《明日流星群が見れるそうです。》代償
1人のが事務所を忙しなくき回る。
彼の名前は『火峠 沙(かとうげ みさ)』
長は158cmと小柄でい顔立ちの彼だが、二重でネコのようにキリッとした目付きで、睨まれるとけっこう怖い。
沙の頭は金髪に染めてあるのだが最近忙しく、生え際から黒い地がび始め、見事なプリンになっている。
「沙さん、今日も一段とステキっすね」
沙の隣でニヤニヤと調子の良さそうな笑顔を向けている男の名は『安達 國見(あだち くにみ)』彼は沙のパートナーだ。
「うっせぇな死ね!」
國見に容赦ない言葉を浴びせると、沙はそのまま事務所のソファーにドサッと寢そべった。
「あ〜もう、あれからどれだけ時間が経ってるって言うんだよ…」
沙が弱々しく愚癡をこぼした。
「めっちゃ細かく言うと…」
「ばーかお前になんか聞いてねぇんだよ」
國見の足を蹴った。
「もー、そうやって後輩いじめないで下さいよ」
「そもそも私にパートナーなんかいらねぇんだよ、それなのに上のバカがてめぇをパートナーにしろってうるさいから形だけしてやってるんだよ」
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「沙さんは相変わらず冷たいなぁ」
「いいか?私には今時間がないんだよ、一刻も早く''あいつら''より先に証拠を見つけなきゃならなねぇってのによ…」
「沙さん、なんでこればっかりに執著するんです?他にもデカいヤマな沢山あるでしょ。」
「これは手柄のためになんかやってねぇんだよ」
「え?」
「約束したんだ…」
「約束?」
「うっせえなぁ、とにかくお前には関係ない話しなんだよ」
「おれ、一応パートナーっすよ?」
「だーかーら!必要ないの!」
そのあと沙はもう寢る!と言って國見を部屋から追い出した。
「またっく、沙さんには時間がないんじゃないのかよ…」
ひと月前、この小さな町に''巨大ななにか''が落ちた。
しかし不思議なことになんの騒ぎにもなってなければ、痕跡もない。俺的にはとっても興味を唆られる容なのだが、この1ヶ月なんの進展もない。
時間がないと騒いでいる沙さんには申し訳ないが、正直もう手遅れじゃないか?と思ってしまう。
しばらくして沙がボサボサの髪をクシでとかしながら出てきた。
「もう起きたんですか?」
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「聞き込み再開するぞ!」
「2人ともそんなに急いでどうしたんだい?」
闖者の言葉によって2人の足は止まった。
「海藤…!」
沙たちの後ろから聲をかけてきたのは『海藤 守(かいどう まもる)』
人柄もよく仲間思いの男だ。
しかし沙には気持ちの悪い存在の彼。いつもニコニコと気味の悪い笑顔を振りまけて、優しく聲をかけてくる。
この世界は弱強食、失敗しても誰も助けてくれない。
逆にその失敗を踏み臺にして上に登ろうとするやつが山ほどいる。
また、そいつを助けようとして逆に自分が落ちることもある。
自分のことは他人に頼らず、自分で完璧にこなす。
そういう思想の彼には誰にでも手を差しべようとする海藤という男が気持ち悪くて仕方ないのだ。
「沙ちゃんか、相変わらずいつも怖いね」
「國見、行くぞ」
「え、沙さん?海藤さんのこと無視しちゃっていいんすか?一応おれらの上司ですよ」
「そんなことより聞き込みの方が重要だ」
「そんなことって…」
「君たちが探しているのは''墜落''のことだろ?」
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再び沙の足が止まる。
「その件なら僕が調査してるから大丈夫だよ、それに…聞き込みしても意味がない」
「てめぇ、どこまで知ってんだ」
海藤を睨めつける。
「さあ、なくとも沙ちゃんよりは知ってるかもね」
海藤はそう言ってウインクをする。
「それじゃ、僕は報のまとめをしなければいけないので失禮するよ」
海藤が沙達に背を向け歩き出した時「あ!」と、何かを思い出したように振り返り、
「もしもその件について分からないのであればいつでも言ってね、僕の知ってることならなんでも教えてあげられるから」
そう言い殘し海藤はその場を後にした。
「舐めやがって…」
沙は拳を強く握った。
早く手がかりを摑まなければ、、
「あずみいつまで寢てるんだ、早く起きろ」
未知花にしつこく起こされ、渋々目を覚ました。
「んだよ未知花、今日土曜日なんだぜ?」
「だからこそだろ」
「どういうこと?」
「お出かけがしたい!」
「え、えぇぇ…」
「なんでそんな顔するんだ」
「だって外暑いじゃん」
「だからなんだって言うんだ、いつも學校行っているんだから慣れてるだろ」
「いつも學校行ってるからこそ家でゆっくりしたいんだよ」
そう言いながら未知花に背を向け目を閉じた。
でもし気になって薄目で未知花を覗くと、目を潤ませてプルプルとくちびるを震わせている。
俺がいつも學校に行くように、未知花もまた家にいる。
ずっと家にいるのもかわいそうか…
「しょうがないなぁ〜いいよ、お出かけするか」
「ほんとか!」
一瞬で笑顔に変わる未知花を見て、「まったく調子いいんだから」ぼやいた
聖塾高校、この學校はこの町で隨一の不良高校。
目につくものを次々と破壊してゆき、目が合ったら最後意識が飛ぶまで毆られるという恐怖の學校である。
黒い制服を著た不良がコソコソと話している。
「おい、最近邪堂の野郎に師匠が出來たらしいぞ?」
「え!?う、うそだろ…」
「いいや、マジだ。」
「あの邪堂を従えるとかどんだけやべぇ奴なんだよ」
「だけどなぁ、なんかあいつ強そうに見えないっていうか…」
「能ある鷹は爪を隠すってことだよ」
「そ、そうなのな…」
すると2人の後ろから聲が割り込んできた
「おい、その話は本當なんだな?」
「司馬勝さん!」
釘バットを片手に白い特攻服をにまとった屈強な男。
この辺りを仕切っている暴走族隊長の「司馬勝 牙斗 (しばかつ がびと)」だ。
「''あの''邪道が師匠って言うまでの男だ、きっと相當強いんだろうよ」
「師匠!今日はどんな修行をするんすか!?」
邪堂が楽しそうに目を輝かせている。
「今日は近所の人のお手伝いだ!」
この言葉で表が曇る。
「またっすか!?」
「またってなんだよ!いいか?お手伝いに終わりなんかないんだよ」
優斗が腰に手をやり邪堂の顔に指先を向ける。
「ま、まぁそうっすけど…おれそろそろ喧嘩の修行がしたいんです!」
「喧嘩!?なに騒なこと言ってんだ!そんなのあぶねぇだろ」
「え?で、でも俺は喧嘩強くなりたいんすよ!」
「喧嘩なんて『いざ!』ってときにしか使わねぇんだから、それより人助けだ!」
「流石っす!師匠!!わっかりやしたぁぁあ!おれ!がんばりやす!!!」
「よっしゃ!じゃまず池田さんの家から行くぞ!」
「ハイ!!!!」
〜數時間後〜
「はぁ〜やっと終わったぁ」
優斗たちは池田のじいさんが営む人気お弁當屋で予約のお弁當計50個を作り上げた。
「いやぁ悪ガキ共のおかげで助かったわい」
頭に白いタオルを巻いたじいさんが邪堂の肩を叩く。
「俺ら全然大丈夫なんで、またなんかあったら言ってくださいっす」
「てかじいさんよぉ、いい加減バイト雇えって」
爽やかな邪堂と違って弱々しく愚癡る優斗。
「いいんじゃよ、悪ガキがいるからな」
そう言ってじいさんはニヒヒと笑う。
「んだよそれぇー」
「まぁいいじゃないっすか、無料で唐揚げ弁當食えましたし」
「んじゃ、じいさん帰るわ」
優斗はのろのろと出口に向かう。
「ちょっとまて!」
後ろでじいさんが優斗達を止めた。
「えーまだなんかあるのぉ〜」
優斗がかったるそうに振り向くと5千円を2枚持ったじいさんが笑ってる。
「なに、これ…?」
「今日のバイト代じゃ」
「え!いいの!?」
「言ったじゃろ、悪ガキのバイトがいるってな」
「べ、別に金目的でやったんじゃ…」
「やったぁぁぁぁぁぁあ!!五千円っすよぉぉぉお!!」
邪堂が割り込んでくる。
「ニヒヒ、またよろしくたのんじゃよ」
「はい!!任せてください!!!!」
邪堂はじいさんの手を五千円ごと握って元気よく言い放つ。
「お前な、しは遠慮を…」
「いいんじゃいいんじゃ」
「それじゃ俺ら帰っから」
優斗達は今度こそ弁當屋を出た。
「おい、いつになったら食べれるんだ」
「まだ列んで5分も経ってないぞ」
出かけると言ったものの、とくに行きたいとろがない未知花と俺は最近気になっていた町のラーメン店に行くことにした。
しかし、想像以上に人気でラーメンを求める人で溢れかえっていた。
「おいあずみ、いつになったら食べれるんだ」
「もぉーだからまだ5分も経ってないでしょって」
もちろん未知花が行列に我慢できず駄々をこねる。
「おいあずみ、腹が減った」
「うん、おれも」
おれは未知花が行列に我慢できないことを知っていたし、おれもたかがラーメンのために蒸し暑いなか並びたくない。
だが、知ってしまったんだ…!
この行列を耐え抜いて、空ききった腹に目的の食べをれた時の幸せを…!!
するとラーメン屋の店員が待ってる間にとメニューを渡してきた。
「あずみ!これ全部ラーメンなのか!?」
「そうだよ、沢山あるだろ」
「ああ!なにを食べようか迷ってしまうじゃないか」
「まぁ時間は沢山あるからゆっくり決めな」
俺達が並び始めてから1時間ほど時間が経って、いよいよ1番前になった。
「未知花決まった?」
「いや…ああ…うーん……。」
「え…そんな悩む?」
「當たり前だろ!この猛暑の中1時間も待ったんだぞ!?」
「自分で決められないならオススメとかにしたら?」
「おすすめ…?」
「うん、この店の1番人気がある商品だよ。なに食べていいか分からないときとかはおすすめにしたりするんだよ」
「そうなのか!それじゃ…」
よし、これでやっとメニューが決まるな!
まったく食いになるとすぐ優不斷になる未知花はめんどくさいな…
でもこれでやっとラーメンが食べれる!
しかしまだ未知花はメニューから手を離さない。
「未知花もう決まったろ?」
「ああ、あずみに言われた通りオススメを探してみたんだがな…」
「え、なかったの?」
「いや、あることはあるのだが…」
そう言って未知花がメニューを見せてきた。
『當店のオススメ!!
濃厚豚骨ラーメン、濃厚バター塩ラーメン、野菜ごろごろまろやかちゃんぽん』
え〜、オススメ何種類かあるタイプなの…。
ラーメンはまだ食べれないみたいだ。
「師匠!今日はありゃがとぅぅございやしたぁぁぁ!」
邪堂が勢いよく頭を下げる。
「おう!んじゃ次の修行日もLINEで送るわ」
「はぁい!よろしゃくお願いしもす!」
「おう!」
邪堂との出會いで俺の生活は大きく変わった。
普段遊ぶぞ相手がながちゃんだけだった俺に新しい友達が出來たのはとても嬉しい。
しかし問題は喧嘩の仕方だよなぁ…。
正直いってまったく分からんし、したことないっつうの!
でも師匠としてそんなことは言えんか…
「ちょっとお兄さん、今大丈夫?」
急に話しかけてきた細の男はニコニコと優しい顔をしている。
「え、なんすか?」
勇斗はしびっくりして聞き返す。
「ちょっと今時間ある?」
「ま、まぁ…」
「それじゃさ、ちょっと付き合ってよ」
見知らぬ人にいきなりわれ、さすがに勇斗も警戒する。
「ぼ、僕のこと知ってるんですか?」
「まぁね」
そう言って男は勇斗の肩に手を回す。
「え、え?なに、だれ??」
肩に回った手を振り払おうとするが、男の力は見かけによらず強くて、振り払えない。
そのまま勇斗は近くに止められていた車に男と一緒にっていった。
「はいお待ち!」
白いタオルを頭に巻いた店主が笑顔でラーメンを置いた。
「おおお!」
待ちに待ったラーメン、思わず聲が出てしまった。
俺は味噌ラーメンで未知花は塩ラーメン。
まずレンゲでスープをすくう。濃厚な味噌の香りが鼻を満たしてく…。
そして後を追うように野菜がしづつ主張を強めていく。
ふぅふぅとしスープを冷ましてズズズとひとくち……。
うっっっっまい!!!!!!!!
