ただ、一つ問題點が有るとすれば、田中先生が考えたセリフをオレが言っても――何せ、顔の造りとか長や型が全く異なる――大丈夫だろうか。オレは三つ目の唐揚げを頬張りながらそう思った。

救急救命室では、このように通稱「凪の時間」が延々続くこともある。といっても五分後にはどんな戦況になっているか誰も分からない。だから食べられる時についつい食べ過ぎてしまって、オレのお腹はポヨンとしている。

ここだけの話、お腹の贅も、お風呂の中でるとお餅みたいにプニプニしている上にの子ののような――といってもゲームキャラの設定のようなＦサイズとかではなくて、多分ＢかＣサイズ――らかくてずっとっていたくなる。

だた三次元のなら、プヨンとしたお腹よりも田中先生の、いわゆる細マッチョな――今でもこの言葉が流行っているかどうかは知らない――型の方が絶対良いに決まっている。

手著に著替える時とかにそういう姿はチラチラとだったが心しながら見慣れているので、唐揚げを頬張っている口から下を見て、弛んだおに溜め息をついてしまう。

田中先生は病院一モテる人でもあるので――ルックス的にも頼りがいが有りそうとかそういう格的にも――バレンタインデー當日の醫局はお祭り騒ぎになる。それでもナースや事務局の彼達は患者さんの迷とか、醫局の仕事の迷にならない時間を見計らって來るので、そんなに問題視されていないが。

本命の彼さんは東京住まいとかで、デートもそっちで済ませているじだ。何しろ、普通の仕事と異なってシフトが三替の有るナースは、休みもバラバラなので遊びに行く時間もＯＬさんのように決まっていない。

つまり誰かしらの目にれてもおかしくない――田中先生は長も高いのでより一層目立つ――にも関わらず目撃報が出回ったことがないのだから。

東京タワーとかスカイツリーを見ながら「君の瞳に乾杯」と言っても、田中先生ならドラマの一シーンのようだろう。それに知的で落ち著いたじの凄い人の人さんが相手ならなおさらのｋと。

ただハゲるほど考えた「君の瞳に……」を卻下した上に、いくら個人的に親しいといっても、その全てを知り盡くしていないだろう、香川教授の心をあんなに見事に描寫した共著の原稿を読む限り田中先生の文才に期待したい。

腳本家の「三谷こうき」いう人だって、キャスティングした俳優さんに対して「當て書き」をすると読んだ覚えが有る。田中先生もそのタイプであることを祈りたい。

すると。