《香川外科の愉快な仲間たち》久米先生編 「夏事件」の後 32

「ちょっと、久米先生たこ焼き食べたいんだけど」

杉田師長は激戦からやっと離出來たじで清水先生を従えて凱旋した勝利の神みたいに――と言っても、清水先生に彼特製のビタミン剤を注させているというヨレヨレだったが、それでも後している――降臨といったじでってきた。

清水先生が來るまでは注もオレの役目だったのだから、一部軽減されている。

「了解です。あ!ちなみに田中先生の隠れ場所ご存知じゃないですよね」

何となく気になって聞いてみた。

「そうね?この寒さだからねぇ……。あ!PC持って行ってるのよね、田中先生……」

救急救命室の神様は勝ち戦にテンションが上がっているじだった。そして、PCがなくなっているのも目ざとく気付いたらしい。

「そうです。上がったのかもしれませんが……」

戦線離が早い――ただ、必要な時には絶対に居るという特技も持ち合わせている――田中先生なので、その辺りも杉田師長に気にられている要因の一つでもあるのは知っていた。

「あのハイヒール『験』本當に済ませておけば良かったわねぇ。ま、私もあんなの履いたことはないけど。

それはそうと、充電バッテリーごとPC持っていっているんだったら、コンセントが有る場所でしょ?

セブンとたこ焼きの屋臺が有る並びに、タバコ屋さんが有るのは知っているわよね?あそこ……自販機が並んでいる店の奧にちょっとした空間が有ってね、晝は病院を抜け出した患者さんがよく屯たむろっているらしいけど、夜は流石にそこまで出來ないので醫師や看護師がこっそり行っているらしいけど?しかもコンセントも有るらしいから」

そういえばタバコの自販機が何の気もなく並んでいる寂れたじの店が有るのは知っている。コンビニとかたこ焼きは需要が有るのは何となく分かるが、タバコ屋さんも確かに24時間開いている――と言っても店員さんはいない――電気が燈っているのを不思議だと思っていたが、そういう需要が有るのかと今更ながらに思い當たる。

「ああ、あの場所ですか?田中先生はコンセントの位置も見つけるの上手いですからね……。まあ、厳に言うとアウトな行為でしょうけれど、そこまで店はうるさく言いませんし、數円とかのレベルでしょう?パクっている電気代は……。ウチの科の開放病棟に居る患者さんも良く行くらしいですね。ほら、神疾患の方とニコチンの親和は高いという統計も出ていますから」

清水先生は――オレの実家とはけた違いの私立病院の曹司なのに――庶民覚も持ち合わせているようなじで、一人分のたこ焼きの代金を手渡してくれた。

田中先生が居るかもしれないな……と一縷いちるのみを抱いてコンビニの明るい照明とは格段に落ちるタバコ屋さんの店っていった。

すると。

    人が読んでいる<香川外科の愉快な仲間たち>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください