《香川外科の愉快な仲間たち》久米先生編 「夏事件」の後 154

科が違えば、全く會うことなんかないのも病院の現狀だ。

例外としては心臓科とウチの科のように、手した方が良いと田教授が判斷したケースだと引き継ぎをするとか、カンファレンスをするとかはある。そして脳と心臓の同時手が最適だと判斷した場合はチームを組むこともあるので、その場合も打ち合わせは有るんだけれど、そういう席に新人ナースも研修醫もお呼びが掛かることはない。

だから岡田看護師と田中先生が病院で會うことなんてないとばっかり思っていたんだけど……。

田中先生に井藤の件を詳しく教えてくれたのが岡田看護師だったという話は知っている。だけど、その席で延々と「お見合い小母さん」みたいにオレのことを紹介するわけもないし。

「ああ。もしかして香川外科の方ではウワサになっていないのかも知れませんね。ほら、戸田前教授が病院から去る時とか、白河教授が醫局運営に自信を無くしたというかゴタゴタしていたんです。

そういうコトは田教授が病院長命令でウチの科のアドバイサーというか影の実力者として醫局の立て直しに盡力して下さっているのですが、時々は田中先生もいらして下さって田教授とは異なった視點でウチの醫局にアドバイスをして下さったことも有ったんです。

あの事件が起こる前からウチの醫局に――あ!醫局干渉とかではないですよ!――井藤センセの件とかを言って來て下さっていましたから、そのご縁なんでしょうね。

病院長命令で白河教授を補佐するようにという全権委任されたのは田教授なので、あくまでもで、なのですけど。

ウチの醫局の先生方との話し合いの後で、聲を掛けて下さって、喫茶店に一緒したことが有ったんです。

――ここだけの話しですけど……」

アクアマリン姫はし怖そうなじで周囲を見回してから――といっても會議室には二人しか居ないのも分かっているので、多分こういう作は特有なんだろうなと思ってしまう。

オレだって救急救命室のナースとか――特に杉田師長なんて別を超越しているような気がするし、その下に付き従うナースも朱にわってしまっている――ウチの醫局のナースには怒られっぱなしで「」を意識したことは全くない。

というよりも、怒られたり指導されたりでアタフタしているのでそんな気持ちの余裕なんてない。

ここだけの話?

何だろう。

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