《うちの姉ちゃんはこわい》試合観戦

今日はユリ姉と二人で、マリ姉の試合を観戦に來ている。

サリ姉の試合は決勝だけ観に行こうって、みんなで決めていた。

「すっげぇ~。でかっ」

今日の試合はドーム球場だ。巨大なドームの中にってみると、その中には広いグラウンドがある。

天井はふさがってるし、地底世界に來たみたいだ。

「あんまり遠くいかないでよ~?」

「ユリ姉、迷子になるなよ?」

「こっちのセリフだってば」

適當に、周りの空いている席に座り、ユリ姉も隣に座った。

今日の試合は那覇コーラル対瀬戸シトラス。

那覇コーラルの先発はもちろん、永妻ながつま茉莉菜。マリ姉だ。

対する瀬戸シトラスの先発は、エースの東城とうじょう侑暉奈ゆきな。

この瀬戸シトラスは、実は母さんが監督をやっているチームでもある。親子対決というわけだ。

「相手の先発は東城さんかぁ。大丈夫かなぁ」

「そんなにすごいの?」

「うん。星崎ほしざきさんに次いで、球界ナンバー2とも言われてるくらいだよ」

あ、星崎さんは名前聞いたことある。よくニュースにも出てる。

「じゃあそんな人に勝ったら、マリ姉はすごいね」

「しかも相手はお母さんだしね」

そうだ。姉ちゃんたち三人の投手を育てた母さんの率いるチーム。どんな戦い方をするんだろう。

初回の攻防は、お互いに一歩も譲らず、0対0のまま。

そのまま投手戦となり、試合がいたのは五回だった。

マリ姉は五回にタイムリーヒットを浴びて、フォアボールで出したランナーに一點を取られてしまった。

「あーあ、やっちゃった……」

ユリ姉も、今のは打たれたらマズかったと思っているようだ。

おれには野球はよくわからないけど、マリ姉がピンチで、負けそうなのはわかる。

がんばれ、マリ姉……!

しかし、同じ五回に、コーラルのバッターが東城さんからヒットを打って、二點取り、逆転。

マリ姉は六回を0點で抑えて、最後の回は別の人に代わった。その人も0點で抑えて、那覇コーラルの勝利。

「マリ姉、すごかったね。母さんのところに勝っちゃうなんて」

「うん。六回はよく0點で抑えたと思うよ。ノーアウト満塁だったのに」

試合中も、普段のユリ姉とは別人かと思うくらい、聲援を飛ばしていた。その姿に、若干圧倒されてしまったくらいだ。

「また來ようね」

「うん」

ユリ姉は、もう大丈夫かな。

    人が読んでいる<うちの姉ちゃんはこわい>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください