《あの日の約束を》9話 夢……鮮やかな世界

い頃の僕は電車がとても大好きだった。暇な時間があればプラレールで遊んだ。今は懐かしいアナログテレビで電車の映像を収めたカセットテープを延々と見たりもした。それだけ電車は僕にとって憧れだった。

だからなのであろうか。思い出せる中で最も古い記憶もやはりというべきか電車に関係するものだ。

あれはまだ僕が生まれたばかりの頃だっただろうか? 母さんにおぶられながら僕は早朝の駅の中で電車を眺めていた。のちに母さんに聞いてみるとその時はボランティアで駅の清掃に行っていたとのことだった。

普段はとても早い速度で通り過ぎていく電車がそこには何両も止まっていた。常にうるさいそれもこの時はまるで眠っているかのように靜かに佇んでいる。聞こえてくるのは母さんが箒をはく音だけ。どれも當たり前で別に特別なものはなかったけれど。この時の僕には衝撃を覚えるものだった。

時間が経つにつれてあたりは徐々に明るくなり、やがて太が昇り始める。けて赤く染まる雲。を反させながらをはっきりとさせ始める電車。どこからともなく聞こえ始める鳥のさえずり。冷たかった風もの暖かさが混ざり合い心地よくでて行く。その一つ一つにした。靜かに変化する景に激した。まるで自分たちのいるここだけが別世界になったような。

いや違う。この場所を中心に世界がガラッと変わったようなそんな覚を覚えていた。

小さかった僕はその時の気持ちをうまく言葉にすることはできなかったけれど。當時の気持ちを今の僕が考えてみるときっとこう考えていたのだろう。『なんてしい世界なのだろう』と。

流石に今では記憶も朧げになってきて全部を思い出すのは難しい。けれどその景を見てをしたこと。その時心から自分が生まれたことに謝をしたこと。それを僕はきっといつまでも忘れないだろう。

やがて空は青くなり始め、外からは車の音が聞こえ始める。いつもの日常が始まる。新たな可能めた日常が始まっていく。

………

……

「う〜ん」

し早い時間に起きてしまったのか窓の外は暗くて部屋もなんだか寒いです。まだもうし布団の中にいたい狀態ですね。

しかしなんだか目も冴えてきちゃいましたし2度寢もいう気分ではありませんでした。

「よいしょっと」

ゆっくりとベットから抜け出した私は寒さを我慢しながら普段著に著替えました。そして窓へと近づき、カーテンを開けました。

「わぁ……綺麗」

窓の外の景を見て思わず私はそう呟きました。地平線の向こうから昇ってきた太に照らされ建も雲もしい茜に染まっています。今日はなんだか良い1日になりそうです。

私はそう思いながら思いきりを飛ばすのでした。

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