《異世界イクメン~川に落ちた俺が、異世界で子育てします~》爽やか外道な第31話

靜かな夜。

てこてこと廊下を歩くユウカとシング。

「で、アタシにしてしい仕事とは一…?」

代わr…じゃなくて、ちょっとお風呂場まで來てくれれば、それでいい」

「む、でも今って執事組の連中の浴時間……」

「ワタシ、ソンナコト、シラナイヨ」

「何故急にカタコトになる!?」

何か企んでるのか!? おい! と言うシングの質問に、ユウカは「あーあーきーこーえーなーいー」と返しつつも、その足は絶対止めない。

その一歩一歩から、「今夜こそ」と言う決意がじられる。

「あっは、きゃあわいいの子2人組」

不意に響いたの聲。

聞いた者を不愉快にさせる、ゲスゲスしたじの聲だ。

ユウカ達が振り返ると、そこには2つの人影。

1人はTシャツにジーンズ姿というラフスタイルな若い。耳やら舌やら眉やら、顔中にピアスをはめている。チャラいを通り過ぎて柄が悪い。

もう1人は、黒髪の。前髪が長く、鼻先まで隠れており、とても気な印象をこちらに與えてくる。日がな1日もやしと一緒に暗室に篭っていそうだ。

「……誰? 何か、片方は明らかに悪者っぽい」

「悪者、悪者かぁ、まぁあながち間違っちゃあいないかもねぇ。ねぇ、レディ」

「……どうでもいい……と言うか、多分あなたの事を言ってると思うんだけど」

「えー? 相変わらずツレないねぇ。顔も付きも聲も私好みなのに……惜しいわぁ」

「…………一生悔やんでろレズ……」

こいつとは組みたく無かった、という気配が黒髪の方から漂っている。

「ま、それはさておき、もしかしてさ、あっちのお人形さんみたいなドレスの子、第1目標じゃない?」

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「……うん、メイドはメイド服のはずだし……」

「じゃあ、早速捕獲だね」

「……何か、私達を置いて話が進んでる」

「何だこいつらは?」

「私もわかんない。でもとりあえず逃げた方が良さげかも」

「逃がす訳無いじゃん」

にっこりと、ピアスが笑う。

「2人とも私好みだから、お持ち帰りしてベッドの上で可がって、あ・げ・る」

ピアスの腕が、朱の閃を放ち始める。

なのに、ドロドロとした、重い印象をける。

「まぁ、5満足でテイクアウトできるかは、運次第って事で」

「っ!? ユウカ! アタシのに!」

「え?」

シングがユウカの手を引き、無理矢理そのを自の背後に回す。

そして、もう片方の手をピアスの方へと差し向けた。

シングの手もを帯びる。だが、間に合わない。

「『加工撃レトルトブラスト・大砲弾キャノンボウル』」

の衝撃が、シングとユウカに襲いかかる。

「……俺とした事が、恐怖の余り我を忘れてしまったか……」

し反省しつつ、執事長マコトは窓を開け、屋敷に戻る。

「よっこらせっと……む?」

窓枠を乗り越えた所で、マコトの耳に破壊音が屆く。

遠い。だが、確かに聞こえた。

「……発音……?」

この屋敷に発系の魔法を使う者はいないはずが……

いや、シングなら可能はあるか。彼は様々な魔法に通している様だし。

「一何をしているんだ……?」

屋敷…どころか屋敷を壊しちゃいないだろうな、とマコトが顔をしかめたその時、

「おおぉ、獲はっけーんってなぁ」

「!」

廊下の向こうから聞こえた聲と足音。

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「……誰だ、お前達は」

ありえない。そう驚愕しつつも、マコトは冷靜を裝った。

そこにいたのは、灰のツナギを著た柄の悪そうなチンピラ男と、淡いのワンピースにを包んだ

