《余命宣告された俺は、召喚された異世界で達と共に世界を救います》第2話 告白されたら嬉しいはずだよね?

「………はぃ?」

拍子抜けの聲が出た。

なんか前回もしょっぱなから拍子抜けてたな……。

まあそれはそれとして。

「ストライクゾーンど真ん中って……どういうことだ?」

まあ意味はわかってるんだが、なんと言うか、信じられないんだよな。聞き間違えかも!

俺の質問に、ピンク髪ココアは、顔を赤くしてもじもじしながら口を開いた。

「も、もう……!何度も言わせないでくださいよぅ!」

顔をブンブンと振るココア。

うん、どうやら聞き間違えではなかったらしい。

寺尾翔太、人生初の子からの告白。

うん、普通なら喜ぶところだろうな。……普通なら、な。

「……いや、え〜と、ちょっと待って?」

たしかに可い。可いのだが……。

「もっかい聞くけど、お前は何者なの?」

「魔法使いです!」

ね?無理じゃね?

を張って言うココア。

うん、可いんだよ?たしかにね?もでかいし。

でもさ………。

「魔法使い………」

この子普通じゃないじゃん。

「はぁ………」

俺は重いため息をついた。

「………………」

俺たちの間に沈黙が訪れた。二人とも無言で考え事をしている。

「あっ!!」

びくっ!

急に聲をあげたココアに、俺は驚いてをビクつかせた。

俺は揺しながら問う。

「な、なんだよ。どうした?」

すると、ココアは慌てた様子で言った。

「翔太!翔太!早く異世界に行かないと時間がない!」

………時間?

「どういうことだ?」

何気なく聞いた質問。この質問に、ココアも何気ないように答えた。俺は知るよしもなかった。この質問が、どれほど重要なことだったか。

ココアは、慌てながらこう答えたのだ。

「だってだって!あと五年で翔太死んじゃうじゃん・・・・・・・・!」

…………ん?

なんだ?聞き間違えかな?

「え〜と………もっかい言ってもらえる?」

「だから!あと五年で翔太死んじゃうでしょ!?」

「……………は?」

聞き間違えじゃない。ココアが噓を言っているようにも見えない。

俺は、狀況判斷に頭が追いつかなかった。

「………どういうことだ、説明しろ」

いつになく真剣に、ココアに聞いた。

ココアは、あっ!と目を大きくした。

「そういえば、翔太に説明してなかった!」

ココアは當たり前のことを言うかのように、別段真剣に話すわけでもなく、俺にこう告げた。

「翔太はあと五年で死ぬの」

「だからそれを説明しろって言ってんだよ!!」

「ひっ!」

し、しまった!ついカッとなってしまった。

急に怒鳴った俺に、ココアは泣き目でぶるぶると震えている。

俺はなだめるように言った。

「わ、悪い。ついカッとなっちまった。ちょっと狀況が理解できなくてさ。ホントごめん」

震えるココアに目線を合わせて言ってやった。

ココアの震えは止まったが、まだ俺を警戒しているようだ。

だから俺は、できるだけ優しい聲で言った。

「続き……説明してくれるか?」

「うぅ………はい、分かりました……」

………なんか、嫌な空気になっちまったな。俺が悪いんだし、なんとか場を和ませられないだろうか。

………無理だなぁ。俺コミュ癥だしなぁ。

俺はココアに視線を向けた。

ココアは、まだ怯えた様子で俺を見ている。

………しょうがない、俺なりにできることしてみるか。

俺は、ココアに小指を差し出した。

「……………?」

ココアがキョトンとした顔で俺の顔を見ている。

俺はココアの手をとり、小指を絡ませた。

「!?」

俺の行に、ココアが顔を赤くしてあたふたしている。そんなココアに、俺は笑いかけながら言った。

「指切りげんまんだココア。俺はもう、絶対に怒鳴ったりしない」

「………ゆびきりげんまん?」

「そう、指切りげんまん。絶対に守らなければいけない約束がある時にする儀式」

俺は笑いかけながら続けた。

「だからココア。もう怖がらなくて大丈夫だ」

「うぅ………うぅ………」

ココアがうつむきながら泣き出した。そして………………

「翔太ーーーーー!!」

「うおっ!?急に抱きつくなよ!!」

ココアに抱きつかれた俺は、バランスを崩して地面に倒れた。

ごすっ!

「痛っ!」

後頭部をぶつけた。めっちゃ痛い。

「翔太ーー!!やっぱり大好きーー!!」

ココアが俺の元に顔を埋めながら泣いている。

俺は、そんなココアの頭に手を乗せてやった。

………どうやら、功だったみたいだな。場を和ませるの。

そして、俺は制そのままに天井を見た。

…………5年後に、死ぬのか……俺。

詳しくは、ココアが泣き止んでからにしようか。

俺はココアに、優しい笑顔を向けた。

余命…………殘り5年。

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