「なにその石」

俺の言葉を聞いた未知花はニッコリと笑いながら、フゥーと吐息をかけた。

するとその石は青にり出す。

「お、おおお！」

「あずみ、私はこの石をペンダントにしたい」

「いいじゃん……いや、ちょっと待てよ」

なんかこんなじの石どっかで見たような…

「未知花、ちょっと質問いいか？」

「かまわないぞ」

「その石はちょっと浮くか？」

「ああ、浮くぞ」

「じゃ辭めとくか…ペンダントにするの」

「なんでだ！？」

「多分ね、々議論を醸し出すと思うんよ」

「この石の力とかにか？」

「それもあるだろうし、」

「心配するな、いざとなったらこの石の必殺技を使うまでだ」

「ちなみにどんな技でしょうか？」

「ふふふ、どうしても知りたいようだな…」

未知花はしばらく笑って

「超眩しいを放つ」

「はいOUT〜！」

「なんでだ！？」

「うん、完全にもう天空の城を探しに行く気だよね？そのうちサングラスした大佐來るよ？あと海賊も」

「さっきからお前は何を言ってるんだ？」

「とにかくそれは危ないよ、いろんな意味で」

「仕方ない」

未知花はポケットから黒いて小さい箱を取り出した。

「次はなにが出てきたんだ？」

「そんなに警戒するな、この石専用のケースだ」

「は！？あったのかよ！」

「そうなんだがな、このケースは地味すぎる。可くないだろ」

「可いってお前な…」

「あずみは可いの子が好きなんだろ？」

「え？」

「男はみんな可いの子が好きと聞いた」

「誰に？」

「私の親友からだ」

「へ、へぇ…」

「今からお前に話すことは全部本當のことだ。これを聞いてもしも私のことが怖くなったり、気持ち悪くなったりしたら言ってくれ、いつでも家を出よう。」

「未知花なに言って…」

その時の未知花の顔はとても真剣で、俺はし張した。

「お前は、能力売買って知ってるか？」

「能力売買…？知らないな」

「そうか、あずみでも知らないことはあるんだな」

「なんなんだよ、能力売買って」

「この世の中には、限りある人間にしか手にできない特別な能力がある。

例えば、ほかの音と比較することなく聴いた音を識別し、再現することができる「絶対音」や、

霊や魂、生霊、霊などを覚したり、霊的な力を行使して、通常の人間ではなし得ないことを行える「霊能」だったりまぁその他諸々だな。」

「だけど、このような能力には”発生源”がある。」

「発生源？」

「ああ、そうだ。もともと、人間にはそんな能力は持てないからな」

「まさか、その発生源って…」

「そうだ。」

                                      私だ。

この衝撃的な事実に俺は聲が出なかった。

「この石は私の力を制してくれる。だから探しに來た。」

ここで俺はずっと気になっていた質問をすることにした。

「一昨日、大きなが落ちていくのが見えた。それってもしかして未知花と関係あったりする？」

「大きな？」

確か私はどこかに輸送されたてて、それで気づいたらここで寢てた…。

てか、そもそもここはどこだ？

他のみんなは無事なのか？

無事…？？

無事ってなんだ？

なにかされてた？

08663

「こりゃまたいいを持ってきたな」

豚のように太った男が汚らしく笑う。

「いい？今は耐えるの。大丈夫、''あの人''が必ず助けに來てくれるから」

茶髪のが祈るように言う。

なんだ？なんなんだ？

私は一なにをみているんだ？

私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は………

                                    私は誰だ

その瞬間、未知花は優しい溫もりに包まれた。

「ごめん、変なこと聞いた。忘れてくれ」

優しいく、未知花を抱きめた安曇は靜かに言う。

「わからないんだ…私は誰なのか…」

未知花は不安に満ちているように言った。そして震えていた。

安曇は抱きしめるのをやめ、未知花の両肩を持つ。

「お前は''未知花''だ」

そこで未知花はハッとする。

先程までの不安が噓のように無くなり、空っぽな心に不思議な気持ちがってきていた。

「ああ、そうだな。私は''未知花''だ」

彼のサラサラな白髪が夏風に揺れる。その綺麗な青い目からは素直な涙が流れていた。

「よし！もう時間遅くなっちまったけど、帰るか！」

「そうだな」

「ああ〜なんか腹すいたなぁ。未知花なに食べたい？」

「………」

「ん？どうした？答えないなら俺が勝手に決めちゃうぞー」

「……」

「どうしたんだよ、暗い顔で下なんか向いちゃってさ。夜ご飯どうしようかなぁ…？壽司とかもいいよな。あ！そう言えば未知花壽司食ったことあるか？ないだろ、あれめちゃ味いんだぞ。でもお前生大丈夫か？お腹壊したいへ…」

「あずみ」

未知花は足を止めた。

「ん？どうした？」

「私はここにいてもいいのか？」

「お前なぁ…まだそんなこと言ってんのかよ」

「答えてくれ」

「はぁ……''ダメです''」

未知花は下げていた顔を凄いスピードで上げた。

「ばーか、そんなこと俺が言うとでも思ったのかよ。いいか？お前はもう俺の''家族''だ。お前にどんなことがあろうと関係なんてない。

それに、お前すげぇよ。そんな過去を俺なんかに言ってくれてさ。」

「今までずっと言えなかったんだよな。辛かったろ？苦しったろ？怖かったろ？全部崩れちゃうんじゃないかって。

                                 ''わかるよ''

でももうそんなの気にしなくていい。歓迎するぜ、未知花」

せっかく上げた顔を下に戻し、肩を小刻みに揺らしている。

「泣きたきゃ泣けよ。ここには俺ら2人しかいないんだから」

「お前は…なんでそんなに…優しいんだよ…」

未知花は震えた聲で呟いた。

「『困っている人がいたら助けてやりなさい。』そう教わったから」

「''人''か…」

「え？人だろ？まさかお前異星人とか言わないよな？？まぁそれでもいいんだけどさ…」

「ふふふ…」

「なに笑ってんだよ！」

「ああ、私は''人間''だ」

未知花は笑っていた。

その笑顔はどこか懐かしくて、素直で、真っ直ぐで、

俺はこの子のことを''支えないと''って思った。

この子は俺と同じ、それ以上の暗い過去を持っている。

だから俺が支えてあげないとって……。

そう言えば、さっきの未知花にいった言葉

                        誰から教わったんだっけ？

まぁいっか

「あずみ、お腹空いた」

「そうなんだよなぁ…もう22時過ぎてるしなぁ」

「壽司食べたい」

「お！いいねぇ〜、でも売ってるかなぁ？」

「ないのか？」

「もう夜遅いしなぁ」

「チッ」

「あ！いま舌打ちしたろ！？」

「シタウチ？」

「おいとぼけるな！」

「あんなにお壽司を勧めといて…」

「あのなぁ…そもそもお前がこんな所に來なきゃいつでも食えたんだよ！」

「なんだと！？これでもくらえ！」

「おい！未知花！浮かすなってちょ、タンマタンマ！高いって」

「いま私に酷いこと言った」

「お前が生意気なこと言うからだろ！？」

「あ！また言った！！」

「おい！だから高いってちょっと！未知花さん？？？ごめんって！」

「しばらく反省してなさい」

「おいマジで！俺高いとこ苦手なんだって！！！誰かたすけてくれぇぇぇぇ！！」

結局俺達が家に著いたのは空が青白くなった頃だった。