《リーンカーネーション 小學生に戻ったおれ》モンスター

梅雨の一時、まとわりつく気、くと出るべとべとの汗、そんな気持ちが悪いこの季節、ポトポトと落ちてくる雨粒を見ていると岡田さんが俺の肘をつついた。

「なにしているの?」

「ぼーっとしてた・・」

今は授業中だった。

「佐藤~!!」

目の前には怒った先生の顔が・・

「授業中にぼーっとしているなんて度がいいな」

やべーやってしまった。なんて言い返せばいいんだろうか。あれこれと考える余裕はなさそうだ

「立て!!」

「はい!!」

素直に立った俺に先生は、質問をしてきた。

「稲の生長をよくするために使われるものはなんだ」

何の質問だ?いきなり稲の生長をよくするためというのは、料だろうけど、教科書を見るわけにもいかない。先生は既に黒板を消していて、たぶん説明したであろう部分については、必要以上に消してあった。しかたない。料で答えよう。

料です!!」

「うぐ・・おしいな~ちょっと違う!!」

先生の殘念そうな顔は、多分、的外れな答えを期待していたに違いない。手にしている長尺定規を手の上で鳴らしているのがぴたりと止まってしまっていたのだった。

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「〇〇料だけど・・〇〇には一何がる?佐藤!!」

先生は、俺にケツバットをしたくて仕方がないのだろう。再び長尺定規を手の上で鳴らし始めた。しかし、今の質問だけでは、報が不足しすぎている。〇〇と前につくということは、まるまると數えて4文字なのか、それとも〇〇は漢字かひらがなかそれともカタカナの二文字を意味しているのかうーむよくわからない。けど、ケツバットは嫌だ。さてと一何がるんだ?授業は社會のはずなんだけど、理科的な稲の話になっている。一何なんだ?と岡田は俺をつつこうとしたようだが、先生が睨んでいる。

「佐藤下を向くな?答えろ!!」

退路は斷たれてしまった。どうする?先生の口角がジワリと上がった。そうか料の種類かということは、有機料か化學料なんだけど・・・どっちも同じ二文字?

「そろそろ答えてくれないか?」

めんどくさい二つ答えちゃえ

「有機料と化學料です!!」

「は?」

先生はどう答えたらいいのかわからない様子だった。何故なら、両方とも間違いではないからだ。しかし、これは、先生が考えていた授業のストーリとしては、間違いな回答のはずだ。答えは二つもいらないからだ。しかし、どちらかを答えて間違った場合、俺は確実にケツバットなんだけど、ここは功だろう。先生の顔がしイラついている。

「せ・・・正解だ。よく勉強をしてきたな」

と言いつつ黒板へ振り返った

「しかし、この授業では化學料のことしか話してないはずだが、そして、有機料ではなく、堆として教えたはずだけど」

そう言って俺の方へ振り返ったその手には長尺定規が俺の元まで屆いていた。

「佐藤!!聞いてなかったろう!!前へ出ろ!!」

結局、俺は先生のケツバットをくらった。

バチーーーーン!!

***

休み時間・・・

井上さん、太田さん、岡田さん、山田さんの4人が俺の元にやってきた

「なにやっているのよ」

「先生、機嫌悪いのに」

「ホント!!!何かあったのかしら?」

この日の先生は特に機嫌が悪かった。ちょっとしたことで直ぐに怒り始めたのだった。授業を聞いている俺たちのにもなってほしいと思うのだが、兎に角、機嫌が悪い。どうしたものやらと思っているといきなり見たこともないが俺たちの教室に現れたのだ。そして、

「あんたたちの先生はどこにいる!!」

凄まじい形相をしたがそこに立っていた。モンスターペアレントの登場か?

シーーーーン

「?」

そのの怒鳴り聲に驚いた俺たちはみんな黙って、そのを注目している。彼はいったい誰だ?と思っていたら。近くにいた川村が捕まった。

「あんたたちの先生はどこ?」

そうに川村はぐらをつかまれ前後に振り回されている。

「あ・・え・・・えあ・・・・・あ・・」

「どこにいるのよ?白狀しなさい」

あまりもの恐怖に川村は泣き出し

「え・・あ・・え・・えっく・・・ひっく・・・ひっく・・・」

回答不能に陥った川村を見てあきらめたのか、無言で周囲をみている。もちろん、クラス中は大パニックに陥った。

「わーーーー!!!」

「逃げろ!!」

俺一人のんびりしていると山田さんが

「佐藤君逃げましょ!!」

この間にも川村と同じことをされた數人が泣き出してしまった。教室のパニックは更に広がって

キーンコーンカーンコーンと響き渡る予鈴を無視して、教室を出し始めたのだった。そんな時、俺はこのに捕まった。

「あんた!!先生はどこ?」

「職員室のはずですが・・・」

「職員室には行ったわよ!!教室に言ったと聞いたけど・・・どこに隠したのよ?」

ぐらをつかまれた俺は分が悪い。とりあえず、このままではいけない。

「あの~・・・あなたが今されていることは軽犯罪法にふれますけど・・」

「何言っているのよ・・・先生はどこなの?」

うーむ手強いぞこいつ・・・

「暴力反対!!」

「うっさい!!先生はどこなの?白狀しなさい!!」

「言えません。それを聞くならあなたは一どこの何者なのですか?見ず知らずの人と話すこと自止です」

「うっとおしい。ガキね!!こうしてくれるわ!!」

パチーーーーン!!

ビンタが炸裂した。これで正當防衛を主張できる。

「痛い!!」

そうんだと同時に暴れたふりをして、彼の脛を思いっきり蹴って、機一つ離れた位置へ逃げた。

「うっ!!」

しばらく、うずくまった彼は俺を睨んでいる。

「やったわね!!」

ガタガタ!!機を間に挾んで右へ左へフェイントをかけて逃げる

「このクソガキ!!まてーー!!」

「ここまでおいでー!!」

俺は、教室の後ろまで逃げた。そこには、ドッチボールが置いてあった。そんな俺を追いかけて彼は近づいてきている。

「待ちやがれー!!」

コロコロ・・・・

俺が足元へボールを転がすと

「あ!!」

どすん!!

は、ボールに足を取られ転倒した。そして、運がいいことにそのショックで気絶してくれたのだった。

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