《量産型ヤンデレが量産されました》抵抗

「マジかよ」

思わぬ者の登場に驚き俺は思わず呟いた。考えていた中で最悪なのは「問答無用で三人にどこかへ拉致られるパターン」であったのに、これは更に上を行くかもしれん。いや、下か。

こんな時こそ俺の自防壁である三人に馬鹿を排除してしいのに、三人でもこの馬鹿には逆らえないのか攻撃的なきを見せない。

馬鹿をこのまま放置しておくと本當にどこかへ連れて行かれかねないので仕方なく俺が聲をかける。

「ちょっとまて、ステイ、ハウス、なんでもいいからとにかくやめろ」

「おやおや、全くの親切心から提言したというのに心外な言いだねぇ」

ははっ、抜かしおる。

「地獄への道は善意で舗裝されているという言葉があってだな、お前の善意は間違いなく地獄直行便なんだよ。いいか? 絶対に勝手に話を進めるなよ? フリじゃないからな?」

この馬鹿を完全に制することは不可能だとに染みてわかっているので、せめて監視下に置きたい。まあそれすら無理だってのもわかっているが、全貌の何割かでも知っておきたい。

「ふむ、ということは勝手に進めなければいいんだな?」

言質は取ったぞ、という目でこちらを見てくる。あ、これ失敗したわ。

何か言い出す前に一発叩いて黙らせようとするが、俺がきだすよりも早く馬鹿の口がく。

「四泊五日の無人島旅行へ四名様ご案決定しましたー!!」

馬鹿が萬歳のポーズでそうぶと榛名と田中と文が「ガタッ」と立ち上がる。

「寢る場所はちゃんとありますか?」

「安心しなさい! 宿泊施設はちゃんとある!」

榛名さんや、それよりも心配することは沢山あると思うんですけど。というか無人島なのにそんなのあるのかよ。

「場所はここから遠いですか?」

「それも安心しなさい! すっごい遠いぞ!」

田中よ、距離を聞くんじゃなくて止とめてしいんですけど、俺。

しかも距離が遠いことに安心しろってどういうことだよ! 全然これっぽっちも安心できねえよ! どこまで連れて行かれるんだよ!

そして田中は「ほっ」とした顔になっている。 本當に安心してんじゃねえよ!

「海は! 泳いでいい海はあるの?!」

「もちろんバッチリだ! 誰も見ていないからどう泳いでも自由だ!」

こら文! 俺の次にこいつの怖さを知っているはずなのに海の有無なんて聞いてる場合じゃないでしょ!

わかってはいたけど馬鹿に逆らえるのは俺だけ…………、というよりも反対なのは俺だけっぽい。どうして俺が孤立無援なんだ。どうしてこうなった。

「あー、あー、盛り上がってる所悪いけど、旅行って普通保護者同伴じゃないと無理だよな? だから俺らだけで旅行なんて無理だと思うんだけど」

三人は「今更こいつは何を言っているんだ?」という顔をする。いや、普通の旅行ならまだ、「まだ」マシだろうけど無人島でしょ? 絶対やだよ。屁理屈こねてでも止とめるよ?

だが、ただ一人、馬鹿はニヤリと笑うと俺に止めを刺そうとする。

「なーに、保護者がいればいいんだろ? 私も一緒ならば問題無い」

アウトー!! 一番アウトなの來たぞー!!

だがしかし、流石にそれは嫌なのか三人も「え、それはちょっと」という顔をしている。

「いやいや、お前が保護者とか無理だろ。旅行會社の人に止められるって」

「大丈夫だ。絶対に止められない」

何故か自信満々にそう言う馬鹿。一何を拠にそんなことを言っているのか……、はっ!

「お前、まさか!」

「なにせ私がこの時のために作った旅行會社だからな! 社員は私一人! ツアー旅行という形ならば全く問題ない!」

や、やりやがったぞこのアマあああああ!!!!

「というわけで一緒に旅行するわけじゃないから三人とも安心していいぞ」

馬鹿のその言葉で「なーんだ、それなら大丈夫」と三人は納得する。お前らの判定ガバガバじゃねーか!

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