柄の悪い男は煙タバコを咥えており、は何やらウサギとクマのぬいぐるみを抱いている。

この屋敷の関係者なら、マコトがその顔に見覚えの無い人など、存在するはずが無い。

しかし、この2人には全く見覚えが無い。

似た顔にすら心當たりが無い。

つまり、全くの部外者。

それが、マコトを驚愕させている。

この屋敷の周辺には、侵阻害効果は無いの、侵者を知するセンサー結界が張られている。

しかし、結界に反応は全く無かった。

なのに部外者が邸にいる。

不可解だ。しかし、相手が何者かわからない以上、揺を見せるべきでない。

マコトはとっさにそう判斷した。

「誰だって良いじゃねぇか。なぁ? 俺達はお前らを…」

「私はイザラ・トロメア」

「って、名乗るんかい!?」

「だって、誰だって聞かれた。ガドウも名乗るべき」

「あのな、俺達は客様じゃねぇんだよ! 敵なの! 敵! ってかお前そんな馬鹿キャラだっけ!?」

「イザラハ馬鹿ジャナイヤイ!」

「チョット天然ナ所ガ有ルダケダイ!」

「「ガドウノバーカ!!」」

「喋るぬいぐるみ……?」

今の機械の様な聲。

確かにの抱いたぬいぐるみから発せられていた。

ランドー達から報告はけている。

「……お前達か。この屋敷の何かを嗅ぎ回っている輩は」

「あぁ、そぉだよ。嗅ぎ回って、そんで今日は毆り込みって訳だ」

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「……ガドウ、一応、第1目標も忘れないでね」

「カッ、俺にゃガキのエスコートなんて繊細な仕事ぁ向いて無いっつぅの。俺達コンビは、第2目標をメインにやらせてもらう」

「別にそれはそれで良いけど」

「そぉかい。じゃあ決まりだなぁっ!」

「!」

マコトは異変に気付く。

急激な寒気。

悪寒とか、神的なでは無い。

理的に気溫が下がっている。おそらく、この廊下周辺だけ。

「さぁて、突然で悪ぃけど、ちょっくら痛い目見てくれや、執事さんよぉ!」

「冷気系、もしくは氷系の魔法使いか…」

この気溫の低下現象、どうやらあのガドウと言うチンピラ男が原因らしい。

マコトはタキシードのポケットからあるを取り出す。

それは、2つの指。指には、『魔法陣』として機能する文字列が無數に刻まれている。

その指を、両手の中指に1つずつはめ、拳を握る。

これで、マコトは『とある魔法』の発準備が整った。

後は、引き金を引くだけで、魔法が発する。

「1つ、君の発言を訂正させてもらう。俺は執事じゃない、執事長だ」

どうやって侵したのか、そして自分達を襲う目的は何なのか。

疑問は多くある。なので、手っ取り早くそれを解消しよう。

この2人を速やかに拘束し、報を引き出す。

「さぁ、ブチかますぜ……『スーパーアイシング』!」

ガドウの両手から、ドライアイスの様な白い煙が吹き出し、一瞬にして氷の斧へと変化する。

「ラビちゃん、クマッケンジー、お願い」

「オウヨ!」

「ヤッチャウワ!」

イザラの腕から離れたウサギとクマのぬいぐるみ、その2が、急激に膨張を始める。

2秒足らずで、2のぬいぐるみは3メートル近い巨へと変貌した。

「氷製魔法に、に擬似生命を與え、なおかつ強化する魔法、か」

マコトはしだけ安心する。

こいつらの魔法と自分の魔法は、相が悪く無い。

立ち回りに不安要素は無い。

床を蹴り付け、こちらから勝負を決めに行く。

「ヒャッハァッ!」

氷の斧を振りかぶり、ガドウが先陣を切ってマコトを迎撃する。

振り下ろされた氷の斧。

避けた所で、何か策があるのだろう。

でなければ、こんな「避けてください」と言わんばかりの単調な攻撃を仕掛けてくるとは思えない。

舐めないでしいだ、とマコトは溜息を1つだけ吐き捨て、拳を固く握り直す。

そして、その拳を、振り下ろされた斧へ向けて突き出した。

中指にはめた指と、斧の氷刃が激突する。

普通に考えれば、指は砕け散り、マコトの拳は引き裂かれ、周囲に鮮が散る狀況だろう。

しかし、現実は全くの逆。

ガドウの斧が、砕けた。

それも、ただ破壊された訳では無い。綺麗に8等分に分割されている。

マコトの拳が帯びている魔法の名は『八裂鉄拳オーガストブレイク』。

敵意を持って毆り付けたを、度等あらゆる條件を無視して8等分に破砕する魔法だ。

「っ!?」

斧の斬撃を避けた後、このガドウと言う男がどんな罠にはめてくれるつもりだったのか、マコトにはわからない。

ただ、ガドウはこの不可解な破壊現象に気を取られ、一瞬反応が遅れた。

マコトが勝負を決めるには、充分な一瞬だ。

マコトは貫手でガドウのを抉り、間髪れず膝蹴りでガドウのこめかみを強襲する。

貫手も膝蹴りもクリーンヒットだ。

き1つ上げず、ガドウは意識を失い、その場に倒れた。

「ガドウガヤラレタ!」

「コノ執事野郎!」

「執事長だと言ったはずだ」

襲い來るぬいぐるみ達。

クマのパンチ、ウサギのオーバーヘッドキックを躱し、そのれ違い様に軽く一撃ずつ叩き込む。

「ヒデブッ」「アベシッ」とどっかで聞いた事のある悲鳴を上げ、ウサギとクマが8等分に裂け散る。

に代わりに、フェルトと綿が散する。

「……さて、勝負は付いたな。大人しく投降してもらえると、有難い」

「…………」

マコトの言葉に、イザラは何も応えない。

「一応、伝えておこう、俺の魔法は、『人にも有効』だ。そして、俺は『敵に容赦はしない』」

それがどういう意味かは、いイザラにだってわかるはずだ。

「……相手が悪かった」

「何?」

イザラがポツリとつぶやいた、その時、

マコトの背後で、一瞬にしてウサギとクマが、再生した。

「なっ…!?」

裂け散ったはずのフェルトや綿が寄せ集まり、何事も無かったかの様に元の狀態に戻ったのだ。

「『フレンドールズ』は、消し炭にでもしない限り、死なない」

「ソノ通リ」

「不死ッテ素敵!」

「っ……なら、者を倒すまでだ……!」

マコトがイザラの方へ向き直る。

そこで、マコトは衝撃の景を目の當たりにした。

全力疾走で逃げる、イザラの背中だ。

「逃げとる!?」

「相手が悪かったって言ったもん!」

もう今までの落ち著きっぷりからは想像もできない、全力のランニングフォームでイザラが遠ざかっていく。

しかも無茶苦茶瞬足だ。強化魔法でも発しているのかも知れない。

「ソウイウ訳ダ!」

「バイナラ!」

ウサギとクマも、ガドウを抱えてイザラとは逆方向へスタコラサッサ。

「なっ、おい!?」

2方向に逃げられてしまった。

どちらを追うべきか……と一瞬考え、マコトはイザラの走っていった方へ向かう。

あのぬいぐるみ2よりもイザラの方が捕獲が楽だろうと判斷したからだ。

「っく……何なんだあいつらは!?」

「のはっ」

床が、隆起する。

何かが飛び出してきた、訳では無い。

床そのものが変形し、棘となり、ベニムに襲いかかる。

「面倒くせぇ魔法だな……」

自分とは相が悪い、とベニムは舌打ち。

しかもそれだけでは終わらない。

ベニムのすぐ橫。その壁に、まるで波紋の様な波が広がる。

そこから現れるピストルの銃口。

「っの……!」

蛇腹の剣の腹で銃弾を弾く。そこに更に迫る床の棘。

「あーもう! 本當に面倒くっせぇこいつら!」

「面倒面倒うっさい! さっさと死ね!」

び聲は、ベニムの前方。

床に手を當ててしゃがみ込んだ茶髪の

年齢はロマンと同じくらいだろうか。

床を棘に変えて攻撃してくる魔法は彼だ。

おそらく、れているの形を自在に変化させる系統の魔法だろう。

「……楽になれ……」

今度は、天井に波紋が起きる。

そこから現れたのは、片手に拳銃、もう片手に大ぶりなサバイバルナイフを持った坊主頭の男。

かなり筋質だ。その洗練されたやナイフの扱い方から、鍛え抜かれた軍人という印象をける。

坊主頭は天井からベニムへ、サバイバルナイフの鋒を向けて落下する。

ベニムがそれを躱すと、男はそのまま床の中へと消えた。

男の消失に合わせて床に波紋が広がる。

「坊主頭の方は質同化魔法ってとこか……!」

「うっさい! 死ね!」

死ねが口癖なのかあの子は、とベニムが辟易するくらいにはさっきから死ね死ね言われる。

まぁどれだけお願いされようと、ベニムとしては死んでやるつもりなど全く無い。

床から飛び出して來た拳型の隆起をひらりと躱す。

その隆起から、銃口がベニムの額へと突きつけられる。

「んなっ…」

響く銃聲。

ギリギリで、ベニムはその銃を持つ手首を摑み上げ、天井に向けさせていた。

「危ねぇな!」

摑んだ手首を引っ張り、坊主頭を隆起から引きずり出す、が、出てきた途端、男はナイフを振りかぶっていた。

「當然そうするわな!」

まぁ予想通りだ。

ベニムは坊主頭の懐に飛び込み、その鳩尾に蛇腹の剣の柄をねじ込む。

「がひっ」

予期せぬタイミングで肺の中の空気が強制排出されたせいか、坊主頭は短い奇聲を上げる。

その手から、ナイフとピストルがこぼれ落ちる。

「よし、1人目!」

完全に意識を奪った、そう判斷して坊主頭のを床に投げ捨てる。

すると、坊主頭はまたしても床の中へと沈んでいった。

「あぁ!? タヌキ寢りかよ汚ぇ!?」

「戦いに汚いも何もない! 死ね!」

襲い來る床の拳。

今度はラッシュだ。

蛇腹の剣は普通の剣より斬れ味は鋭い。

だが大理石を斬り裂くのは流石に無理。

だから先程、相が悪いと舌打ちしたのだ。

この攻撃は躱すしかない。

そして躱せば躱すほどとの距離がびる。

距離がびればびるほど、蛇腹の剣が彼に屆くまでに時間が掛かる。

ばしている間に、彼は自分の周囲に大理石の盾を作るだろう。

ここは一旦退いて、部屋に戻って破系や出系の魔法道を取ってくるべきか。

「……ランドー辺りが來てくれれば……」

「呼んだ?」

その聲と共に、ベニムの背後から緑の巨大な拳が駆け抜ける。

刺々しいウロコが張った、まるでドラゴンの腕の様な拳だ。

その拳はあっさりと大理石の拳群を砕き散らしてしまう。

「なっ……」

「ランドー!」

最高だぜお前! とベニムが心中ぶくらいナイスなタイミングで現れてくれた。

エロの伝道執事、ランドーだ。

その両腕は、先程のドラゴンの様な巨腕へと変貌している。

彼の魔法、『ドラゴンナックル』だ。

「よく來てくれた!」

「ラフィリアさんとドンパチやってるのかと思ったけど…銃聲が聞こえたから、あ、何か違うな、と思って」

「っ……増援とかマジキモイ! 死ね!」

馬鹿の1つ覚えの様に、は床から拳やら棘やらを放つ。

ランドーが巨腕を振るうと、それらの攻撃はあっさりと薙ぎ払われ、一掃されてしまう。

「お、あの子……著やせタイプかな? Eはあると見たよ」

「おいランドー、一応戦闘中だからな」

「わかってるよ。あの子敵でしょ、じゃあ……」

ランドーが、すごく、すっごく爽やかな笑みを浮かべる。

「ナニしても良いよね」

「っ……何かお前危険なじがする! 死ね!」

「卻下、僕は君をがす。顔も型も好みだし」

「意味わかんないし! 死ね!」

