《香川外科の愉快な仲間たち》久米先生編 「夏事件」の後 153

「久米先生が凄く優秀な外科醫になるって田中先生が仰おっしゃっていましたよ。

変なというか、ウケしない趣味が有るけれども、そういう點はごだと思って許してやって下さいとも言われていましたので、どんな趣味なんだろうかなって思っていました。

フィギアを集めたり、ゲームアプリにハマったりでしたか。

もっとヘンな趣味なんじゃないかな?とか々思っていました。

その程度なら全然平気です。というか、寧むしろ親しみというか、久米先生も人間なんだなとしか思わないです」

アクアマリン姫は綺麗な笑みを浮かべている。

オタク趣味キモっ!とか思われたらどうしよう?その時は全部ゴミにして出そうとまで思っていただけに、岡田看護師の優しさとか包容力――いや、包容力って男が持つイメージだからもしかしたら違うかも知れない――にも惹かれてしまった。

そしてあれ?と思ったことをついつい口に出してしまう。

「田中先生に會ったんですか?」

ウチの醫局とか救急救命室所屬のナースなら、何時いつでも田中先生に會えるというか、その辺りに居るので、聲を掛けるタイミングさえ合えば――何しろ気さくだし、話しかけ易い雰囲気を常に持っている人だ。

まあ、他の病院では「DOA」――亡くなってからのご到著――扱いされる患者さんでも鬼の杉田師長は諦めずに処置を施すことで有名で、実際に9階から投自殺を計った患者さんの命を救ったことも有る。

9階からの飛び降りた場合――アクション映畫とかでは屋臺の屋とかで助かることの方が多いけれど、あれはフィクションだ――例え頭部からではなくて、足から地面に激突したとしても、足の骨が臓に突き刺さったりして大変なことになっているし、致死率はほぼ100%だ。だから他の病院ではそんな「無駄」なことはしない。

でも、ウチでは杉田師長が「専制君主」なので、必死に救命をするというのが普通なじだった。

そんな時は流石に無駄話をする余裕なんてないけれど、凪の時間と呼ばれる患者さんが運ばれて來ていない時とかだったら、田中先生は気軽なじで話しかけてくる。ま、厳寒の中、セブイレとかたこ焼き屋さんとかに行けという命令だったりもするけれど、研修醫がパシリ扱いされるのはある意味仕方ないと思っている。

けれど。

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