《獣と共同生活!?》第十二話 謎の

とある金曜日。會社が偶々早く終わったので、皆で夕飯を食べに行くことに。

俺は會社から家の方の駅へ。みぞれと秋風さんは家から駅に來てくれるらしいので、どうせだから駅近くのデパートへ。

そういえば、このデパートに俺が行くのはみぞれの服を買いに行った時以來か。秋風さんとみぞれの二人は、服を買いに行ったりなどでデパートにはたまに行っているらしい。

目的の駅に早めに著いたので、集合時間まで10分ほど余っていた。

近くの自販機で微糖のコーヒーを購し、駅前の公園のベンチに座り込んだ。

時刻はまだ18時前で、まだ明るい事もあり公園には沢山の子どもが遊んでいた。

その風景を見つつ、缶コーヒーをちびちび飲んでいた。……傍から見たら、もしかしたら変態に見えるかもしれないな……。

バタバタと遊ぶ子ども達を見ると、俺にもあんな時期があったと思い出すな。今はあんなにはしゃげる力もないし、なんなら危ない人になってしまう。

そんな事を考えていると、一人のが隣にちょこんと座った。他にもベンチはあるのにどうしてここなんだ……?

「お兄さん、今一人なの?」

「え、あぁ……。待ち合わせをしているんだ」

いきなり話かけられた為、ちょっと驚いたが普通に話すことが出來た。

の歳は、見る限り大小學2~3年頃といった所だろうか。服は何故か和服で、何処か大人びた印象をけた。

「……お兄さん、ペットとかって飼ってたりする?」

その言葉に、しドキリとした。

みぞれも秋風さんも、元々は。何か獣っぽい匂いでもするのだろうか?

しかし、俺自みぞれや秋風さんから獣っぽい匂いはしないし……。俺ってそんなに鼻悪かったっけ?

「えっと……、を飼ってる友達とよく會ってるからかな?自分はあまりじなかったんだけど、もしかして気分悪くなったりした?」

「いえ、私もとは関わりが強いもので……。もしかしたらそのせいかもです」

よかった……。匂いがスーツについたら落とすの大変って聞いた事あるから、クリーニングに出そうか迷ったぞ。

しかし、と関わりがあるのに和服かぁ……。お金持ちとかだったりとかなのかな?

「……朝倉 誠さん。貴方、今後気をつけた方がいいですよ。その優しさが、己を傷つけますよ」

「──っ!?」

その言葉がの方から聞こえたので、の方を急いで向いた。

しかし、そこにはあのの姿はなく、俺一人だけベンチに座っていた。

そして、ポケットのスマホが鳴っていた。

急いで見ると、みぞれからだった。

『誠さん、著きましたが今何処に居ますか?』

「あぁ……、悪い。今駅前の公園に居るから、そっちに行く」

『わかりました。待っていますね』

電話を切り、缶コーヒーの缶をゴミ箱に捨てて駅に歩き始めた。

……あれは夢だったのだろうか?

気になるが、今はみぞれ達と夕飯を食うか。

──この時、俺はあの言葉をなんとも思っていなかった。

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