《獣と共同生活!?》第十七話 誠、熱を出す

ピピピピッ、ピピピピッ。

「……しくじったな」

土曜日。調が悪くなったので、あまり使わなくなった溫計で熱を測った。

結果、38.4℃。結構熱があった。

特に買い出しの用事や仕事の納期とかがなかった為、今日は元からゆっくりしていようと思ってはいたが、その休みが熱で取られるとは……。

ベットの上で座って溫計を見ていると、部屋のドアがコンコンとノックされた。

「誠さん、もうしで朝食が出來ますよー」

どうやらみぞれが朝食の時間だと伝えに來たようだった。

けど、朝食は食えるか分からんし、かといって斷るのも悪いし……。どうしたものか。

……ここは誤魔化しても仕方ない。素直に風邪だと伝えようと。

マスクを付け、溫かくしておこうという理由でパーカーを羽織る。そして、部屋のドアを開けた。

「おはようござ──って、大丈夫ですか!?」

「おはよう、みぞれ。風邪をひいただけだから、大人しくしておけばすぐ治ると思う」

「そ、そうですか……」

出會ってから調を崩したことがなかったから、みぞれは心配してる様子。そもそも調不良なんていつぶりだろうか?

とりあえずリビングに向かうと、秋風さんの姿が見えなかった。

「アレ?秋風さんが居ないけど、まだ部屋?」

「いえ、お仕事であっちの世界に戻ってます」

「そっか」

巫狐さんが來てから、いつでも行き來出來るように門を開いておいてくれている。その門ことドアは、どうやら地下室に設置しているらしい。

……しかし久し振りにだな。みぞれと二人きりなんて。

俺が椅子に腰掛けると、みぞれが朝食を持ってくる。なるべく胃に優しいものがいいのだが……。

そして、目の前に置かれたのはうどん。珍しい朝食なので、し驚いた。

その表を見たみぞれは、し笑ってこう言った。

「昨夜、誠さんの顔し悪かったので、一応胃に優しいものをとうどんを作りましたが、結果的に良かったようですね」

昨日か……。調悪いじは全然しなかったが、どうやらみぞれは顔の変化に気付いていたようだ。

……よく見ているなと共に、気付いてくれてありがとうという気持ちが凄い大きい。

そして、そのうどんを啜り食べ、一応完食。とは言っても、そこまで量があった訳ではないので普段なら足りないが、病人となった今では丁度いい量。ここまで來ると流石としか言いようがないな。

を洗い場に置き、その場で「ふぅ」と一息つくと、みぞれはこう言った。

「今日明日でお仕事もありませんし、ゆっくり休んで下さい。私でよければ何でもしますので」

ん?今何でもって……。いや、ふざけている場合じゃないな。

「あぁ、治るまでそうさせてもらうね」

「はい!」

みぞれは頼られると張り切るから、程々に頼るのが丁度いい。今日は恐らく頼るべき日なのかもしれないな。

こうして、休日二日間はみぞれに頼りっぱなしだった。

    人が読んでいる<獣少女と共同生活!?>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください