《香川外科の愉快な仲間たち》久米先生編 18

醫局に攜帯を手に持ってっていても無駄のない、かつ的確・流麗な作でデスクに座ったかと思うと、何だかいそいそとしたじで――そしてオレとか他の先生方には向けないような優しげな眼差しで――攜帯の畫面を見ていた。

文面を目で追っているというよりも、容を楽しんでいるようなじだった。何だか大學時代とかに合コンで意気投合したとメールをわしているようなじで――オレはそんな貴重な経験はしていない、していないが醫學部生というだけでそれなりのルックスとトーク力が高い人に子が群がるのはたくさん見ていた。他學部だと偏差値50の外見ではなかなか難しいと聞いていたが、醫學部というブランド力は今も燦然と輝いている。ただ、そんな老舗かつ巨大なブランドを持っていながらも、彼が出來なかったのはオレの魅力のなさだったのだろうな……と思ってしまう。

その點、田中先生はそういうブランドの力を借りなくても、充分にけする外見だろうな……と思っていると、田中先生がツカツカと長い腳をかして近寄って來た。

げなじの指で合図されて片隅に寄った。叱責とかではないことは黒目がちな瞳が楽しそうなを宿しているから分かって一安心した。

「教授の執務室に患者様から豪華な差しれのお弁當が屆くことはご存知ですか?」

そのエピソードはオレの耳にも屆いていた。一昔前は大學病院の執刀醫の先生に現金がこっそりと手渡されることは不文律として存在していた。一説によると100萬円が相場だとも。

それを香川教授は徹底的に謝絶しているので、患者さんは賞味期限(?)の早いお弁當類で謝を形にするとか。

「はい。伺っていますけれど……」

教授とは手室にる前にお話したのですが「久米先生とゆっくりお話出來る機會を取りたいのになかなか時間が會わない」と殘念がっていらっしゃいました。

醫局で諸々の雑事を教えて貰っていただけなのに、それでも気を張り詰めていたせいか結構疲れている。人間慣れないことをすると――しかもそれが膨大な量の暗記と共に容赦ないダメ出しが続いてしまっている――余計に気疲れする。遠藤先生は「新人だから仕方ないよ」と優しくフォローして下さっていたが。

「それで、執務室に三食分のお弁當が屆いたようなので、お相伴に一緒に參りませんか?」

香川教授は黒木準教授を筆頭とする醫局のメンバーに全幅の信頼を置いていると聞いていた。しかし、最も信頼しているのは目の前の田中先生だと――オレも些細な協力をした醫局騒の時に最も活躍したのだからある意味當然だろうが――聞いていた。

「え?オレ……いえ、私がご一緒しても良いのですか?」

そんな。

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