《うちの姉ちゃんはこわい》続・バレる? バレない?

「ユリ姉、タネ明かししなくてよかったの?」

おれの質問に、ユリ姉はふふっとらかく笑って、頭をなでてくれた。

「してほしくなかったでしょ?」

「うん。助かったよ」

「今度は桜莉菜さりなのところも行ってみよう」

あんまり行きたくないけど、どんな反応するのか気にはなる。

あ、でもバレたら何されるかわからないし……。でも……。

そんなジレンマに陥っていると、もう後戻りはできなくなっていた。

「桜莉菜、るね」

「柚莉菜、ノックしてかられって、いつも言ってる。……その子は?」

とりあえず一目で見やぶられたりはしなかった。

「この子、知らない?」

「ん~……」

マリ姉と違って、顔だけ凝視される。ただじっと、見つめられる。

手に汗がにじんでくるのがわかる。サリ姉とは向かい合ってるだけでも怖いって。

「……ハル?」

「え?」

「怯え方がそっくり。そもそも、なんであたしに怯えるのよ」

そんなところでバレるなんて……。

「それは桜莉菜が素で怖いからでしょ」

「は? で、誰?」

「ハルちゃんだよ?」

バラしちゃうのかよ!

そしてさりげなく威圧をスルーするユリ姉。さすが。おれにはできない。

「ふーん。なかなかいいじゃん。が本職のあたしよりかわいいのはムカつくけど」

じゃあ今のおれは、男が本職で、がサブクラスみたいなもんってこと?

っていうか、褒められたし。なぜだし。

「でしょー?! かわいいよねぇ~。見てるとさぁ、あれも著せてみたいし、あれも似合いそうだなぁとか考えちゃったり……」

そこまで言って、ユリ姉は我に返ったように顔を真っ赤にした。

「柚莉菜にそんな趣味があったなんてねぇ。ちなみに……」

と、サリ姉が足でおれのスカートをめくった。

「な、何すんだよっ?!」

さっと、裾を押さえてしまうあたり、おれもこの格好になじんでしまってるみたいだ。

「さすがに下は男なんだ。てっきり柚莉菜の履かせてるのかと」

「そ、そ、そんなわけないでしょっ」

ますます赤くなって、口をパクパクさせるユリ姉。かわいい。サリ姉もわかっててやってるのかな。

「そんな中途半端でいいの~? とことんこだわるべきじゃない?」

サリ姉が挑発するように言う。やめてくれよ……。そんなこと言ったら……。

「……わかった。今度はちゃんとする」

ユリ姉の裝魂に火がついてしまった。

ああ、おれはユリ姉にもおもちゃにされるのか……。

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