《リーンカーネーション 小學生に戻ったおれ》悲しみのプールサイド
今日も妹達の面倒を見ていると言うより、一緒にいないといつ妹達が怒り出すかわからない。
「お兄ちゃん、プールは?」
「今度な今度」
「今度っていつ!昨日も一昨日も今度って言ったてたよね。連れて行ってくれるって言うのは噓だったの?」
妹のアンリがかなり怒っている。あやめも怒っているのは間違いない。二人をプールへ連れて行く事については両親も了解済みで山田さんがわざわざお父さんにまで話をしてくれていたんだけど、肝心の山田さんはと言うとプールに行けない狀態、実は彼達、決勝にまで進出していたのだ。特に昨日の天野さんから始まって山田さん、立川さんとセンターオーバーのホームラン、三連発は圧巻というしかなかった。昨日はプールは?と渋る妹達を置いてまで試合を観に行かなかったのだが、夕方に天野さんが興してやってきて俺を見るなり抱きついてきたのだった。
「佐藤くんのおかげだよー!!ありがとう!!」
「決勝進出おめでとう」
「ありがとう」
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俺を抱きしめる力が強くなった。そして、耳元で
「っていいよ。私のお」
こうして俺は彼のおをると
「えっち・・・麗チャンにはナイショ、あと明後日、プール行こうね」
翌日、彼達は負けてしまったのだった。
決勝戦は、はっきり言って小學生と中學生の戦いみたいなものだった。相手のピッチャー、キャッチャーとセンターの3人は長170cmは余裕であるだろう。傍目からしても中學生にしか見られない。更に彼達以外にも3人は、山田さんとほぼ互角の格をしていたのだった。という訳でパワー面では、完全に、相手チームである南山本フォックスがかなり優位となっていた。技面でも、それなりの技を持っていて、池上フレンズには、かなり不利なのは明白だった。更にコーチたちもバカなのだろう。昨日のセンターオーバー3連発があるとか言って、碌に相手重量打線と相手投手陣の報を天野さん達に伝えることがなかったというか、ちゃんと報を取っていなかったというのが正しかった。
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ただ、昨日、唯一僕の所にやってきた天野さんは、バットをコンパクトに振ることで、相手チームのエース荒元さんのボールに食らいつくことが出來てた。これは、おをりながら、耳元で、昨日の試合で警戒されるから、バットを短く持って、まずは、ヒットを打つこと、そして、慣れてきたら、次は、ライト側へ打つ。3打席目は思いっきり引っ張るということをのきもえて教えていたのだ。それを実行している天野さんを除いては凡打の山を気付いた。
そして、この試合の唯一の得點は、天野さんのランニングホームランだった。結局、山田さんと立川さんはは、センターオーバーを狙ったが、全て守備範囲でアウトになってしまっていたのだった。試合が終わって俺の前に現れたのは天野だった。何故か爽やか笑顔であらわれていて、話を聞いた俺が天野さんたちはよくやったよと言うと、そうでしょ。あいつら絶対に歳誤魔化しているわと笑っていた。一方山田さんは負けたことに対する責任をじて來れないとか。立川さんについては、負けたことによるショックで外にすら出られない狀態だそうだ。しかし、天野さんは、明日のプールが楽しみと言ってくれたので、予定通りプールに行くことになった。多分、他の二人は行けないだろうが、
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***
という訳で、今日は、天野さんと俺たち姉妹が市営プールへ向けて出発することになった。
「やっと行ける」
そう言って二人の妹が喜んだのは言うまでもなかった。
「おはよう。佐藤君」
そう言って、約束通り現れたのは天野さんだった。昨日より爽やか笑顔でニコニコしている。しかし、そんな時だった。
「佐藤君、おはよう」
俺に挨拶する聲が聞こえた。その聲を聞いて驚いた。そして、その橫にいる天野さんも驚いた表を浮かべているかと思いきやしむっとした表を浮かべていた。
俺たちの目の前には、今日は來ることが出來ないと言っていた。山田さんの姿があった。その姿を驚いた表で見ていると
「約束でしょ。ちゃんと守るわよ」
こうして、山田さんも一緒に行くことになった。
***
驚いた表をしている太田さん、それもそのはず、今、太田さんと會っている場所はなんと子トイレだったのだ。妹二人を連れて來たまでは良かったのだが、あやめはともかく、アンリは一人でって行かせる訳にはいかないので、しかたなく、子トイレにいる。同じ小學生と思われる子達には軽蔑の眼差しが刺さって來ていたが、まさかここで太田さんと會うとは、お互い言葉が出ないままでいると
「今日は、家族で來たの?」
「違うよ。妹たちと天野さんと山田さんと來たんだ」
するとし悲しそうな顔を浮かべた太田さんなんだけど、そこへアンリが
「おしっこ・・・終わった」
そう言ってトイレの個室から出てきた。當然、あやめも済ませていたので、
「どうぞ・・」
「あ・・・ありがとう・・」
なんとなくぎこちない會話をわした後、俺たちは、みんながいるところへ戻っていった。すると、天野さんと誰かが喧嘩をしている。よく見ると絹やんと矢部っちだった。最悪の展開だ。あいつら俺達を見つけたら真っ先の子と一緒にいることを囃子立てるに違いない。そして、案の定、俺は見つかってしまった。
「佐藤!!お前!!」
「と遊んでいるのか、この男」
そんな言葉を言われても俺にとってはどうでもいいことだった。
「やーい!!男!!」
そう言って、囃子立ててくる矢部っちに、天野さんもしお怒りモード、しかも、山田さんに至っては、完全にキレて
「私達と遊ぶことの何がいけないの?」
正論を話すが、あほな矢部っちは相手としては最悪だ
「の子と遊ぶことは悪くないんだ。佐藤がの子と遊ぶから悪いんだ。なー絹やん」
「そうだ。悪いのは佐藤が男ということだ!!」
全く論點がつかめない神年齢47歳の俺からすれば、あほな二人に付いて行けないというのが本音だった。そこへ思わぬ助け船がやってきた。
「ところで絹山君と矢部君のご両親はどこかしら?」
その一言にビクッとした二人、その聲の主はなんと太田さんだった。太田さんが彼のお母さんを連れてたまたま通りかかったみたいだった。そして、俺たちに難癖をつけて來ていた二人を見かねて、彼のお母さんを利用したのだった。
「學校で、子供たちだけでプール行くの止じゃなかったっけ?」
その一言に絹やんが反論する
「だったら、こいつらも同罪だろう!!」
俺たちも學校で止されることをやっている。みんなで目を合わせていると太田さんが
「みんな私のお母さんと保護者ということで來ているんだけど」
「く・・」
言葉に詰まった二人は、決め臺詞を殘して、その場から逃げ去って行った。
「お・・・覚えてろ~!!!」
***
「ありがとうございました」
太田さんのお母さんに向かってみんなで頭を下げてお禮を言うと
「ゆりあ・・・友達がいてよかったね。私、武を見てるから、あ、3時には帰るからね。いいね」
「うん・・わかった」
そう言い殘して、彼は太田さんの弟の武がいるところに向かって行った。こうして、太田さんも加わって、しばらく遊んでいると妹たちも疲れだしていて、プールサイドで休みだした頃、山田さんが競爭をしようと言い出したのだ、ルールは簡単、25m誰が一番早く泳げるかということだったが、俺は、真っ先に辭退をさせていただいた。それは、妹たちをプールサイドに置き去りにするわけにもいかないというはっきりした理由があったのだが、そこへ、再び、太田さんのお母さんが現れた。そう太田さんの弟の武も疲れ切っているということで、妹たちと同じプールサイドで休むことに、もちろん、おばさんは、一緒にいるとのことだった。そして、天野さんの挑発が始まった。
「そういえば、佐藤君、授業で25m泳げなかったよね」
「そうだったかな?」
すると山田さんも太田さんも知っているらしく
「そうよ。たしか、5mの蹴びしかできないもんね~太田さん」
「そうよね。私でも勝てるかも」
「だから、さっきも妹さんを見るとか言ってお兄ちゃんぶって競爭からにげようとしたのでしょ」
「わかっているんだから」
そんな挑発をされたものだがら、俺も思わずムッとなった
「だったら、俺が、25m泳げたらどうしてくれるんだ」
