《香川外科の愉快な仲間たち》久米先生編 「夏事件」の後 110

田中先生とか柏木先生という醫局の「主流派」というかムードメーカー的な人達はオレの路を応援してくれている。

ただ、やっぱり真面目に仕事に取り組んでいる先生――いや、両先生も凄く真面目に取り組んでいるけれど――人柄の真面目さっていうのかな?田中先生とか柏木先生は何と言うか「遊び心」が溢れている。

手技の冴えは皆が認めるところだけれど、香川教授の真摯な真面目さという點に凄く惹かれている先生方はオレのの件はスルーしている。まあ、職場一丸となって応援されたりするのも凄く恥ずかしいけれど。

ただ、香川教授の真面目さに惹かれている先生も時々はアドバイスを――ぶっちゃけ失敗した話の方が多い――くれたりもして嬉しかったけれど。

ただ、他人の沙汰には全く興味のなさそうな――正直、何で結婚出來たのか分からない――杉田師長までが応援してくれるとは思ってもいなかった。

「久米先生はね、仕事面では完璧だけどさ、想定外の事態が起こるとすぐにパニクるでしょ?

多分、自分に自信がないからかな……とか思うんだけど。だから産まれて初めて彼が出來たら自分に自信も出來るし、気持ちの中にも余裕が出來たらもっと良い醫師になると思うわ。

良い醫師になって、ウチにもバンバン貢獻してね。

さ、この畫像を持って白河君のトコ行って。ほらさ、まだ脳外科は手室使用を自粛しているでしょ?だから暇していると思うし。

アクアマリン姫ってさ、新人ナースなんでしょ?そう小耳に挾んだんだけど?」

杉田師長はこの部屋で起こることは全て知っているのかな……と思った。

皆が野戦病院とはきっとこうだったんだろうと――といっても醫療機とかは昔とか紛爭中の発展途上國ではこんなに整っていないだろうけど――思うような大混の中でも聞くべきコトはしっかり聞いているし、彼相を変えて患者さんに対応している時も、他の醫師とか看護師に的確な指示を與えている。

の興味とか関心は仕事に捧げられていると思っていたけれどそういうわけでもなさそうだ。

だって、手をバックれた空き時間を利用して脳外科に行ったらというのもそのせいだろう。

「新人ナースです。でも何故ですか?」

すると。

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