《明日流星群が見れるそうです。》の力

『はい、ええ…まだ見つかりませんな』

怪しげなスーツ姿の男が電話で誰かと話している。

「ご心配なさらなずに、もうレールは引いときました。あとは"その時"を待つだけです。」

「おいおい」

誰かが俺を呼んでる…?

「はやく起きろ」

徐々にその聲は大きくなっていく

「おい!」

確か俺は誰かを助けようとして……

『バチ!』

「うわ!」

頬を叩かれ俺は飛び起きた。

「やっと起きたか、心配したぞ」

が言った。

「あれ?」

「怪我治しておいた」

「は?」

そう言えばどこも痛くないし、歯も生えてる…

「あいつは?」

は無言でヤンキーを指さす。 

「あれって…」

「捨てておいた」

全ての歯を抜かれ顔面がパンパンに腫れやがったヤンキーは大きめのゴミ箱に頭から突っ込んでいる。

「殺したのか…?」

「いや、あいつはギリギリ生きてる」

「あんたがやったのか」

「あぁ、やむを得なかった」

「あなたは一…?」

「それは言えない、ところでどうする?」

「なにが?」

「こいつをこのままにするか、それとも治すか」

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「そんな事出來るんですか?」

「お前の傷を治したんだ、もちろんこいつも治せる。」

「治してあげてください」

「やっぱりお前は優しいな」

そう言うと彼はヤンキーの手を握った。その腕からは折れた骨が皮を突き破り、飛び出している。

の手は黃緑出した。見てるだけで癒される、そんな溫かいだった。

ヤンキーの傷は徐々に消えていく。

「あと數時間で目覚めるだろう」

「本當に治った」

「助けようとしてくれてありがとう、私はこれで失禮するよ。」

そう言うと彼は連れてこられた道を戻る。

「もう心配事起こさないでくださいよ!」

「大丈夫だ、もうお前に迷かけない」

を張って自信満々に言い放った。

もう夜か…バキバキになったスマホを取り出す。

時刻は20時

「服とかは綺麗になったのにスマホはダメなんだ、はぁ…修理代かぁ〜ついでに直してもらえばよかったな」

重い腰を持ち上げ家に向かう。

丁度路地裏を出たとき、なにやら周りが騒がしい。どうやら警察と誰かがめてるみたいだ。

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「こんな蒸し暑い夜にボロボロのパーカーと長ジャーを履いて出歩いてるなんて怪しいに決まってるでしょ」

「お前に答えることはなにもない」

ん?どこかで聞き覚えのある態度と聲…まさか……。

とても嫌な予がした。

俺は人混みをかき分けめてる方へと急ぐ。

やっぱりだ、3分前もう迷をかけないと自信満々に宣言していた彼がさっそく警察めている。どうやら警察の職務質問を拒んでいるらしい。

「お嬢さん1回署に來てもらえるかな?」

「ふざけるな私は今から行かなくてはいけない所があるんだ!」

「あんたね、そんなに抵抗すると公務執行妨害で逮捕するよ!」

職質をけても仕方がない、ボサボサの髪とボロボロの服を著てゆらゆらと町を徘徊してるんだもんな…逮捕も逆に彼のためなのかもしれない。ご飯にも困らないし、なんせ変なやからに絡まれないで済む。変なやから……?

もし彼が警察署であの力を使ってしまったら……。

大変なことになる!!!

考えてる暇はない!早く助けないと

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「お、お姉ちゃん!ここにいたんだね!」

「お姉ちゃん?なんのブァ…」

俺は慌てて彼の口を塞ぐ。

「すみません!うちの姉がご迷をおかけして」

「お姉さん…?」

「はい、2日前俺と喧嘩して家出してたんですよ」

「本當なんだね?」

「はい」

「君の名前は?」

「長崎安曇です……。」

「長崎…?あ〜"あの"長崎ね」

わざとらしく警察が言った。

「へぇ〜君にお姉さんがいたんだね」

「……」

「まぁいいや、気をつけて帰るんだよ。近頃ここは"騒"だからね」

俺は本気で毆りそうになった。

「ほらもう行くよ」

「おい、ちょ!」

俺は彼の手を強く握り、逃げるようにその場から離れた。

そこかしばらく歩き、俺は家の門の前でやっと彼の手を離した。

「すまない…」

申し訳なさそうに彼が言う。

「本當ですよ、あれだけ自信満々に言ってたくせに」

「今度こそ本當に迷はかけない。ありがとう。」

「あなたがそんな事出來るわけないじゃないですか」

「……すまない」

「謝らないでください。別に責めてないので」

「これで私は失禮するよ。」

「あの!」

思ったよりも大きかった自分の聲に驚いた。

「よければ俺の家使って下さい」

「それは本當か?」

「あまり広くはないですが…」

「ありがとう。だが大丈夫だ」

「え?」

「さっきお前に"迷をかけない"と約束したからな」

「別に俺は迷じゃないですよ」

「本當にいいのか?」

「本當に迷ならこうやっていませんよ」

「そうか…ありがとう、世話になるな」

「どうぞ、上がってください」

「お前は優しいな、本當に」

「そんなことないです。」

「1つ聞きたいのだか、お前の親は了解しているのか?」

「まだなにも話してないです。でも親は今海外で働いて1年に1回帰ってくるか來ないかですし、後でちゃんと話します」

「そうか」

俺はこの人の正を誰にも知られちゃいけないと思った。

し遅くなりましたけど、自己紹介させてください。俺の名前は長崎安曇といいます」

「あずみか、素敵だな」

「は、はぁ…あなたは?」

「申し訳ない、あいにく私には名前が無くてな」

ほんの一瞬彼と目が合った。彼の目の奧には、他人が決して踏みってはならない真っ黒な闇が見えた。

「じゃあ俺が名前決めていいですか?」

「名前を私にくれるのか?」

「ええ、もちろん名前ないと結構この先結構つらいし」

「じゃ1つだけわがままを言わせてほしい」

「なんでしょう?」

「私の名前に『花』という字をれてしい」

「了解です!」

俺は目を閉じてしばらく考えた。

「決まりました」

「私の名はなんだ?」

は楽しそうに聞く。

「『未知花(みちか)』なんてどうでしょう?」

「おおー!いい名前じゃないか!」

「あなたはこれから『長崎未知花』です」

「長崎?」

「はい、流石になにも知らない人を家に住まわす事が、周りにバレたくないので。だから俺のお父さんの隠し子ってことで」

「なるほど」

「とりあえずお風呂沸かしてきますね」

「安曇本當にありがとう、あと私に敬語はよしてくれ。せっかく家にいるのにくつろげないだろ」

「わかった、お気ずかいどうも」

リビングにあるお風呂のスイッチを押す。

「インスタントしかないけど大丈夫?」

「食べれるならなんでもいい」

「そう言えば未知花ってインスタントの作り方分かる?」

「いや、全くわからない」

塩ラーメンの袋を勢いよく開けて、俺は未知花に一通り作り方を教えた。

「あとは、丼に麺を移して完

「おおー!凄いな安曇!」

「そんなに褒められると思わなかったな、あと安曇って呼ばなで」

「なんでだ?」

「あまりその名前好きじゃないから…」

「私は好きだぞ」 

「俺は嫌いです」

テーブルにラーメンを置き著席する。

「じゃ私は先に頂くよ」

「待って!まだ完じゃない」

「麺はもう茹で上がったぞ?」

「一見出來上がったように見えるこのラーメンにほんとひと工夫を加えると…」

大きめのバターとほうれん草、そして厚切りハムを未知花のラーメンに置いた。

「おおぉぉー」

未知花は目をキラキラさせて早く食べたいと言わんばかりの目を安曇ひ向ける。

「これで完!食べていいよ」

「わ、わかった…」

なんだこれ…この味しそうな匂いは…

生まれて初めてだ!!!なんだか張してきたな。ま、まずはスープをひと口

れんげでスープをすくい、恐る恐る口に運ぶ……。

うまい!!!

