《俺の小説家人生がこんなラブコメ展開だと予想できるはずがない。》012.俺は……分からない
「まさかっ曲谷が部會に來るとは思わなかったよ」
完全下校時刻30分前の頃合いの廊下、まだ夏には程遠いからかすでに日が沈もうとしている。
夕焼け差し込む、太からのが窓を反させながら多彩な彩を生み出す。のスペクトル、分というやつか。
「ああ、おかげで面倒なことになったがな」
次々に過ぎていく教室はどこも空の容のようだった。それはそうだ、まだ學してまもないのだから。
俺はそんな曜日覚がすでに麻痺していることに心しつつ殘念に思いながらも、これはこれで面白い生き方なのだろうと薄々実する。
「ふーーん」
俺と神無月以外に生徒がいない靜寂に包まれた校舎で二人話す、どんなラブコメだ。
一つ嘆文を呟いてから、納得しない空白にはまるピースを探すように訊いてきた。
「じゃあ、なーんでそんな楽しそうなのかな」
後ろで両手を繋ぎながらリズムよく歩く神無月。そっちの方が楽しそうに見えるんですが。そんな駄文を口に出して言う必要もないので俺は素直に、噓が一部含むように答えた。
「愉しいから、が正しいかもな」
やっぱり……とで思っているのだろう。口に出さなくても「ほら~」と俺に語ろうとしているのが表で読み取れる。言葉に出さなくてもを理解させることが出來るのはこの神無月だけだ。
ところで神無月はこの件をどう思っているのだろうか。部した途端に廃部の危機にさらされている今、何故自分に責任が回ってくるのかと考えはしないのだろうか。
何よりも彼の威勢の良さが気になる。どうしてそんな笑顔で居れるのか、何故失敗してしまうかもしれないという恐れを抱かないのか。
俺は気になって仕方がなかった。
そのせいなのか、自分自のことであるはずなのに訊くことに躊躇してしまった。 どうしてそんな表笑顔なのかと。
「神無月は……よ。なんで新聞部なんかに……」
そうこうしているうちにどうやら目的の教室に到著したようだ。
「おっ、著いた著いた!ではではーこれにて解散、また明日もよろ~~」
神無月は頭に手を添えて敬禮のポーズをとると、人気が無く寒々とした教室へ小走りで戻ってしまった。
獨り廊下に取り殘された俺は、まるで自分の質問から逃れるようにそそくさと教室へ戻っていった神無月の後ろ姿をちらりと見て、
「自分のことは興味ないってか……」
と誰も聞いていない廊下で言葉を濁した。
俺はその後、別棟の部室へ向かうために屋外廊下を通ろうとしたが、外へ繋がるドアが施錠されており、もう一度二階に降りてから別棟へと歩いて行った。
俺が部室に著いた時、やはりというか至極當たり前の事実であるかの如く部屋の電気は消され窓も閉められていた。
誰も居ない部室に獨りでいることの優越を久しぶりに味わえたかと思ったが矢先、俺はそれを見つけた、いや見つけてしまった。
『too delay.鍵はあなたが持ち帰って必ず明日持ってくること。忘れたら罰ゲーム』
くだらない文だと、創作者の悪癖が働いたのだろうと俺は彼の意向に察した。
別にめをけたわけでも、罵倒されたわけでもないのに、どうしてか心殘りがあるというか、後味が悪い日だったような気がする。
ようやく波萬丈な高校生活二日目も終わりを迎えたようだ。
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【第3部連載開始】 ★オーバーラップノベルズf様から、第2巻8月25日発売予定です★ ★コミカライズ企畫進行中★ ミネルバ・バートネット公爵令嬢は、異世界人セリカを虐め抜いたという罪で、アシュラン王國の王太子フィルバートから婚約破棄された。 愛してくれる両親と3人の兄たちの盡力で、なんとか次の婚約者を探そうとするが、近寄ってくるのは一見まともでも內面がろくでもない男達ばかり。 いっそ修道院に入ろうかと思った矢先、冷酷と噂される宗主國グレイリングの皇弟ルーファスに出會い、ミネルバの人生は一変する。 ルーファスの誠実な愛情に包まれ、アシュラン王國を揺るがす陰謀に立ち向かう中、ミネルバにも特殊能力があることが判明し……。 人間不信気味の誇り高い公爵令嬢が、新たな幸せを摑むお話です。 (カクヨム様にも投稿しています)
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學校內でも生粋のモテ男である三人と行動を共にする『俺』。接點など同じクラスに所屬しているくらいしかない四人が連む訳は、地元に流れる不可思議な『噂』、その共同探訪であった--。 微ホラーです。ホラーを目指しましたがあんまり怖くないです。戀愛要素の方が強いかもしれません。章毎に獨立した形式で話を投稿していこうと思っていますので、どうかよろしくお願いします。 〇各章のざっとしたあらすじ 《序章.桜》高校生四人組は咲かない桜の噂を耳にしてその検証に乗り出した 《一章.縁切り》美少女から告白を受けた主人公。そんな彼に剃刀レターが屆く 《二章.凍雨》過去話。異常に長い雨が街に降り続く 《三章.河童》美樹本からの頼みで彼の手伝いをすることに。市內で目撃された河童の調査を行う 《四章.七不思議》オカ研からの要請により自校の七不思議を調査することになる。大所帯で夜の校舎を彷徨く 《五章.夏祭り》夏休みの合間の登校日。久しぶりにクラスメートとも顔を合わせる中、檜山がどうにも元気がない。折しも、地元では毎年恒例の夏祭りが開催されようとしていた 《六章.鬼》長い夏休みも終わり新學期が始まった。殘暑も厳しい最中にまた不可思議な噂が流れる 《七章.黃昏時》季節も秋を迎え、月末には文化祭が開催される。例年にない活気に満ちる文化祭で主人公も忙しくクラスの出し物を手伝うが…… 《八章.コックリさん》怒濤の忙しさに見舞われた文化祭も無事に終わりを迎えた。校內には祭りの終わりの寂しさを紛らわせるように新たな流れが生まれていた 《九章.流言飛語》気まずさを抱えながらも楽しく終わった修學旅行。數日振りに戻ってきた校內ではまた新たな騒ぎが起きており、永野は自分の意思に関係なくその騒動に巻き込まれていく 《最終章.古戸萩》校內を席巻した騒動も鎮まり、またいつものような平和な日常が帰ってきたのだと思われたが……。一人沈黙を貫く友人のために奔走する ※一話4000~6000字くらいで投稿していますが、話を切りよくさせたいので短かったり長かったりすることがあります。 ※章の進みによりキーワードが追加されることがあります。R15と殘酷な描寫は保険で入れています。
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