《転生しているヒマはねぇ!》3話 就職
「おはようございます! ダイチ監視。どうですか? 慣れました?」
「おはようございます。プルル補佐。できれば主語をお願いします」
オレは50もあるモニターから目をはずし、椅子を回転させ、元気よくモニタールームにって來たプルル監視補佐と挨拶をわす。
小柄でオレ好みの人さんだ。髪型はブロンドのヴェリーショート、痩せすぎず太すぎず、エネルギーの塊のごとく元気一杯。外見以上に魂のしさをじさせてくれる。
「もちろん、いろいろですよ。いろいろ。監視は初めてのことばかりじゃないですか。そのに、転生界での仕事に、冥界での生活、マタイラ自も初めてですよね」
「ああ、うん。まあね」
結局、異世界の現世に転生することができなくなったオレは、転生界の長であり転生役所所長でもあるおかっぱ娘のマーシャ様からのいに応じ、この転生役所で働かせてもらうことになった。
マーシャ様の話では、転生界に留まらない魂が行くことになる裁斷界で行われる裁判は、9分9厘地獄に落とされて、魂の浄化という名の拷問を期間未定でけるらしいので、M男ではないオレに斷るなんて選択肢はない。
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オレが話をけると、すぐにマーシャ様がオレにれる。すると驚いたことに、魂だけだったオレが、今のこの姿になったのである。當然、だ。
マーシャ様の目が好奇心で爛々になっていたのは、し怖かったな。
「とりあえずは問題ないよ。チキュウで生きてた頃と同じ姿だから。若返っているのと、額から角が生えている以外はだけど」
「額の中央の一本角。私とお揃いですね。えへへ♪」      
そうなのだ。これまで冥界で出會った仮という姿を持った魂達は、マーシャ様以外は頭に角が生えていた。
そして、俺は、プルルさんと同じ額の中央から、表面がツルツルとした一本角が真っ直ぐに突き出ている。
マーシャ様、グッジョブ
「仕事の方は……正直退屈かな」
オレがそう言うと、プルルさんは苦笑を浮かべた。
「まあ、そうでしょうね。
監視課は、魂のや大きさが大きく変化するような出來事が現界で起きない限りは、本當に視てるだけですから。特に植部の監視課のモニター係は閑職ですし。
これまでは霊部の監視課モニター係が掛け持ちでやっていたんですよ」
そこまで言うとプルルさんは表をキリッと引き締める。
「でも、油斷はですよ。
送魂課や迎魂課から問い合わせがあったら、過去のデータを掘り出さなきゃいけませんし、裁斷界へ資料提出なんて仕事も監視課には有ります。
……もっとも植部でそんな事例があるのは稀ですけど。
最近でも、私が生まれる前、世界樹の魂の裁斷くらいだって聞いています」
世界樹か……。さすが異世界。やっぱりあるんだ。でも裁斷されたってことは死んでるってこと?
「それに、ダイチ監視には極任務が有ります。忘れてませんよね?」
そう。オレはこの転生役所での仕事とは別に、マーシャ様に仕事を與えられている。
オレ自に関わることだ。
なぜオレが転生できない事件が発生したのか?
オレからすれば、役所の管理ミスだろ? ってじなのだが、マーシャ様曰く、何者かの意志をじるそうだ。オレになりすました魂単獨の犯行ではなく、組織的な犯行であるとマーシャ様はにらんでいる。
そこでマーシャ様は、今回の事件の裏を探れとオレに言った。
どんな連中が、なんの目的で魂のすり替えのようなマネをしたのか?
當事者であるお前が探れと。
カモフラージュとして他の仕事をしながらやれと。
人手も足りてないから丁度よいとも言っていたが……。
「もちろん忘れてないけど、10年前でしょ? 調べるの難しくない?」
「チキュウの現界で生きてきた貴方には遠い昔にじるでしょうけれど、冥界の10年前なんて、つい最近です。それに過去のデータを調べるのに監視は便利な役職ですよ。監視が監視するのは今現在だけではありませんから」
プルルさんがスラスラと説明してくれる。補佐というより書とお呼びしたい。
「わかりましたよ。こっちの仕事が疎かにならない程度に、自分の転生がどうなる予定だったのか調べてみますよ」
「はい。私も出來る限りお手伝いいたしますので、気長に頑張りましょう! 時間だけはたっぷりありますから」
プルルさんが可らしい、ほど良く育ったの前で、とっても可らしい小さな拳を握りしめる。
超可い♪
さぁ、仕事頑張ろう! プルルさんと一緒に♪
プルルさんと一緒に♪
うん。これ大事。
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