《うちの姉ちゃんはこわい》寢ちゃったね
「あーあ、寢ちゃったね」
「どうする? 置いてく?」
「桜莉菜、どうしてそんな発言になるのよ……」
ハルは桜莉菜の肩にもたれるように眠ってしまった。
「私會計済ませてくるから、ハルちゃんどうするか決めといて」
「はいはい」
「はいは一回」
めんどくさそうに返事をする桜莉菜をぴしゃりとたしなめる。
珍しく姉らしい茉莉菜まりなである。
「姉ちゃんはああ言ってたけど、どうするよ」
「負ぶってあげればいいじゃん。ちょうどいい重さなんでしょ?」
ちょっと拗ねたような柚莉菜。
「にもってるのか。そういうの、嫌われるぞ」
「桜莉菜には嫌われても構わないし」
「しょうがねーな……」
起こさないようにそっと、桜莉菜はその背にハルを負ぶった。
「う……、ちょっと重い」
「そりゃ、食べた後だし。それに、寢てるから重全部預けてるしね」
「あら、トレーニングしながら帰ることにしたのね」
茉莉菜が戻って來て、彼らは店を出た。
「わぁ、月が綺麗」
「柚莉菜は乙だね〜♪」
「そ、そんなことないですよっ。姉さん、からかわないでくださいっ」
「ふふっ、照れない照れない♪」
「うー、ちょっとハルちゃんの気持ちがわかった気がするぅ……」
「桜莉菜、大丈夫?」
気づけば彼は、二人からし遅れて後をついてきていた。
「大丈夫ではないけど……、これくらいでへばるわけには……!」
気合いをれ直して、なんとか車まで運び込んだ。
「ふふっ、かわいいね。ハルちゃんの寢顔♪」
「姉さん、運転に集中してください」
「は〜い……」
家について、再び桜莉菜がハルを背負って運ぶ。
彼のベッドに寢かそうとするも、彼は桜莉菜にしがみついて離れない。
「ちょっ、こいつ……っ」
「一緒に寢てあげれば?」
「はぁ? まぁ、しょうがないか……」
渋々、桜莉菜は彼のベッドに添い寢するように橫たわる。
「今日の桜莉菜、優しいのね。何かあったの?」
「う、うるせぇ。あたしはいつも優しいだろーが。とっとと寢ろっ」
「おやすみ、桜莉菜」
弟に抱きつかれながら赤面する彼を見送って、茉莉菜と柚莉菜もそれぞれの部屋に戻り、床についた。
じょっぱれアオモリの星 ~「何喋ってらんだがわがんねぇんだよ!」どギルドをぼんだされだ青森出身の魔導士、通訳兼相棒の新米回復術士と一緒ずてツートな無詠唱魔術で最強ば目指す~【角川S文庫より書籍化】
【2022年6月1日 本作が角川スニーカー文庫様より冬頃発売決定です!!】 「オーリン・ジョナゴールド君。悪いんだけど、今日づけでギルドを辭めてほしいの」 「わ――わのどごばまねんだすか!?」 巨大冒険者ギルド『イーストウィンド』の新米お茶汲み冒険者レジーナ・マイルズは、先輩であった中堅魔導士オーリン・ジョナゴールドがクビを言い渡される現場に遭遇する。 原因はオーリンの酷い訛り――何年経っても取れない訛り言葉では他の冒険者と意思疎通が取れず、パーティを危険に曬しかねないとのギルドマスター判斷だった。追放されることとなったオーリンは絶望し、意気消沈してイーストウィンドを出ていく。だがこの突然の追放劇の裏には、美貌のギルドマスター・マティルダの、なにか深い目論見があるようだった。 その後、ギルマス直々にオーリンへの隨行を命じられたレジーナは、クズスキルと言われていた【通訳】のスキルで、王都で唯一オーリンと意思疎通のできる人間となる。追放されたことを恨みに思い、腐って捨て鉢になるオーリンを必死になだめて勵ましているうちに、レジーナたちは同じイーストウィンドに所屬する評判の悪いS級冒険者・ヴァロンに絡まれてしまう。 小競り合いから激昂したヴァロンがレジーナを毆りつけようとした、その瞬間。 「【拒絶(マネ)】――」 オーリンの魔法が発動し、S級冒険者であるヴァロンを圧倒し始める。それは凄まじい研鑽を積んだ大魔導士でなければ扱うことの出來ない絶技・無詠唱魔法だった。何が起こっているの? この人は一體――!? 驚いているレジーナの前で、オーリンの非常識的かつ超人的な魔法が次々と炸裂し始めて――。 「アオモリの星コさなる」と心に決めて仮想世界アオモリから都會に出てきた、ズーズー弁丸出しで何言ってるかわからない田舎者青年魔導士と、クズスキル【通訳】で彼のパートナー兼通訳を務める都會系新米回復術士の、ギルドを追い出されてから始まるノレソレ痛快なみちのく冒険ファンタジー。
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★ベリーズファンタジーから発売中です!★ 伯爵令嬢ロザリア・スレイドは天才魔道具開発者として、王太子であるウィルバートの婚約者に抜擢された。 しかし初対面から「地味で華がない」と冷たくあしらわれ、男爵令嬢のボニータを戀人として扱うようになってしまう。 それでも婚約は解消されることはなく結婚したが、式の當日にボニータを愛妾として召し上げて初夜なのに放置された名ばかりの王太子妃となった。 結婚して六年目の嬉しくもない記念日。 愛妾が懐妊したから離縁だと言われ、王城からも追い出されてしまう。 ショックは受けたが新天地で一人生きていくことにしたロザリア。 そんなロザリアについてきたのは、ずっとそばで支え続けてくれた専屬執事のアレスだ。 アレスから熱烈な愛の告白を受けるもついていけないロザリアは、結婚してもいいと思ったらキスで返事すると約束させられてしまう。しかも、このアレスが実は竜人國の王子だった。 そこから始まるアレスの溺愛に、ロザリアは翻弄されまくるのだった。 一方、ロザリアを手放したウィルバートたちは魔道具研究所の運営がうまくいかなくなる。また政務が追いつかないのに邪魔をするボニータから気持ちが離れつつあった。 深く深く愛される事を知って、艶やかに咲き誇る——誠実で真面目すぎる女性の物語。 ※離縁されるのは5話、溺愛甘々は9話あたりから始まります。 ※妊娠を扱ったり、たまにピンクな空気が漂うのでR15にしています。 ※カクヨム、アルファポリスにも投稿しています。 ※書籍化に伴いタイトル変更しました 【舊タイトル】愛されない妃〜愛妾が懐妊したと離縁されましたが、ずっと寄り添ってくれた専屬執事に熱烈に求婚されて気がついたら幸せでした〜 ★皆さまの応援のおかげで↓のような結果が殘せました。本當にありがとうございます(*´ー`*人) 5/5 日間ジャンル別ランキング9位 5/5 日間総合ランキング13位
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