《リーンカーネーション 小學生に戻ったおれ》ホームラン作戦

「いいわね!!名付けてホームラン作戦よ!!」

コーチは、自分自で完全に納得しているようだ。呆れてバットを取りに行く俺の方ををブルルンと揺らせて振り向いて、ビシ!!と指さしたのだ

「佐藤君!!わかったわね!!」

「はいはい」

「ハイは一回でいい!!」

「はーい」

「なによ・・・あいつ・・・」

ヘルメットをかぶってバッターボックスに向かうしかなかった。そんな俺の後ろ姿を見てみんなの方を振り向いたコーチはそのまま話続けていた。

「最高の作戦よね!!」

「・・・」

誰もノーとは答えることはできない。苦い顔をしていたのだった。

ったく・・どうやって、打てばいいんだ?とは思っているもののと仕方なく打席に立った。

ズバーン!!

「ストライク!!」

去年よりも球速がましていてびのあるストーレトだ。しかし、そのことが災いしてか、去年のような癖玉ではなかった。これは、案外打てるかも、俺は、バットを構えた。

2球目

來た!!

そう思って、バットを出した瞬間、ヒョイっとボールがまがった。

Advertisement

ブーン!!

空振りをしてしまった。

「ストライク!!」

「何やっているんだ?」

そんな言葉がベンチから飛んできている。

カ・・カーブ?多分、カーブだろう・・小山の奴も進化している。追い込まれてしまった。とりあえずストレート待ちでバットを構えた。

続く3球目。ストレート・・・これはボールだと見逃した。

「ボール」

カウントはツーストライク、ワンボール、キリリと吊り上がった細い眉に気の強そうなギラギラとした目が俺に向けられている。遊んでこないだろう。多分、さっきのは吊り玉だ。ということは、多分、次は確実にストライクだ。そして、決め球のストレートのはずだ。そう考えてバットを構えた。

4球目

ぐ・・ボールが思ったより遅いぞ・・カーブだなんて・・・裏をかかれた。俺はとっさに左ひざに力をれて踏ん張って右の脇を閉めた。こうするとバットを振るのを遅らせることが出來る。目の前でヒョイと曲がるボールを見てここだ!!とバットを押し付けた。そして、腰をくるりと回してボールを切るようフルスイングした。

キン!!

一二塁間をスライスしながら速いライナーが抜けた。そして、そのボールはライト線へ落ち、転々と転がっていった。

「フェアー!!」

ライト線を転がる早い打球は校舎がない奧へと転がっていったのだった。こうして、俺はランニングホームランを打つことが出來たのだった。

「コーチ!!佐藤はホームラン作戦功したであります!!」

ベンチに戻ってコーチに敬禮をするとコーチも敬禮を返した。

「了解!!」

するとみんなが

ドゥドゥドゥ!

ドゥドゥドゥ!

ドゥドゥドゥ!

トゥーース!!

イエー!!!

ベンチに歓喜の聲がこだました。するとマウンドには、小山と巖ちゃんが話をしている。小山は悔しかったのか俺を睨んでいる。二人は次のバッターに集中しろとでも言っているのだろうか?

「矢部っちー!!続けー!!」

「おう!!」

勢いはここまでだった。続く矢部っち!!外やん、絹やんは三振に打ち取られてしまったのだった。

続く2回表、結構厳しいかった。ワンアウト1、2塁、あの三人だけではなくベアーズは全として力をつけている。この八番も結構粘ってくる。

キン!!

「ファール!!」

そして、

キン!!

「ライトー!!」

こうしてツーアウト

結局、2回で9番バッターまで回ったのだった。しかも、矢部っちはこの回が終わった時點で既に40球以上を投げていたのだった。何とか0點へ抑えてベンチに戻るとコーチが俺に言った。

「次の回から佐藤君が行くのよ!!」

「了解であります!!」

「なんなのよ!!その話し方は・・・」

「え?変でありますか?」

「変よ!!いつも通りに生意気な話し方をしなさい」

「わかったであります!!」

敬禮をして話し返すとプッっとコーチが笑い出し、それにつられてみんなも笑い出した。

「よーし!!みんな!!作戦を言うわ!!円陣を組んで」

円陣を組むとコーチは話し始めた。

「さっきの回の投球だけを見ると、あの小山君はストレート、カーブ、そして、ライジングボールを持っているわ。そこで、みんなはストレートに的を絞って、バットを振るのよ。特に1球目よ。彼は、初球はストレートで勝負してくるわよ。そして、2球目はカーブを投げてくるわ。ただし、3球目のストレートは吊り玉だから気を付けてね。そして、最後にライジングボールを投げているわ。さっきの回、2番バッター以降は全てこの配球できていたからまちがいないわ!!みんな!!わかった?」

「「「はい!!」」」

「初球をガンガン打っていきましょう!!!」

「「「はい!!」」」

「で?バッターは?」

「拙者でござる」

そう言ってバットを持ったのは五番の新垣唯ことガッキーだった・・・あいついつからあんな話し方になったんだ?と思っていると

「さぁーーこい!!拙者が敗してくれる!!」

その言葉と共にバットがカチリと構えたのだった。暴れん坊〇軍?かな?と思って見守ることにした。

1球目

ブーン!!

「ストライク!!」

あいつ・・・コーチが言っていたこと全く聞いていない。

2球目 カーブ

ブーン!!

ストライク!!

ダメだ・・あいつは何も考えていない。それにしてもベアーズは正々堂々と勝負をしてくる。あのコーチはちゃんと調べているはずなんだけど、ホームランを打っているから、たぶん・・・それとも、気が強い小山君のせいだろうか?そう言えば、俺とも勝負をしてきたなと思っていると

3球目、外角高めの吊り玉

キン!!

でた!!

切り!!

ガッキーの打球はレフトの頭上を超えて行ったのだった。

「ホームランだ!!!」

ベンチが沸いた。悪球地がここに來て功を奏したようだ。

そして、ガッキーがベンチに戻るとぼそりと

「また・・つまらぬものをきってしまった」

コーチがんだ。

「よくやった!!」

コーチの作戦と全く違ったことをしたんだけどコーチは功したと喜んでいる。冷靜に見るとおかしな景だ。そして、なんだかなぁ~・・・と思っているとベンチのみんなは浮かれていた。

ドゥドゥドゥ!

ドゥドゥドゥ!

ドゥドゥドゥ!

トゥーース!!

イエー!!!

しかし、勢いはここまでだった。6番以降は、見事におさえられてしまったのだった。

    人が読んでいる<リーンカーネーション 小學生に戻ったおれ>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください