《あの日の約束を》13話 絵の世界

「失禮します(しっ失禮します)」

室についた私たちはワクワクと張した気持ちで扉を開けました。中にると先輩らしき人が私たちに気づいてこちらにきます。

「おや、仮部の希者かな?」

「はい、お願いします」

「お…お願いします」

「おっけい、それじゃあそのあたりで待っていてくれ」

先輩はそういって場所を私たちに教えたら部屋の奧の方へと消えて行きました。言われた場所を見てみると何人か生徒が集まっていました。私たちと同じ仮部希者のようですね。

すれ違う部員の人たちに挨拶をしつつ、そこへ私たちも向かいました。

「楽しみだね」

「うん…でもまだちょっとかかりそうだね」

開始時間までまだしあります。ただボーっとしているのもなんだかもったいないです。そう思って部屋の中を見回してみました。

「ん?」

……あれは部員の絵でしょうか?風景や人を描いたキャンバスが立てかけられてありました。

「わぁ…」

「綺麗な絵ばっかりだね」

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花ちゃんも同じところを見たのかそう言葉をこぼします。

「うん」

って見えるのはインクを乾かしている最中だからなのでしょうか?

しばらくその絵に見っているといつのまにか開始時間になっていました。

「はい!それじゃあ部活を始めよっか」

子の先輩が部員と私たちにそう言います。多分彼が部長でしょうか。先ほどの一言で雰囲気が変わったように思えます。のんびりとした雰囲気から気が引き締まるような雰囲気に変わったと言えばいいのでしょうか。

「今日は一年生もいるから今日はデッサンをやって行きます。それでじゃあ準備をお願いね」

先輩が言い終わると部員の先輩たちもそれぞれ用意していた道の準備を始めました。すると先ほど待つ場所を教えてくれた先輩がこちらにやってきました。

「はいそれじゃあ今から鉛筆と畫用紙を配るからそこに自分の手を描いてみようか」

どうやら私たち仮部者の面倒を見にきてくれたみたいですね

「大丈夫、別に上手い絵を書けって行ってるわけじゃないから安心してほしい」

を分けながら先輩は話を続けます。

「リラックスして行うことが大事だから、まずは自分に出來る範囲でやっていこうか」

自分の出來る範囲ですか……よし! それなら私も上手下手を気にせず頑張ってみましょう。

………

……

「こんなじ……いやもうちょっとここはこうかな」

け取った私は自分の左手のデッサンをしていました。改めてやってみると自分の手を描くだけでも一苦労ですね。それでもなんとかそれっぽく描くことができました。

「カナちゃん上手だね」

「うんん、そんなことないって」

橫で描いていた花ちゃんが私の絵を見て褒めてくれました。でもまだ直したいところがあるので個人的には微妙なじです。

すると隣に來ていた先輩が聲をかけてきました。

「いや……悪くないね」

「ふぇ?」

いきなり近くから聲が聞こえて來ました。驚いて振り向くと先輩いつの間にか隣にいました。

「えっあ、ありがとうございます」

突然のことに揺しながらも先輩にお禮を言いました。

「すごいよカナちゃん」

周りを気にしてかし小さな聲でそう言ってくれる花ちゃん。

でもしだけ見えた花ちゃんの絵もかなり上手だと思うんですけどね。私がそう思っていると続けて先輩も同じことを言ました。

「うん? 君のデッサンもなかなか良い線いってるね」

「え……そうですか?」

花ちゃんは意外そうに聞き返しました。本人はよく分かってないのか自分の絵を見ては納得いっていないような顔をしています。まあそれは一旦置いておきましょう。

先輩がいつまでも私たちのところにいるわけがわからないのでちょっと遠回しに聞いてみます。

「私たち以外にも上手い人はいるんじゃないですか?」

すると先輩は顔を橫に振りました。

「たしかに他の1年もいいじのが何人かいるけど君らほどじゃあないね」

なぜか私たちは先輩にとても気にられてしまったようです。

今日の仮部の時間が終わり帰り支度をしているとある絵が目にりました。

「ーーあの絵が気になるのかな?」

「え?」

またさっきの先輩です。先輩は私の反応を気にするそぶりも見せず話し続けます。

「あれは舞花が……あぁいや、部長が描いた絵だ」

部長って舞花さんていうんですね。その舞花先輩? の絵は風景畫のようです。

見ていると絵の中の景が生き生きとしているように見えてきます。今にも畫用紙から景が飛び出してきそうです。

「やっぱり君らはちょっと違うみたいだね…絵を心から好きになれる人の目をしている」

「え……今何か」

今先輩が何か言っていたようですが絵に夢中だった私はそれを聞き取ることができませんでした。

「なんでもない」

そう言って部活へ戻る先輩の顔は嬉しさと寂しさをじさせるような顔でした。

れ違うように帰り支度の済んだはなちゃんがこちらへやって來ました

「カナちゃん帰ろ」

「うん」

こうして仮部1日目を終えるのでした。

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