《あの日の約束を》15話 小さな幸せ
「ただいま〜」
學校が終わり家に著いた私は足早に自分の部屋へ向かいました。カバンを置き必要なものを出すと次は洗いを出すために部屋を出ました。
お弁當や水筒を洗い部屋へ戻ってきた私は先程用意しておいた教科書やノートを手に取り機に広げました。
「さて、それじゃあ始めましょうか」
今目の前にあるのは地理、科學の教科書とそれぞれのノートです。多分夜ご飯はもうちょっと後になると思うので今のうちにどちらか片方をやっておきたいですね。殘りもご飯の後にやれば終わるでしょう。
「まずは地理からやろうかな」
早速私は明日の授業の予習をしています。復習は普段はなちゃんたちと一緒にやっているので家では安心して予習に専念できます。
「こういうところとか課題に出そう……うん、覚えておこう」
ちなみに私は課題を家ではやりません。基本的に學校で終わらせる方針でやっているからです。課題は家で! みたいなことを言われている學校もあると中學の時の友人から聞いたことがありますが、私的にはそれはちょっと苦手ですね。やり方は人それぞれで良いのでは? と私は思ってしまうのですがきっといろいろあるのでしょうね。
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そう思いながら教科書を流し見してその度に気になった場所にマーカーを引いていきます。人、年代、出來事といったじの分けを教科書に直接書くのが私のやり方です。別にこれが誰がやっても完璧な方法というわけではないんですけどね。
授業の容を思い出す時まず確認するのがその時開いた教科書のページではないでしょうか?ノートを見てもイマイチ授業容を思い出せないということがよくあったので、私はすぐに見る教科書の方に直接書くようにしています。もちろん教科書にかけるスペースは限られているので、教科書に書ききれない部分や教科書に書かれてない容をノートの方に取るようにしています。
しばらく黙々とマーカーを引いたり、分からないところを調べていたらお母さんの聲が聞こえてきました。
「この続きはご飯の後にしよっと」
そう思い教科書を閉じてご飯を食べに部屋を出ました。
………
……
…
「よし、予習再開!」
コンコン
再び教科書を開こうとしていると誰かが扉をノックする音が聞こえてきました。
「お姉ちゃん、っていい?」
しばらくするとユイちゃんの聲がドア越しに聞こえてきました。
「ユイちゃん?別にいいよ、っておいで」
私がそう言うとゆっくりと扉が開き遠慮がちに部屋にってきました。
「どうしたのユイちゃん?」
「お姉ちゃん……良かったらこれ教えてくれない?」
「これ? えっと、社會の教科書ってことは勉強かな?」
そう聞いてみるとコクリとユイちゃんは頷きました。
「いいよ、一緒に勉強しよっか」
機に広げていたものをどけてスペースを作ったらそこに社會の教科書を広げ、ユイちゃんを隣に用意した椅子に促します。
「ありがとうお姉ちゃん!」
しばらくはユイちゃんが分からない所を私に聞き、それに私が答えるといったじのことをしていきました。答える中で時々アドバイスに留めてユイちゃん自が考えるようにも工夫してみました。
それにしてもこの問題……妙に容をはっきりと覚えているのですがなぜなのでしょう?
「(………ってこの問題まさかあの時の!?)」
忘れましょう……これは思い出してはいけない。蘇る記憶を振り払いその後も勉強を進めていきました。
「お姉ちゃん凄い!」
そうやって最後の部分が終わるとユイちゃんはキラキラした瞳を私に向けながらそう言いました。そうかな? と言いながら一通り見直していると今度はお母さんが部屋にってきました。
「二人ともお疲れ様」
「あ、お母さん見てみて〜」
ユイちゃんは先ほどまで使っていたノートをお母さんに見せます。私も小さい頃は同じようにお母さんに自慢していたんだなと思うとなんだか懐かしいような気持ちになります。
「できたよ〜」
「あら凄いじゃないユイちゃん」
えへへと嬉しそうにするユイちゃん。するとノートを見ているお母さんは突然妖しい笑みを浮かべました。
「そういえばカナも小さい頃これ凄い苦戦してたわね」
「ぐふっ!?」
突然の不意打ちに思わずむせた私を見てさらに変わる母の表。ジワリと額に汗が滲みました。
「そうなの?お母さん」
「そうよ〜」
「えっちょ!?」
お母さんはさらりと私の黒歴史を語り始め、私はと言うと揺していたせいですっかり止める事もできずに癡態を妹に知られてしまうのでした。
「カナがあなたと同じ年頃の時にこの問題を大変そうにやってたのよ」
「お姉ちゃんも分からなかったの?」
「そうよ、それでどうしても分からなくて遂には泣きながら私に教えて〜って言ってきたの」
お母さんはその時のことを思い出しているのか懐かしそうにユイちゃんに話を聞かせています。ユイちゃんはそんなお母さんの話を好奇心に満ちた顔をして1つ1つしっかりと聞いていました。一方の私は恥ずかしさの余り顔から火が出るんじゃないかというぐらい顔を真っ赤にして耳を塞いでいました。
「あらカナどうしたの」
「お姉ちゃん耳真っ赤」
不意に話を止め、私に聲をかけるお母さん。絶対わかって言っています。ユイちゃんは純粋に心配してくれているみたいですがさっき私の黒歴史をしっかりと聞かれてしまったので恥ずかしくて顔をあげられません。
「だ、大丈夫だから。ほらユイちゃん勉強終わり!」
「あ、うん。ありがとうお姉ちゃん!」
「お疲れ様カナちゃん・  ・  ・……ふふ」
私が顔を隠しながらそう言うと2人が部屋から出ていきました。それを確認すると私はたまらずベットに倒れ込みました。
お母さんにちゃん呼びされたせいか、あの時の記憶がどんどん鮮明になっていってくような気がします。
「うぅ……恥ずかしすぎる〜〜」
しばらくベットの上で悶えているうちになんとか平常心を取り戻すことができました。
「疲れた」
予習の続きをと思っていましたが流石に今から再開する気分にはなれませんね。
「でもまあ……いっか」
お姉ちゃんらしく勉強を教えてあげられたことが嬉しくてしばらくベットの上をコロコロしてました。
「あ、そろそろお風呂はいらないと」
そうしていると気がつけばお風呂の時間になっていました。時間が経つのはあっという間です。お風呂に浸かりながら、やり殘しがないかをパッと思い浮かべます。過ぎた時間は戻りません。だからこそ、今という瞬間を自分の納得できるものにしていきたいと思っています。
「(また明日も良い1日になりますように)」
過ぎて行く日々に私はそう願うのでした。
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