《貓神様のおかげで俺と妹は、結婚できました!》十話 熱だからですかね!? 妹の様子がマジで変なんですけど!?

「な、なぁ冷奈大丈夫か?」

「はい? どうしたんですか? おにぃちゃん・・・・・・」

? ⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯おにぃちゃん⋯⋯⋯⋯⋯⋯?

おにぃちゃん!? いい今! お兄ちゃんって言った? あの冷奈が俺を?

その一言で俺の脳は一瞬にして真っ白になり、次に天國の様な花畑が咲きれた。

「れれ冷奈!? お、お前今、 俺の事『お兄ちゃん』って」

「へ⋯⋯い、いやこれは違うんです! 間違えて言ってしまっただけで⋯⋯さっきから頭がぼーっとしてきて⋯⋯なんか輝夜を見ると顔が熱くなってきて!」

冷奈が普段の目つきに戻ると冷奈とは思えないほどに取りし、顔をずいっと寄せ、有無を言わさぬ勢いで言ってくる。

「だ、大丈夫か!? 冷奈!?」

もしかして熱!? そうだよな、なんで俺はこんなに調子乗ってんだよ! 今日はいろんな事があったし俺と関わるなんてこいつにとってはストレスでしかない筈なのに⋯⋯ごめん勝手に自分一人調子に乗ってた、守るなんて言っておいて。

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冷奈は頭を振るが再びトロンとした表に戻った。

「⋯⋯⋯⋯おにぃちゃん⋯⋯⋯⋯ようやく⋯⋯前みたいに話す事が⋯⋯出來て私とても嬉しいです」

そんな事を呟く、それが冷奈から出るはずのない言葉であるから輝夜は焦りに焦って困してしまう。

冷奈がそんな事を、言うはずがない!

そそそそんなにやばいのか。こう言う時って、ど、どうすれば!

いやいや、俺が慌ててどうする! ただでさえ劣ってるんだからこういう時こそ冷靜に!

俺はぐちゃぐちゃになる思考をどうにか落ち著けるべく目を閉じ深呼吸。

その間に「おにぃちゃん⋯⋯」なんて優しげな聲が聞こえてきて思わず顔が赤くなってしまうがどうにか落ち著けていく。

ふう⋯⋯えーっと、そうだまず溫を図らないと、それにさっき見えた貓耳のせいかも知れないし、な。

長らく溫計なんて使ってないし、どこにあるか分からないな、とりあえず手を當てて⋯⋯みるか。

そうそう、これは急事態だからな、仕方なくさ、うん。

「冷奈、し頭貸してくれないか?」

俺はばくんばくんと音を上げる心臓をどうにか抑え、なるべく穏やかに落ち著いている様にそう話しかける。

こんな時に俺が不安そうだったり焦ってたりしたら冷奈の事だから強がるかもしれないからな。

それだけは絶対にしてほしくないんだ。

だから表に出すわけにはいかない、こんな時ぐらい役に立たないと!

「へ⋯⋯? はぃ」

冷奈が素っ頓狂な聲を上げるがこくりと頷いた。

そして俺は冷奈の額に手を近づけていく、もう片方の手ではフラフラしている冷奈のを支えた。

「ひゃっ⋯⋯おにぃちゃんの手⋯⋯冷たい⋯⋯」

恥ずかしそうにニコッと微笑む冷奈、それをみて思考停止しそうになるが必死にフル回転。

すぎ⋯⋯じゃなくて!

邪念を払う様にてきとうな阿彌陀仏如來を脳でお呟き続ける。

熱は熱は⋯⋯。

「ふわぁぁあ」

そんな気持ち良さそうな聲。

い⋯⋯っ!? あぁ集中できねぇ! こんなの長年の修行の末悟りを開いた僧でも興するわ!

「ねね熱は⋯⋯微熱っていった所かな。冷奈大丈夫か?」

冷奈が熱なんてここ數年で初めてだから、それほど今回はイレギュラー。

本當に大丈夫なのか? 確かに微熱だけど、冷奈はこんな事一度も⋯⋯それにお兄ちゃんって。

「⋯⋯はぃ」

恍惚としていた冷奈と目が合って、俺の心臓が心拍を更に上げる。

熱のせいじゃない⋯⋯ならやっぱり⋯⋯。

ぽけぇっと見上げてくる冷奈、さっきからダダれだけどめっちゃ可い⋯⋯妹だけど関係ない、めっちゃ可い。

このままじゃ思考が可いの3文字に染まってしまいそうだ。

いや、あくまで妹として、だぞ!

まぁ他人だったら一発KOだろうな。開始2秒でゴングが鳴ると思うわ。

つ、次は貓耳の確認だな、尾の時はる事で可視化したから、もう一度れば⋯⋯。

「なぁ、冷奈。こっちに頭出してくれないか?」

素直に従う冷奈、その景に息を詰まらせてしまう。

俺は既に椅子から降りており、膝立ちをしていたのだが、冷奈の接近で座りの様な正座を崩した形になっていた。

それが冷奈の姿勢がまたエロい⋯⋯本人が意識したわけじゃないからますます可すぎて俺は呼吸を忘れそうになる。

俺と同じくの子座りをしていた冷奈は頷いたかと思うと、を乗り出し右手を俺の足と足の間に立て、左手は俺の右側に⋯⋯どこか貓のような甘えるようなそんな姿勢なんだ。

見上げられる視線には熱がこもり、吐息はし荒い。

視線を下げると見えてしまいそうになるかとは言えないまでも大きく形の良い雙丘が見えそうで⋯⋯。

ぶんぶんと俺は顔を振り、頬を張る。

冷奈は一瞬目を見開いたが直ぐにふやけた表に戻った。

よし、行くぞ⋯⋯。

恐る恐る近づいていく俺の手、普段なら両斷されてもおかしくないのだが今はそんな事は無い、だからこそ怖いんだ。

こんな可らしすぎる態度の冷奈は異常なんだ。

先程確かに見えた場所そこに手を持って行く。

「うっ、ふぅぁあ⋯⋯」

「っ?! ご、ごめん嫌だったら言ってくれ」

「大丈夫⋯⋯久しぶりで⋯⋯し気恥ずかしくて」

何も考えるな、今は正常じゃ無いんだ、集中集中。

結果、無い⋯⋯。

そんなはずは、さっき確かに何か貓の耳のようなが。

見えた場所にそれは無く、頭全でるように手を這わせて行くが冷奈が「ふにゃぁ〜」と気持ち良さそうな聲を鳴らすだけでそれらしいものは無かった。

どうして、だ⋯⋯?

「無い⋯⋯な」

俺はそう言って手を引く。

なんか凄くまだこうしていたかったんだけど、流石に冷奈が苦しんでる時にこんなことしてる場合じゃない。

俺が冷奈からを離すと、寂しそうな、しそうな顔を向けてきて決意が揺らぎかけるが持ちこたえる。

「いきなりごめんな」

「なんでおにぃちゃん⋯⋯謝るの? あの、その⋯⋯うう嬉しかった⋯⋯よ?」

「っ! と、とにかく今日は安靜にした方がいい! 熱もなさそうだし、そろそろ寢る時間だしな、れ、冷奈は一人で帰れるか? 送ってやろうか?!」

こ、これ以上はやばい、なんか俺の理が悲鳴を!

「お、お兄ちゃんが⋯⋯そう言うなら⋯⋯うん、帰れるよ⋯⋯おやすみ、おにぃちゃん」

冷奈はし寂しそうな顔をするが、すぐに笑顔を浮かべるとそう言ってしふらつきつつも部屋を出て行った。

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