《香川外科の愉快な仲間たち》久米先生編 「夏事件」の後 144

滅茶苦茶モテる田中先生とかと比べると向けトーク力も自信がない。というか場數も全然踏んでない。いつだったか田中先生に妙齢のと話すにはどうすれば良いかと聞いた覚えがあった。

その時に田中先生は親じの笑みを浮かべていた。

「執刀と同じですよ。香川教授があれだけの卓越した手技が出來るのも、アメリカ時代に執刀をバンバンこなしていたからです。

それと同じく妙齢のと話せば何となくカンみたいなものが生まれて來ます。久米先生はアクアマリン姫にしか興味はないようですが、新人ナースと積極的にれ合えば良いのです。

それに、ご存知かと思いますが香川教授の選考のポイントには患者さんと付かず離れずという適度な距離を保ちつつ會話が立出來るかという點も重要視されていらっしゃいます。

その選考にちゃんと殘った久米先生には素質があるということです。だから自信を持ってください」

そういうアドバイスとかーー滅多にないコトだけれどもーー褒めてくれたのは純粋に嬉しかったけど……。ただ、病気の質上ある程度の年齢のとしか話さない。お母さんとも當然話すけれども、お母さんよか年齢の行ったの患者さんとかにはーーちなみに電子カルテにばっちりと年齢も書いてあるので、その辺りはキチンとチェックしているーー話しかけることも全然苦痛ではない。

さっきのアクアマリン姫への指示の出し方は滅茶苦茶だったけれど、やっぱりウチの科の新人ナースは先輩ナースに「秩序正しく」とか「理路整然」と教えを乞うている。

看護師だって覚えるべきことは山のようにあるので、おいそれと話しかけることも出來ないのが実だった。つまりは全然勉強(?)出來ていない。

それなのに、アクアマリン姫と一対一で話すのは、なんだかプールとかで泳ぎの練習もナシで荒海に飛び込むようなモノだ。

しかも、田中先生が自分の貴重な自由時間を削ってくれてまで書いてくださったカンニングペーパーもない狀態で何を話せばい良いのかサッパリ分からない。

「せっかく淹れたコーヒーが冷めますし、ケーキも箱から出した瞬間から乾燥が始まると何かの雑誌で読んだ覚えがあります。

せっかく、木村先生の許可を頂いたので會議室に行きませんか?」

アクアマリン姫というあだ名に相応しい清浄なじの笑みを浮かべている彼の顔が眩しくて直視出來ない。(こんなんじゃダメだ!それにキョドるのも厳!!)と心に言い聞かせる。

そして。

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