《転生しているヒマはねぇ!》55話 発端
「書課課長の推薦なんだ」
顔を上げたブチブチブッチ部長は、真剣な面持ちで語る。
「ほら、あそこは一応運営省の機関になっているけれど、実質マーシャ様直屬だから、急を要する案件は報告・連絡・相談をすることになっているんだ。所長や副所長の前にね」
おお! こんな所にもホウレンソウが!
「対応係係長の消滅が確認されたのが、昨夜9時。
対応係の魂の消滅確率が高いのは、以前からの重要課題で、私と神類部部長と流課課長、そして今回消滅してしまった対応係係長の4名で、流會時期の消滅を無くす為の対策を々講じてはいたんだが、自分と部下を危険にさらしていた彼が、一番辛かったのだろうな。
魂魄の磨耗が進み、消えることを願ってしまったんだろう。
痛ましい結果になってしまった」
ブチブチブッチ部長の目に涙が滲む。
「実は今日が例の流會の日なんだ。
急事態として、今回は殘った3名が対応係の職員を率いて、乗りきろうと決定し、書課課長に連絡をれた。22時頃だったな」
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ん? あれ? 書課の課長って、確か……。
「えっとー、書課の課長って、レイラさんでしたっけ?」
「そうだ。私たちより存在年數も魂魄の強さもはるかに上の方だから、課長とは言っても、実際は小界主クラスの方なんだけどね。あっ、小界主わかる? マーシャ様と同格ということだからね」
あの人、オレに冥力の説明しながら、魂魄通話でこっちの対応もしてたのか。
やっぱりすごいな。あの人。
格は悪いけどな!
昨日説明しなかったのは絶対わざとだ。
オレがどういう行をとるか、絶対楽しんでやがる!
「とにかく、その連絡時に、今回の人事異を提案されたんだ。
異世界の魂なら、マタイラの現界の神々に萎することもないだろうし、獨自の視點を持っている魂だから、我々では思いもしない対策を講じてくれるかもしれないと」
再び、ブチブチブッチ部長が頭を下げる。
「無茶を承知で頼む!
対応係を、神類部を、転生役所を、冥界の魂を救ってくれ!」
そのあまりの必死さに無理ですとは言えず、出來る限りのことはしますとブチブチブッチ部長に答え、神類部へと赴く。
そこでも、ちょっと偉そうな神類部部長と流課課長に同様のお願いをされ、対応係の職員10名と流會に參加する12神の資料を渡された。
はっきり言ってしまうと、丸投げだ。別にいいのだが……。
オレは小會議室を借りて、ソレイユと二人、貰った資料に目を通していた。
流會開催時刻まで、あと2時間。
開催場所は現界側の天界の隅にある天冥流會議場。
冥界の職員達は先に行って準備を整えているらしい。
當然のことだが、初めて乗り込むこの流會で問題を即解決はできないだろう。
聞いた限りでも、現界と冥界の関係のこじれぐあいは複雑そうだしな。
今回の流會でオレに出來ることはただひとつ。
知ることのみだ。
流會の雰囲気を知り、參加している12神の格、関係、冥界への態度。
殘念ながら、貰った資料の容は、誕生した経緯と魂の大きさの変遷に偏ったものであったから、この資料から読み取れることはない。
「この中にはいないか」
「誰がです?」
「ああ、シャーロと出會った會合にさ、天使が1人いたんだけど、その天使が仕えてる神様。風神ウェントス」
「聞いたことありませんね。
この資料に載っている12神は、現界にいた時に、一応聞き覚えはあります。
もしかしたら、世界規模の神様ではないのかもしれませんよ。
大陸固有とか。
あと考えられるのは、別名があるとか」
「ああ。なるほど。
確かに、リストにも複數の名前で呼ばれてる神様っているもんな」
「ええ。地方ごとで、微妙に呼び方が変わっているようです。
でも別名の中にもウェントスはありませんね。
風神と言うからには、天候関連の神様だとは思いますけど。
その神様がどうしたんです?」
「いや、もしいたら和解に協力してもらえないかなと思って。
まだ、神様達が流會でどんな態度をとっているかわからないけど、そもそもの発端はさ、初期の流會で冥界側が現界側を軽んじたことから始まってると思うんだよ。
ただ口先でさ、もう軽んじたりしませんから、態度を化させてくださいって言っても、たぶん駄目だろ。
相手にさ、しでも歩み寄ってくれる奴がいたらさ、落としどころってのが見つけやすくなる。
もしウェントスがこの中にいたら、その役をしてくれるんじゃないかと期待したんだけどな」
前途は多難ということか。
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