《香川外科の愉快な仲間たち》久米先生編 「夏事件」の後 23

「はい。殘しています。PCもUSBメモリも水沒とかうっかりなくすことを考えて、デスクトップ上に一つと、USBメモリには上書きするたびに三つ保存していますし……。この程度の防策なら萬全かと思いまして」

田中先生は心外そうなじで手れをしていないのに――ほとんどの時間一緒に居るので、眉のケアをしていないことは分かる――今流行りのメンズエステに行ったかのような綺麗な眉を心外そうに上げた。

ちなみに、メンズ・エステなるものが有ると知ったのも――用のはお母さんがずっと通っているので存在は知っている――アクアマリン姫とのデートの參考になればと初めて買った「モテる男特集」とかが載っていたメンズ雑誌のお蔭だ。

「教授と私の原稿、あれは久米先生のPCに取り込むためにUSBメモリ一個でまかなっていましたよね。

その後も校正作業で誤字字の直しなどもメモリで共有していました。『一個』だけでを使って。

それよりも多數のメモリを使う點で、久米先生の熱がどちらに傾いているのか良く分かるエピソードですよね」

不本意そうに眉を上げた田中先生は本気でご機嫌斜めっぽい。慌ててフォローにった。

「いやあ、田中先生は何をしてもソツのない方ですし、USBメモリが一つでも充分だと思ったもので。

その點オレ……いや、私などはうっかり落とすとか、落とした拍子にトイレにってしまう可能が高かったので……。田中先生のリスク回避ヘッジは、元々のリスクが低い分、それほど厳重にしなくても良いかなと思っただけで。その點私はヘマが多いので、リスクヘッジもたくさんしておく方が良いかと判斷した次第です。

ここだけの話、予備の――メモリをポケットにれていて、あ!個人報は當然伏せています……。そして便座に座って大きい方を済ませた瞬間に便の中に落としてしまったという痛恨の過去が有ります」

オレも便座に座っている、つまりおと便著しているし、隙間なんてないというのに何故かそんな事態を引き起こしてしまった。

そんな誰にも言えそうにない昏い過去が有るのだからオレ的には萬全の態勢で臨んだわけなのだが。

その昏く忌まわしい過去の話を聞いた田中先生と柏木先生は大笑いしている。

まあ、笑われるのも仕方ないなと思ってしまったが。

「なるほど、事は良く分かりました。それなら仕方ないですね……USBメモリもヤマ〇電気とかでたくさん買っていた方が良いと思います。

それはともかくとして、その三つ有るウチの一つを私に預けて下さい」

預けるって、まさか。

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