スープひとくちでこれとか、やべぇだろ!!
そして麺をズルズルとすする。
はぁ…し・あ・わ・せ・♡
「あずみ!このラーメン味しいぞ!」
未知花の目はキラキラと輝いている。
「並んだ甲斐があったろ?」
「あったぞ!あずみのも一口くれ」
「ああ、いいよ…」
ラーメンのどんぶりを未知花に渡そうとした…が手が止まる。
もしかしてこれって…関節キスってやつじゃないか…??
「おい、早く渡せ」
未知花が急かしてくる。
「いや、ちょっと考えたんだけどさ…」
俺が言い終わる前に未知花はラーメンを取り上げた。
「ちょ、おい!」
「いとりじめなんてさせないぞ」
そう言って丼に口をつけスープを飲み出した。
「いや!そ、そういうことじゃないんだけどなぁ…。」
まだ未知花はごくごくとスープを飲んでいる。
「ちょ、未知花さん?飲みすぎじゃないですか??」
ぷはぁー!と丼を置く未知花の顔は幸せそうだ。
こんな表した未知花を久々に見られたし、まぁいっか。
ああこんなにスープのんじゃって、一滴もないじゃないか。
「って、一滴もないだとぉぉぉぉぉ!!??」
び席を立った
「おい!!未知花!スープが一滴もないじゃねぇか!」
「味かったぞ」
「味かったじゃねぇよ!せっかく楽しみにしてたラーメンなのに、これじゃもうまぜそばだよ!」
「まぜそば…?そんな食べがあるのか、、味いのか?」
「いや、味いけど!そういう話してるんじゃねぇんだよ!味いけど!!」
「味いならいいじゃないか」
「いやこれラーメンだから!まぜそばじゃないから!例えだから!!!」
結局俺はなしラーメンを悲しくすすった。
ラーメン屋から出た俺らはとりあえず歩く。
「あずみ、これからどこ行くんだ?」
「えーっと…全然決めてない」
畫面が蜘蛛の巣のようになっているスマホを見ると、時刻は15時
んー...こらからどこ行くにしても中途半端な時間だなぁ。。
「あら、2人とも仲良くデートですか?」
すると後ろから聲をかけられた。
振り向くとあずきちゃんがニコニコと笑っている。
「あ、あずきちゃん!?なんでこんな所に」
「今晩の夕食を買いに行こうと思ってね」
その言葉に反応して「夕食!!」とラーメンを食べたばかりの未知花が目を輝かせた。
「いや、お前さっき食ったばかりだろ」
「え?なに食べてきたの?」
「ああ、いや最近テレビで紹介された…」
「ラーメン屋さんだ!」
未知花が割り込んでくる。
「あずき!あそこは最高に味かったぞ!!」
「そうなんだぁ、私も気になってたんだよねぇ」
「今から食うか!」
「だから食ったばっかだろ」
そのとき、俺たちは黒い車とすれ違った。
未知花は振り向いて車を見つめている。
「おい、あずみ」
「ん?」
「どうかしたか?」
「、、、いや、なんでもない」
未知花はそう笑いかけた。
「それで、ながちゃん達は今からの予定はあるの?」
「いや、特に決まってないかなー」
「じゃあさ!」
あずきがなにやら楽しそうに俺らの前に立った。
「買いに付き合ってよ」
「晩ご飯の?」
「そうそう!んで買いが終わったら今晩のうちで食べてきなよ!」
驚いている安曇を差し置いて「行く!!」と未知花が目を輝かせて言った。
「ちょ、未知花!き、急にそんな悪いなぁ」
「いいのいいの!私からってるんだからさ」
「はやく!はやくご飯食うぞぉー!!」
そう言って未知花は腕をジタバタさせている。
「ちょ、未知花!あんまはしゃぐな」
ジタバタしてる未知花の腕を抑える。
「本當に仲良しでいいねぇ~、カップルみたい」
あずきは笑って俺らを見ている。
「行くぞぉー!!」
「ちょ、こら!人に當たったらどうすんだ!」
「まったく~、未知花ちゃんは元気だなぁ」
じめじめとした生ぬるい風が俺たちをでた。
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