《転生しているヒマはねぇ!》87話 天職
負けてはならぬとオレは全魂重こんじゅうをかけて、再び扉を閉めにかかる。
オキョウもそのきめ細やかな白のしいを真っ赤に染め上げ対抗してくる。本當にだけは非常に綺麗な仮をしているのがムカツク。
「こ、このオキョウ様を甘くみるんじゃないよ!」
「う、うるせえ。この蛇。俺の行く先々に現れやがって!」
「ぐぬぬぬぬぬ!」
「うぬぬぬぬぬ!」
「なに遊んでんのさ、アンタら」
呆れたようにため息をひとつついたチェリーが扉を軽くポンと叩くと、扉が一気に開け放たれる。
オキョウが広い部屋の奧まで吹き飛び、俺は周囲より低い位置に設置されているコンベアの上で、オキョウに鞭でしばかれていた黒い魂の列に突っ込む。
くっ! さすがはチェリー。はあんなにフワフワなのに魂の重みが半端ねえ。
というか、ここなんか空気重くない? なんか立ちあがれないんだけど。周囲の黒い魂が馬鹿にしたような意識をこちらに向けてきてるし。
「ああ、いけない。そこはダメだよ、ダイちゃん」
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チェリーがしばかり慌てた様子で、黒い魂が列を作っている場所からオレを引っ張り上げる。黒い魂達から舌打ちが聞こえてきそうだ。
「コンベアの上は、ソイツらが逃げ出さないように魔力で強い圧がかかってるのさ。アイシスでもそこでは上手くけないと思うよ。魔力の扱いが上手い奴じゃないとダメだね。地獄に送られてくる魂で、魔力の扱いが上手そうなヤツはり口で會ったヤツみたく檻にれられてくるのさ」
「フン。わかったかい? そこにいる限り、この私のの鞭をけるしか道がないって寸法さ」
をくねらせながら、蛇顔がこっちに戻ってくる。その姿を目撃した黒い魂のいくつかは、鞭で叩かれていた時以上に表面がハラハラとこそぎ落ちていく。威力抜群だなスネークダンス!
「それにしてもこの地獄でデートをかますとは、相変わらずいい度してるじゃないか。気にったよ」
下をチロチロだしながらニヤリと笑ってくる。
「気にらなくていいから、さっさとここにいる説明をしろよ。説明を」
「本當に偉そうなヤツだね。アンタはもっと配慮ってモンを覚えな!」
「お前はもっと遠慮ってモンを覚えろよ!
「ぐぬぬぬぬぬ!」
「うぬぬぬぬぬ!」
「はいはいはい。マーシャ様レベルの喧嘩してんじゃないのさ。……それにしてもアンタがあのオキョウかい。アタシがアンタのことを調査した頃に比べたら別魂のように活き活きしてるじゃないのさ」
チェリーの心するような聲に、俺に顔を近づけて睨みつけてきていたオキョウがクネッとを捻じりチェリーと向き合う。
「マーシャ様の書の一人チェリー様だね。噂はかねがね聞いてるよ。貴方様はここでも有名魂だからね~」
彼たちが揃って不敵に笑う。な、なんかり込みづらい雰囲気だな。でも仲間ハズレは寂しいからオレ負けない!
「それでなんでここにいるんだよ?」
オキョウが再び、ギロリと瞳孔の細い金の瞳を俺に向けてくる。
「アンタにはちゃんと別れの挨拶もしてやったのにもう忘れたのかい」
だから仮をくねらせるのをやめい。黒い魂たちが崩れていってるだろうが。
「言ったろ。あたしみたいな出來るは引く手あまたなのさ」
オキョウが遠い目をする。
「あれは、あたしが立ち飲み居酒屋『青大將』で一杯ひっかけている時だった」
立ち飲み居酒屋だと なんか雰囲気良さそうだな。オレ飲み屋ってさ。『い~と魔鬼魔鬼』ぐらいにしか行ってないんだよね。興味あるな~。でもコイツいるのか~。
「大將相手にあたしは熱く語っていたんだよ。転生役所みたいな汚れがほとんどでない所じゃ、綺麗好きのあたしの真価は発揮できないってね」
愚癡ってただけじゃねえか。まあ、冥界自が汚れとかほぼほぼつかないもんな。靴はいてる意味なんて全然ないし。生活様式を現界に近づけてるだけだもんな。しかも他所の世界の現界に。自分とこの現界の雰囲気ぶち壊しだからな、ココ。
「そしたら、不意に後ろから聲をかけられてね。だったらウチで汚れた魂ちゃんたちを綺麗にしてみない?ってさ」
「あー、ママ。ママあそこの常連だものね。アタシも地獄界で働いていた時はよく連れて行ってもらったもんさ」
チェリーが納得したように頷く。じゃあチェリーも場所知ってるんだね。今度連れて行ってもらおうかな? でもアレもいるのか~。
「話に乗って正解だったよ。まさに天職だったよ。コイツらの汚れをこそぎ落としてやるよ~」
再び仮をくねらせ、憐れな魂たちの表面が剝がれていく。あれ? なんかさっきよりも黒が薄くなってる?
「驚いたね~。たいした浄化魔法さ。踴るたびに魂たち汚れが剝がれていってる」
え? 恐怖で崩れていってるんじゃないの? というか、魔法で汚れてる部分削ってんの?
「鞭は? 鞭で汚れ削ってたんじゃないの?」
オレが尋ねると、二人が不思議そうな顔をする。オキョウが一度軽く振るい、チェリーもの谷間ポケットから鞭を取り出す。
二人の聲が、示し合せたように揃う。
「これは気分さ!」
同時に振るわれた鞭が、一番近くの黒魂を打つ。黒い魂が歓喜に震えていた。
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