その言葉に3人ともありえないといった顔をしている。今思えば、確か、小學3年までは、全く泳げなかった記憶がある。それは、多分、小さい時に、海に彫り込まれて、溺れた記憶があったせいだ。しかし、今は違う。
「ありえないわよ」
天野さんの呆れたような一言に、
「じゃ・・3人の誰かに勝てれば、どうする?」
「絶対に、ありえない!!」
「そうよ!!絶対に無理よ」
「うんうん!!まずありえないわ」
みんなが反論してきたので、
「じゃあ・・俺が勝ったら、言うこと何でも聞くよね」
「いいわよ。で、どんなこと?」
みんなを手招きして、耳のそばでひそひそと話した。
「あそこ見せて、そして、らなせてね」
「え?」
「うそ?」
「変態」
そんな言葉が飛びっていたのだが、真っ先に、納得していたのは天野さんだった
「えっちだと思っていたけど、佐藤君のえっちはどえっちだね。ま・・・勝てるはずないけど。負けた時は私たちの言うこと何でも聞いてもらうから。いいね」
両腕を組んで勝気な3人は互にそうよと言っていた。
「わかった」
こうして、4人の25m競泳が実現したのだった。丁度、プールの點検時間があって、係員に4人で競爭したい旨を伝えると。その間の使用を許してくれた。もちろん飛び込みはなし。プールサイドから妹たちから
「おにーちゃん!!がんばれー!!」
という聲が聞こえてきた。そして、スタートは、おばさん、
「よーい!!どん!!」
その掛け聲とともに泳ぎだし俺達、やはり対格差があるのか、山田さんが一番早い、次いで、天野さん、太田さんそして、俺と分が悪いんだけど、俺も全力で泳ぐしかなかった。力面では確実に負けているしかし、俺の神年齢は47歳という訳で、実は、泳げない俺でもある程度は泳いだことがあった。その通りにをかすと徐々に彼達との差はまってきて、半分くらいのところでは、山田さんに腕くらいの差に迫ることが出來た。ここからは、我慢のしどころで力がない分、泳ぎでカバーをしないといけない。もちろん、山田さんも力が落ちてきて、スピードがし落ちた。今だと全力を出して泳ぐとタッチの差で俺が勝つことが出來た。その現実を知った3人が唖然とした表を浮かべたのは言うまでもなかった。
太田さんが思わず泣きだしてしまった。俺が言ったことに耐えれなかったのかもしれない。
「あれは冗談だから」
「冗談でも、言い過ぎよ」
二人から思いっきり怒られてしまった。こうして、俺が勝った気分は一瞬で悲しみに変わってしまったのだった、
「すみませんでした」
深々と頭を下げると、コツリと天野さんが頭を叩いた。そして、耳元で
「私だけだったらいいのに・・」
ぼそりと言ったのだった。こうして、俺が謝ってさっきのはなしということで決著したかのように見えたのだが、、実はこの後、俺たちが帰る時に事件が起きたのだった。それは俺は、子更室にいて、妹たちの著替えを手伝ている時に起きたのだった。著替えていると俺を見つめる視線と目があった。その視線の主は、他ならぬ太田さんだった。次の瞬間彼のをまいていたが、俺と目が合った瞬間にバスタオルがハラリとはずれ落ちてしまった。俺は彼のに釘付けになったのは言うまでもなかった。
「きゃっ!!」
思わずを隠して、うずくまる太田さん。その時だった。彼の橫にスッポンポンの天野さんが現れ
「何隠しているのよ」
「え?」
「そうよ!!そうよ!!」
山田さんもだ。彼たちに言われるがまま太田さんも立ち上がった。そして、俺の方を見た。
「見て、あのエッチなおちんちん」
天野さんが俺の間を指さした。それに気付いた た時には遅かった、我が息子はスーパーサイヤ人になっていたのだった。それを見て真っ赤になった顔をかくす太田さんの姿がかわいく見える。その橫の二人もケラケラと笑っていた。こうして、著替えを終えた俺たちは帰ることになった。もちろん、アンリを背中に背負ってだけど、家に著くと起きろと叩き起こされるまで記憶がない。多分、睡していたのだろう、しかも、目を覚ますとお腹が減っていて、3人ともよくご飯を食べていたのを覚えている。
そして、明後日、夏休みの登校日がある。しかも、プールの授業であった。
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