棘や拳を飛ばすだけでは無駄だと判斷したのだろう。

判斷は良い、ただそこからの発想が馬鹿っぽい。

何か、拳がチョキやらパーに変わり、棘が枝分かれしただけだ。

「頭が弱そうな所もキュート!」

思い切り、ランドーが巨拳を振るう。

巨腕がび、拳が大理石群を破壊しながら突き進む。

ランドーの誇るドラゴンナックルは、多燃費は悪いの破壊力は一級品。

蛇腹の剣ほど長距離では無いが、ある程度のも可能。

そして、『とある付加効果』もある。

本來は『そういう用途』では無いのだが、ランドーに取ってはとっても便利な付加効果が。

「ひっ……」

巨拳はを守る全ての障害を砕し、そして、の華奢なへと襲いかかる。

「きゃあぁぁ…ああ?」

悲鳴を上げかけただったが、ふと気付く。

勢いのある巨大なパンチを食らったにも関わらず、自に全く衝撃ダメージが無い事に。

そして、は更に気付く。

ビリビリビリ、と、布が裂ける音に。

「……は?」

ドラゴンの拳は、服だけを微塵に吹き飛ばしていた。

それも、下著1枚に至るまで、何もかも。

に殘された類は、靴だけ。

「ひ、っきゃあああああああぁぁああぁあぁぁぁぁぁふぁぁあああああああああああっっっ!?!??」

結局悲鳴を上げる事にはなったが、悲鳴のニュアンスが大分異なる。

「服に『限定』したのか……」

「僕は攻め派だし、の子を辱める趣味はあるけど、甚振るのは趣味じゃないからね」

ランドーのドラゴンナックルには、「破壊対象を限定する」付加効果があるのだ。

その効果を使い、を破壊対象から外し、その類だけを吹き飛ばしたという訳だ。

だけを破壊し、相手を無傷で無力化させるのが、この魔法の本來の用途だと思われる。

が、ランドーの知った事では無い。

エロに使える力を出し惜しみする必要じ無い。

「さぁて、あの靴もひん剝いて、完全に全狀態にしてから捕獲といこう」

「お前、爽やかに外道だよな……」

の邪魔になる良心なんて、僕はいらないよ」

あの子、敵だけど逃がした方が良いんじゃねぇか、とベニムは思う。

「させるか……」

不意に、とランドー達の間に、坊主頭の男が立ちはだかる。

先程のベニムの一撃が効いているのだろう、今にも倒れそうなフラフラ加減だ。

それでも、恥心と恥辱に涙を流すを庇う様に、坊主頭は気力を振り絞り、立つ。

「闇の道に墮ちた俺でも……吐き気のする様な、許してはならない悪というはわかる……それは、気な子供を嬲り楽しむ外道だ」

「おいランドー、お前のせいで完全に俺らが悪役だよコラ」

「えー」

えーじゃない。

「來い、外道……」

坊主頭は予備のナイフを構える。

「バリス! ナイフ1本で敵う訳無い! あんたまでスッポンポンにされちゃうよ!」

「構うものか……例え全になろうとも、奴らの笛を引き裂いてやる……來い!」

「いや、男は普通に毆るけど」

「なん…だと、ぶげるぁっ!?」

「バリスゥゥゥゥゥゥゥ!!?」

どうか仏してくれ、とベニムは坊主頭の冥福を祈る。

「さぁて、次は君の番だ」

「ひっ……ごめんバリス! あんたの事は忘れないから!」

「逃がさないよ!」

「こっち來んな! 死ね変態! 2000回死ね!」

大事な場所を隠しながら逃げうほぼ全

それを追う爽やか笑顔の青年。

もうダメだな、あの絵面は救い様がねぇ、とベニムは諦観の微笑。

「……とりあえず、こいつは拘束しとくか」

可哀想なと生粋のエロ外道の追いかけっこを見送りながら、ランドーは坊主頭の拘束準備にる。

立場上、の味方はできないが、どうかには無事逃げ切っていただきたいである。

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