《香川外科の愉快な仲間たち》久米先生編 「夏事件」の後 157

田中先生も目敏い人だと思っていたけれど、アクアマリン姫はそれを上回るようなじだった。

いや、がそうなのかも知れないな……って思う。

お母さんなんて醫師會でー-開業醫の集まりみたいなものだーー出かけたお父さんのスーツに「香水がついている!しかも私のじゃない香りが仄かに!」とか言って凄い剣幕で詰め寄っていたなぁって。

ま、その時はクラブだかのが倒れ掛かったのを慌てて支えたからだ!と真顔で言っていたし、お父さんはウソのつけない人だと思うのでそれはホントなんだろうけど。

「話が線してしまってすみません。久米先生が聞き上手だし、もともとお喋りなタイプなんです。もし、煩かったら言ってくださいね」

「聞き上手」!うわぁ!そんな評価をアクアマリン姫に下して貰えるのも田中先生や柏木先生のザ・スパルタ式の特訓が実を結んだんだなぁと思う。

一番怖かったのはキョドることだったんだけど、それも大丈夫みたいだし、話を遮ることもしていない。

そっか、こういうのがモテる訣なんだ!!

まあ、よく考えてみればーー今頃、遅いカモだけどーー患者さんとだってまずは話を全部聞く。そのうえでこちらのアドバイスを言うわけで、患者さんの話がどれだけまどろっこしくてもちゃんと聞くよな、遮らずにとか思ってしまった。

「いえ、田中先生がそんなふうに岡田さんの目に映っていたんですね。

あの事件の後も普段通りのじかな……って思っていたのですが。

は見るところが違いますよね、流石です。

あ!煩いとか全然思ってないですから。どんどんお話してください。オレ……いや私で良ければ。

それに、岡田さんのことももっと知りたいです、ガチで」

そう言うとアクアマリンの清純な煌めきの笑顔を向けられた。

オレの二次元の人のーーフィギアも持っているけどーーフミオちゃんよりも清楚で可憐な笑みに心臓がバクバクしてしまった。

「それ、田中先生にも聞かれました。好きな食べとか苦手な食べとか。あれってどういう意味なのかなって。まあ、田中先生とお話し出來るのは栄ですけれど。

そして、ヒールは履いてきて良いですよとまで言われたのはビックリしましたけど」

うーん!田中先生にデートのシナリオ作まで頼んだ上にデートコースも一任している。だから聞いたんだろうけど、そんなことをアクアマリン姫に洗いざらい白狀出來るハズもなくて。

どうしよう。

    人が読んでいる<香川外科の愉快な仲間たち>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください