《俺の小説家人生がこんなラブコメ展開だと予想できるはずがない。》021. 面倒なめ事04
ところで昨日の事件の結末、つまるところ俺が掛依に目を付けられた本的な原因である神無月は何も知らないという一點張りだった。
それはどうやら噓を貫き通すどこかの政治家のように意地を張っているわけではないらしく、単に本當に理解していないようだった。
何度訊いても「本當に知らないんだけど、そこまで聞くってことは何か知られたらまずいことがあるのかなーー」なんて、を橫に捻らせながら今度は探りをれてきたので、そこで問い質すのは止めておいた。というか、そんな後輩が先輩に聞くような立ち方止めてくれまいか。
そんなこんなで廊下で立ち止まって話をしながらも、ようやく目的の場所に到著した。
俺の風評被害の心地、それはどうやらオカルト部の部員だったようだ。
「本當にここにいるのか?」
「たぶん……あの人が中心人なのは間違いないんだけど……」
「なら結構、突決行だ」
俺はなんとも猟奇的な文字で描かれた「オカルト部」という立て看板の橫の扉に手をかけ、この言葉とともに一気に解き放つ。
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「被害妄想を撒いてる奴は、何処だ!」
 勢いよく放たれたその部屋には部員らしい人が二、三人ほど。だが、それらしい、俺が探しているような掛依親衛隊らしい人がいない。
突然の來訪者に驚いているのか、それとも始めての新生部員が訪れてハプニングなのか知らないが、彼らオカルト部員達は何も言えずにいた。
だから俺は直接的に的をるような問いを投げた。
「ここに掛依親衛隊ってとこに加してる奴はいないか?」
部員達は何やら明な箱に手をいれて騒な実験をしていたようにも見えたのだが、その中の一人が答えた。
「そんな話聞いたことないんですが……」
まさか、何故か俺が悪いような言い方と勢で俺は後ろめたさが生まれる。
ならば……と振り返り俺の背後に突っ立っている神無月に訊く。そもそも黒幕がここにいるという話のソースはこいつだ。別に信じないわけではないが、信じる要素だって必ずともあるわけないじゃないか。
「どういうことだよ、神無月」
 いつもより真剣そうな眼付だったのが功を制したのか、神無月は「えっと……」と戸いつつ事のり行きを語ってくれるようだった。
「なんというか、真相は知ってるんだけど、事件を起こしたその瞬間には居合わせていなかったといいますか……」
しどろもどろに敬語で話している以上、神無月自にも後ろめたさはあるようだ。
だからといって俺は「ああ、そうかなら仕方ない」と話を片付けてしまっては元も子もないというか、問題の解決になっていないので(どちらかというと俺を犯人に仕立て上げた黒幕を解き明かしたいという念の方が強いのだが)、
「なんだそれは?まるで犯人を知っているのに、その人が犯人じゃないってじじゃないか」
と俺は珍しくもこの隣にいる彼に問い詰めた。普段の俺ならば誰かに真相を語れと迫ることなんてめったにない。
もし真相を知らなかった場合、どうせ後から「何であんなに迫るんだ」とか「脅迫だろ」とか言われるだろうし、知っていたとしても語り始めるまで時間がかかる。
どちらにしても何のメリットもないに加えてデメリットの巣窟、そんなダンジョンに飛び込む奴なんてフラグ立てまくりの冒険者くらいだ。しかも俺は面倒なことをするのは至極気にらない。
まあ、そういうわけで俺が誰かに何かを迫るようなことは珍しいということで、事実発言した俺自さえもあまり経験したことがなく新鮮でもあった。
「でもーー、私見たの違う現場だしい……だとしても悪いの私じゃないよね、だって何の手助けもしてないしい」
ない言葉を細切れにしながらそれらを紡いでいくような聲音。なんだか……やるせない…………
「そ、それはそうだ。何だって神無月がそんな気に病むんだよ、むしろ貴重な報源をくれて有難いと思ってんだぞ」
俺は別に悪くもない、無実潔白なに罪をり付けているような印象にり下がる。周りのオカルト部員達の目も痛々しいので今度は俺があたふたしてしまう。
「悪くない?」
「そ、そう悪くない悪くない。知っている範囲でいいから教えてくれないか?」
泣き崩れるのような面持ちだった神無月はふっと何かにとりつかれたかのように一瞬、微笑がその顔に浮かぶ。そこで俺は漸く気付いたのだ「やらかした」と。
目の前で俯きながら人差し指をくっつけて一気に暗そうな雰囲気を醸し出されたら、こちらとしても慌ててしまうのは不可抗力ではないのか。
「だから~私は真相を知っているだけで現場を見ていませんってことなの、分かんない?」
さっきまでの涙を流しそうな表はしていなかったがしだけ、本當にしだけ何か気がかりなが引っ掛かっているような気がした。
「つまり犯人はここにはいないってコト~~」
ほんのしの違和をひた隠しにするように俺に揺さぶりをかけてくる神無月。回りくどいったらありゃしない。
「……どういうことだ?」
目の前で繰り広げられる景なんて見たくないだろうに、無言で眺めるオカルト部員。彼らはどうやら本當に何も知らないようなのだが、それだけで十分だ。
つまり、ここに犯・人・はいない。これでようやく謎を解決するピースが揃った……のだがどうしても納得できない。最後のピースを嵌め込もうとしても、どこか別の場所のピースが飛び出てしまうという無限ループ。
「なんで俺を騙した?」
「それはーー……」
まあ、ある程度は予想できるが……
俺はこのの口が聲を出すために開くのを確認してから、同時に、そして一字一句間違えないようにあの時を思い出しながら応えた。
『だって面白いんだもん!』
俺はまるで解答を見たテストに答えを書くように、返事をした。念を押して言いたい、これはご都合主義の展開ではなく、無論俺自が導いた結果なのだと。
「どうして分かるの!」とか「君は予言者だね」とはさすがに言わないようだ、どこからどこまでが天然である基準なのかよく分からん。
ただ、舌をちょこんと出しながら「てへっ」と言っている辺り、計畫的なのか。
ひとつ溜息を吐いてから目線を逸らし、何が起こっているのか理解できていない部員たちに詫び狀のような、俺にしては文句のような言葉を送った。
「悪い、全部こっちの茶番劇だった」
そして何事も無かったかのように神無月と俺はその場を立ち去った。
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