《香川外科の愉快な仲間たち》久米先生編 「夏事件」の後 149

幸せそうにーー多分ケーキが大好きなんだろうーー薄紅かしていたアクアマリン姫が悲しそうというか當というか、そんなじで顔を曇らせている。

話題を間違えたか?と焦ってしまった。「あの」香川教授にも認められた會話力には自信が有ったんだけれど、それは対患者さんとかそのご家族限定だったのかもしれない。

それに心臓外科というーー救急救命室は救急搬送される患者さんと雑談なんて出來るわけがないーー年配の人が多いからオレの會話もうまく転がって行くのかもしれないな、と。

岡田看護師はその點、妙齢の「ビ・ジ・ン♡」さんなんで、普段の調子で會話したらいけなかったのかなとか考えが走馬燈のようにクルクル回っている、目まぐるしく。

「そうなんです。あんなこと、人間として許せませんよね。

醫學の勉強のためなら仕方ないんですけど」

やっと、花のようないてくれたことに、腰が抜けるほどの安堵を覚えた。こんな綱渡りの會話は手室の執刀醫をーーオレなんかが任命されるのは20年ほど早いだろうけどーー務めるよりも心臓に悪いような気がする。

田中先生って、こんなとの會話をずっとしてきたんだなと思うと尊敬の念がますます深まってしまったけれど。

ただ、田中先生の場合は男のオレから見てもかなりのイケメンなだけに、外見で得をしているような気がしたけど。でも!そんなの生まれつきだし、今更変えるわけにもいかないので、會話力で勝負するしかないだろうな、と。

ただ、戸田前教授が、事件の後で病院長から引導を渡された時も、白河先生が執務室にること自斷られたんですよ……。あと一日は待ってしいとかで……」

アクアマリン姫が明な泡のような溜息ためいきを零している。

「え?何でですか。だって、執務室でしょう。そりゃあ、個人的な部屋かもしれませんが、病院から貸し出されているというか……。厳には私室ではないですよね?」

オレ達のような研修醫には雲の上の執務室だし、呼び出されるのはとっても怖い場所なのも確かだ。だって、賞賛なら醫局で大々的にして下さるのが香川教授なので、きっと呼び出されるのは叱責の時だけだろうから。

まあ、そんな憂き目に遭ったことはないけれど。

「私室じゃないんですけど、ただ、教授職の偉い先生が個人的に使って良いってなっていますよね?行ったことはないですけど……」

アクアマリン姫は明な困の煌めきを放つ笑みを浮かべている。

「教授室に行くなんてコワいこと、オレ……いや、私だって嫌です!!」

すると。

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