「ま、久米先生の場合、『頼りになる騎士』には見えないか……。騎士ってコトは馬に乗るわけでしょ？そんなの馬が可哀相だわよねぇ……」

確かに我が醫局が誇るイケメンの田中先生なら――乗馬が出來るかどうかは知らない――颯爽と白馬を駆ってこちらに來てくれるという狀況はとても似あいそうだ。

オレは時代劇とか見ないけど、ハマっているシュミレーションゲームのコインしさに他のゲームにも手を染めていて、その中では有り得ないようなイケメンの戦國武將と――しかも髷まげは結っていなくて、今でも通用するような髪型だ。まあ、日本人なのに金髪とかそういうのを気にしなければ――をするというゲームが有って、そこでは白馬を駆ってヒロインを助けに來るというシーンが有ったような気がする。

目的がコインなので、シナリオは飛ばし読みとかスキップとかしているので詳細は分からないものの。

田中先生が馬に乗れるのならそのゲーム張りにカッコ良くなるだろうな……と思いながらも一応反論を試みた。こういう點「も」田中先生が得意としている分野なので、オレも先生みたくなりたかったので。

「馬って案外丈夫なんですよ？何せ昔は重い鎧よろいや兜かぶとにを包んだ武將を軽々と運んだんですよ。何でも総重量は……」

えと、何キロだっけ？なんかの辺りまで出て來ているじなのに的な數字が出てこないのはもどかしい。

「そんな細々したことはどうでも良いのよっ！患者さんのバイタルだったら重要な報だけれども、ね。

とにかく、脳外科に行ってアクアマリン姫とやらを救うナイトになりなさい。

ま、ナイトじゃなくて弾除けでも良いけどね。ただ、怪我をして帰って來ないでね。久米先生もウチの重要な戦力なのも確かだから。じゃあ、私は帰って寢るわ。この畫像持って行きなさいよね」

何だか勵まされているのかバカにされているのかは分からないような杉田師長の言葉だったが「脳外科に行ってアクアマリン姫のナイトになる」というのは確かにカッコいいというか萌えツボだろう。あ、萌えツボとかは姫の前では言ってはいけないかもしれない。

オレの得意のネット調査で「が嫌悪を抱く異」に「オタク」も上位にランクインしていたので。

それに、オレの部屋に飾ってあるフィギアも――彼が部屋に來てくれる日が來れば、という前提だが――捨てる……のは勿ないので、クローゼットにでも仕舞っておこう。うん、そうしよう。だって単品で買ったヤツも有るけれども「中は見てのお楽しみ」的な何がっているか分からないというイベントも有って、そのためにお目當てのフミオちゃんをゲットするために５０個も「大人買い」をしたのだから。

杉田師長にお禮を言ってから脳外科を目指した。どうせ、香川教授は手中だし、オレも一応そのスタッフだったのでこの時間の仕事はっていない。

すると。