《俺の小説家人生がこんなラブコメ展開だと予想できるはずがない。》010.どうして俺なのですか……?

ーーこれは恐らく俺自の黒歴史として殘り続けるだろう、それほどのことだったーー

知識で無く所有に駆られたき俺は、いつだったか、誰だったか、それはこの世の神様しか知り得ないだろうが(無論、俺自にも分からん)、「告る」という作をしたのだ。

言わずもがなかもしれないが、その後の俺は恐悅至極の愉悅にり浸った。「れてくれた」からである。

知り合いでない、が繋がってもいないが、何処で何か赤い糸でも繋っていたかのようなドラマ的展開に心を躍らせていたのは恐らく中學というい面もあったからなのだろう。

裏切られた、というかそもそもの話信じてなどいなかったのだ。

俺がその「れた」子と落ち合う場所に訪れた時、そこには俺ではない男が至極當然かのように堂々と居座っていた。

俺が座るべきはずの場所がまるで椅子取りゲーム、フルーツバスケットで勝利したように漫然と座っていたのは俺の脳裏に焼き付けられた。

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機嫌やその場のムードを壊したくないという自分の思いとは別のが満たされた俺は、不倫現場をスクープするのではなくふらりとそこを離れていった。

人付き合いは面倒だとじ始めたのはそれからだ、加えて格が捻りまがったことも要らぬ副産の賜なのだろうが。

とまあ、大方話がずれすぎてしまったので戻す。

――要はを任せると、ろくなことが起こらないということだ――

「知りたいなら知ればいい、聞きたいなら聞けばいい。自分のしたいことを意的に出來ない人の方が楽に生きれないと思うのだけど」

「あーそうかもな。納得出來ずに死んでいくなんて俺だって真っ平ごめんだ」 

「なら聞くよ、どうして部にらないんだ?」

俺はこのを信用する相手に、心を許す相手にしたわけじゃない。思考した挙げ句の果て、論理的に事を並べた結果だ。

れないのよ」

「それは部活に加できないってことか?だとしたらなぜだ?」

しでも気を許したのだと頭の隅で誤認していたようだ、人の敷地にずかずかと踏み込んでしまった。これじゃさっきと同じだ。

「あなたには関係のないことよ」

そんな風にさらりと流すように、噓が當たり前の話であるかのように、俺の目線を逸らそうとすれば嫌でも気にしてしまうのは俺だけだろうか。

否、それはないだろう。他人なんて自分と関係ないのだから何も行を起こさず、傍観もしないという態度を取る俺でさえ気にかけたのだ。どういうわけか言い訳のように聞こえるけれども。

「いや俺にだって関係はあるはずだ。もしこのまま新生部員數一人が続いたらそれこそ俺の絶的狀況だ」

俺は機の上に乗せられた何重にも重ねられて厚くなった資料に指を差す。ゆえに、これこそが今の俺の行要因、駄々をこねるように諦めが悪い理由だ。

「それは傲慢というものね、あなたの仕事に任せられたものに手を出さなくてはならないというのはどうしてかしら」

だが、そんな俺の的に吐した言葉は耳にれてもくれず、當たり前の事実を淡白に、どちらかと言うと冷淡に宣告された。

「……俺が楽をしたいから」

初め無言だったのは目の前に存在する貴重な部員、人材を保持するにはどうすればいいか、言い訳のような文言を試行錯誤しつつも生み出そうとしたためである。

だが、なんとまあ知っていたがやはり全て徒労に終わった。「君と共に仕事をしたいんだ」なんて口にしたら俺の高校生活も中學の頃の二の舞に終わる。

それは避けなくてはならないのだ。ゆえに、理由という言い訳を創り出せ、想像できる返し文句はこれしかなかったのだ。まさに怠惰の象徴、イミテーション模倣である。

「その意味で捉えていたのね……」

初めて遊園地に來て「あれがジェットコースター!?」なんて奇想天外な語に巻き込まれたような年を眺めているような目。

違うな、社會科見學でテレビという間接的でしか見れなかった國會議事堂を憧憬しているような年か。

なんにせよ、どちらでも構わないが結論からすればこの冷徹なはその名前のとおり雪のように相手を凍えさせるような眼差しで俺を蔑んでいた。

対する俺はこれしかなかったのだ。すなわち笑って誤魔化し、すかさず突っ込みをれる。

「いやさっきのは理解していたがっ」

「つまるところ私には関係のないことでしょ、だから部にるからないかも私には関係のない話」

凍り付いた教室が再び解凍され始めたように真面目な話に戻りつつ、俺は再度反論しようとする。「部活にれ」と。

「いや、だから」

--部活會のお呼び出しをします。文蕓部--

「曲谷君っ、君が行ってくれないか!」

突如、俺と如月のちょうど真橫に構えていた唯一の部室出り口から焦燥に駆られた部長ーー長月ながつきころもが飛び出てきた。

ぼさっとした髪のがアホを運よく生み出し、どうやら急ぎの用事であるのが読み取れる。

なるほど、しかし珍しい景は何をとっても稽なものだとしみじみと傷に浸れるものだが、この人は俺がこんな狀況に至った張本人だ。忘れてはならない。

店側が対応が面倒な顧客をリストにまとめ上げるようないわゆるブラックリストを作するのと同じだ。俺にデメリットを加える恐れのある危険人を忘れてしまえば、それこそ愚か者だ。

とは言うものの、やはり先輩後輩という上下関係から逃走することは葉わず俺は渋々「はい……」と溜息混じりに答える他なかったのである。

嗚呼、ブラック企業は日本社會の敵であり溫床なのではなかろうか。一國というこれまた巨大なスケールからすれば俺は未者なのだと思いつつ、俺にも拒否権を行使させてしいと痛切に願うのだった。

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