《香川外科の愉快な仲間たち》久米先生編 「夏事件」の後 137

「ああ、佐藤君。久米先生が仰っていただろう?指示は的に出さないと新人がびないと。

ウチの醫局が停滯気味なのは、まあ『アイツ』とか『あの方』のせいが大きいとは思いますが、そういう細かい點をキチンと押えないと新人がびずに中堅ナースの仕事量が増えていってしまうばかりでそのうちパンクする。

実際、今白河教授が困っていらっしゃるのは、戸田前教授の私的なPCにっていたデータには患者さん報までもが含まれていて、しかもワード文書でしか力していない上にタイトル付けなども滅茶苦茶で統一がない。だから半ば呪文のような文章を一つ一つ拾い上げて有用なものなのか不要なのかを調べている。

『あの方』も自分で抱え込もうとして、そして『アイツ』に良いようにされたというのが実です。

その轍は二度と踏んではなりません。

分かりましたか?」

オレよりも先に木村先生が口を開いてくれたのは助かったが、戸田前教授の私的なPCに患者さんのデータとかれていて大丈夫なのかと思ってしまう。しかもそれが呪文とか拷問に近い。

「あの二段目の真ん中のブルーの缶が教授用のコーヒーよ。お客さんとか醫局長以上は赤い缶で、それ以下は黒いのが普通のコーヒー、白いのがアメリカンコーヒー。

紅茶はダージリンとか缶に書いてあるでしょ?その通りの茶葉がっているので覚えやすいと思うわ」

佐藤看護師は多分木村先生の実の籠った仕事量が多すぎてパンクしそうという言葉を聞いて気が変わったのだろう。

指示が凄く的になった。

アクアマリン姫は、佐藤看護師とオレの顔を謝の笑みを零しながら互に見てお辭儀をすると、燕ツバメのように軽なじでコーヒーのスペースへと歩み去った。

「――私用のPCに仕事関係のデーターをれるのも、問題ですけど……。

ま、それは済んだことなので仕方ないですよね……。前教授に聞くか、システムエンジニアに頼むという方法ではいけないのですか……」

ウチの醫局なら考えられないほどの杜撰ずさんさだ。香川教授の執務室に有るPCの中を見たことは當然ない。ないけれど、香川教授は凄く幾帳面だし公私のケジメははっきりとつける人だ。

それに香川教授と一番親しい(というじをける)田中先生もプライベートではいい加減そうなじだけれども、仕事に対しては驚くほどストイックだ。それにオレのお古のPCを私用に使ってくれているけれど、その中には患者さんの報なんてれていないのは知っている。

というか、醫局にって直ぐの時に患者さんのデータなど流失してはマズいモノは絶対にネットに繋がっていないPCを使えってキツメなじで言われたし。

すると。

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