「『自稱』...か」

僕は颯爽と立ち上がり、服をぎ捨て全の狀態で勇者の前に躍り出た。

「勇者様!!私は魔王に囚われていた村人でございます!!どうか。どうかここから助けていただきたいのです!!」

「なんてことだ...!きっと魔王に弄ばれていたのだろう...魔王には男があったと聞くしな。大変だったろう。さあ、町へ帰ろう!」

「ありがとうございます!!」

...ちょろい。

ちょろすぎるだろ!!

こうして僕は魔王に弄ばれたかわいそうな村人という設定で、勇者は自分の住む町へ連れていったのだった。

今後、この男に殺されることも知らずに...

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