《俺の小説家人生がこんなラブコメ展開だと予想できるはずがない。》118.水無月桜はに疎いのである

本日、高校生初めての夏休み最終日にしてもっとも休日らしい日。久しぶりのホリデイ。ということで俺は昔から気にっている古い私営本屋に赴き、有意義な時間を過ごそうと考えた。

だがしかし。俺が店すると同時に背後から新たな客が登場したのだ。その客は知らないはずがない、俺の擔當編集者兼高校の同級生、水無月桜であった。

そしてさらに多のハプニングはありつつ、どういうわけか、會話の流れ的に、俺と水無月は。

手を繋いでしまったのである。いや、一方的だが。

冷たいから、じんわりと溫かな心地がする。本だ。

數分間、思考は停止。そうして脳にスパークが散った後、ようやく理解出來た。

「って!!何のつもりだよ!!どういうことだ?なんであの流れでこうなるんだよっ」

「?何のつもりも、ただの謝よ?何か悪いことをしたかしら?もしかして本當に拳を振りかざした方がよかったの?」

「そういうことじゃないんだが……」

突如、俺の頭は疑問だらけになる。いやだってプライベートでこうやって二人で歩道を歩いていて、流れで手をつなぐとか、もうアレみたいなもんじゃん。そうじゃん。

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「どういうこと?」

ダメだ。この人。経験とかそういうことしたことないって話は本人からは聞いてたけど、そもそもについて知らなすぎる。どうこう以前の問題だ。いやでも、薄々気づいてはいたよ。お屋敷の令嬢だなんて、そういう知識があんまりないのかな的なじでさ。だったとしても、現実にあるとは思わないじゃん。そんなの二次元あるあるじゃん。

「いやなあ……こういうのってさ、お互いにそういう関係とかになったらすることなんじゃないのかなと」

逆に考えすぎなのか?うん、まあ、あんまり、というか俺も異とこういう関係になったことはなかったよ。いや、まさか異同士で手をつなぐという行為は普通なのだろうか。

俺は右手、水無月は左手を互いに著させながら歩く。すると前方からとある母親と年が連れ添って歩いてきた。

そして俺たちの橫を過ぎ去ろうとした時、立ち止まり、こう言ったのである。母親の服を引っ張りながら、典型的なシーンのように。

「ねえねえ。あの人たちってさ、かっぷる、なのかな」

まるで覚えたての単語を使うかのように発音がし聞き取りづらかったが、俺には問題なかった。さて、右側のには聞き取れたのだろうか……

「……ふ……ふふっ」

こわいこわいこわいこわい。なんか不敵な笑いというか、底なし沼に浸かったかのような黒々した聲が聞こえるんですけどーー。

「み……みなづきさーーん」

聲をかけるまでもなく隣で歩いているの調子が悪いことはすでに分かっていた。第一に先の不敵な笑みに加え、握っている彼の左手の力が弱まっていたからだ。

「大丈夫ですかな……?」

俺が水無月の安否を確認するとそれはそれは安全すぎる返事が返ってきた。

「っなんddえいってくrnあいのよ‼‼‼」(解釈:何で言ってくれないのよ‼‼‼‼)

同時に弱まっていた左手への力が突如急変。俺の右手は蛇でも巻き付かれたかのような締め付けに加え、爪で挾み込むように俺の皮を、つねられた。

「いっでで!!止めてくれっ」

そうして必死に対抗するほど5分。ようやく怒りが収まった。

「結局、武力行使してくるんじゃないかよ……」

「ふんっ。何も言わなかった罰よ」

「なんで俺だけ痛い目に遭わなくちゃならないんだよ。ん……でも水無月の意外な一面も見れたことだし」

「雑念が殘っているようね。殘りの左手をよこしなさい」

「いやです。どうせまた同じ羽目に遭うんですから」

「大丈夫よ、そっちは利き手じゃないのでしょう?過度にやりすぎても日常に支障が出ることはないわ」

け答えがなってないんですけどーーーー」

そうして俺の左手に取り掛かろうとしたとき、水無月の腰から電子音が鳴り響いた。

どうやら誰かからの著信だったようでさっきまでとは裏腹に敬語を使って會話主と話している。なんだか……こうやって改めてみるとしっかりとした人間だ。

數分間、ぽけっと空を仰いでいると、スマホ片手に水無月は近づいてきた。よかった、どうにか左手は免れたようだ。

「誰からだったんだ?」

「明嵜さんよ。急用が出來たらしいから編集部のもとへ來てしいって」

なるほど俺の助っ人が明嵜さんだったとは。明嵜和音、水無月桜の擔當編集者である。

「じゃあ今から行くのか?」

そう聞くとまるで聞く必要などあらず、といったように、

「當たり前よ。それじゃあ、今日はこれで」

と足早に俺から離れた…………はずだったが。50mほど離れたところから、何か思い返したように早歩きでこちらに戻ってきた。なんだか、嫌な予しかしないんだけど。

ずいっと俺の顔の傍まで近づき、

「今日のことを誰かにでも口出ししたら、ただじゃ置かないから覚悟しておきなさい」

と言い殘し、再び帰路に戻って行った。

「ほんと、なんでこんな面倒なことに巻き込まれたんだろうな……」

トホホ……と表には口に出さず、肩をすくめるだけでも、心の中では「ちくしょう!!」とんでいる俺だった。

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