「な、なんだこれ!?」

思わず出た大きな聲に肩をギクリと飛びあがらせた安曇が不安そうに

「もしかして、味しくなかった?」

「ああ…違うんだ。あまりにも味しすぎて…」

「まだスープだけしか飲んでないのに隨分と大げさだね」

安曇は笑いながら言う。

「安曇、箸の使い方を教えてくれないか?」

「あ〜そう言えば未知花箸使えないんだった…じゃ今回はフォークで食べて、今度の休みに練習用のお箸を買いに行こ」

「練習用のお箸なんかあるのか…安曇はなんでも知ってるんだな」

「いや、未知花が知らなすぎるだけなんだよ」

お互いラーメンを食べ終えた頃にお風呂が沸いた音が聞こえた。

「食洗いは任せろ、安曇は先にお風呂にっていてくれ。」

「未知花食洗い出來るの?」

「多分できる」

「多分って…」

「いいから1回テレビのCMで見たことがあるから大丈夫だ!」

未知花は強引に俺を風呂場に導する。

「わかった!わかったからもう押さないで

!!」

「ゆっくりくつろいでくれ、私も終わったらすぐに向かうから」

未知花は風呂場のドアをバタンと閉めた。

「はぁ…なんか凄く嫌な予がするなぁ〜」

服をぎシャワーでを洗い流した後俺は湯船に浸かった。

「ふぅ〜今日はめちゃめちゃ容濃い1日だったなぁ…買ったばかりの目覚し時計速攻壊したし」

それにしても未知花は謎だらけだな…名前もないって言ってたし、すげぇ力持ってるし…そう言えば未知花洗い終わったらすぐにこっち來るっていってたけど…

ガラガラ「安曇待たせたな」

っていてく來るなぁァァァァ!!!!」

慌てて俺は立ち上がり、の未知花を浴室から追い出した。

「なんでれてくれないんだ?」

浴室と風呂場を繋ぐスライド式のドアの前で未知花は不思議そうに聞く。

「なんでって、わかるでしょ!?」

「全くわからない」

「お、俺ってるし!だし!」

「お風呂は1人以上でっちゃいけないのか?」

「そういうことじゃないけど、やっぱり異同士だし」

「お前は変わってるな」

「お前が言うな!」

「私がいた所では男関係なかったぞ?」

「は?知らないから、とにかく俺がお風呂上がるまでってこないで!」

「そう大きな聲を出すな、みっともないぞ」

「あんたがそうさせたんだろ…」

ドアからゆっくり離れシャワーを出す。

「なぁ安曇明日は何時頃に帰ってくるんだ?」

「んーどうだろう…途中で先生に手伝い頼まれなければ16時くらいかな?」

泡立った頭を洗いながらしながら俺は答えた。

「そうか…」

「どうして?」

「いや、もし遅くならなかったら一緒に來てしいとこがある」

「"行かなくちゃいけない"とこだろ?」

「そうなんだ、お前には話さないといけないこと事があるからな」

「分かった、じゃ明日は先生に頼まれても斷るよ」

そう言って俺が泡だらけの頭をシャワーにつけた瞬間、未知花があれほどるなと言った浴室にガラガラと音を立てながらってきた。

「え、?ちょっと痛て!目にシャンプーっちゃったじゃんかぁ!」

俺がそう言いながら後ろを振り返った瞬間、未知花は何も言わず俺を前から抱きしめた。

その瞬間俺の時間はピタリと止まり、思考が完全に停止した。

「安曇…ありがとう」

は…?まってなにこの狀況…未知花だよな……。

「いきなりすまないな」

あまりの出來事に俺は目にったシャンプーを急いで洗い流す事しか出來なかった。

痛みから解放した目を開け未知花を見た、案の定のままだった。

綺麗な白髪を輝かせながら笑った。

張で聲が出ない

「ただ、すごく嬉しかったんだ。私のために出來るかもしれない予定を蹴ってくれた事が…」

「お、大袈裟すぎるって!」

俺は未知花を突き放した。

未知花はし笑って浴室を出ていく。

なんなだよマジで…

しばらくして俺は風呂を出た。

「おーい未知花上がったぞ…」

未知花はソファーで気持ちよさそうに寢ている。今度はちゃんと服を著ていた。

「まったく、おーい未知花起きろ!」

「んー…むにゃむにゃ」

「全然起きないな…しょうがない"あれ"をやるしかないか」

大きく息を吸い込み未知花の耳元でんだ

「起きろぉぉぉぉお!!!!!!!!」

その直後俺のは宙に浮き、世界が逆さまになった。次の瞬間、大きな音とともに結構な衝撃が走った。

ガシャガシャガシャ!!!ドン!!

「いてて…」

あたりを見渡すと々な食が割れて床に散している。

「は?なにが起きた……?」

全然理解できないって、え!?

未知花が浮いている……

どうやら俺は、とんでもない人を招きれてしまったようだ。

一方その頃

誰もいない真っ暗な路地に置いてかれた優斗はゆっくりと目を覚ました。

頭がふわふわする…何やってたんだっけ?確かヤンキーが怖くて……ヤンキー!?

慌てて振り向くと真っ青な顔をしたヤンキーと目が合った。

優斗のは蛇に睨まれた蛙のようにかない。

「お前…」

「は、はい!」

を飛びあがらせ、謎に正座をする優斗にヤンキーはゆっくりと近づいて來る。

やばいやばいボコボコにされるぅぅぅう!!

「弟子にしてください!!」

ヤンキーは正座をした優斗の前で頭からが出るほどの土下座をした。

「は?」

「俺、初めてこんなにボコボコにされたんです!俺も師匠のように強くなりたいんです!」

「それ、マジで言ってんの?」

「はい!おおマジです!」

「ちなみに俺はどうやってあんたを倒したんだ…?」

「まず、俺の高速パンチを目にも止まらぬ速さで避けて俺をふっ飛ばしました」

「おおお!」

「しかもデコピンで」

「デコピンで!?」

「そして起き上がれない俺のを持ち上げてなんどもなんども俺を地面に叩きつけました」

「おおぉぉ!」

「しかも片手で」

「片手で!?それホントなのか?」

「もちろんです!俺今まで自分が最強だと思っていましたが貴方に出會って全てが変わったんです!!だから俺を弟子にしてください!雑用でも何でもしますから!!!!」

俺ってもしかして凄かったりするの…?

「よし分かった!そんなに言うなら弟子にしてやる!」

「ホントですか!?師匠!!」

「あぁもちろんだ、これから殺す勢いでしごいてやるから覚悟しろよ!」

「はい!師匠!」

「はっはっはっはっはっは!」

だか優斗はこの勘違いのせいで起こる悲劇をまだ知らない。

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