《俺の小説家人生がこんなラブコメ展開だと予想できるはずがない。》130.シンクロニシティには付きじゃない Final Game
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どこかで見たような景だと気づいたのはいつからだったか。もはや覚えていない。
學式當日から授業をサボタージュしたのにも関わらず放課後に現れる。登校するのはいいが、基本的に授業には出ないスタイル。そして何より無自覚かつハプニング的に起こってしまった例のアレ、を本気なものだと捉えてしまっている勘違い人間。
俺たち文蕓部は「とは何たるか」を知るべくとあるゲームをプレイしている。「の七日間」、そしてそのヒロインの姓は三日月。
丸っきり、俺の隣にいる編集者ーー水無月桜本人を寫し取ったかのような人なのである。
「ってなんなのーー」
「理的に頭を捻らせている神無月よ。それ絶対頭悪そうに見えるから止めておけ。しかも前髪は雑巾の代わりのためにあるんじゃないんだぞ、あーー、言わんこっちゃない」
んえーー、とをスライムのように捻じ曲げ、前頭部を機に押し付けている。顔面で機をっているためか、ショートヘアの先にカールがかかっている髪がぐしゃぐしゃになる。
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「はいーー、あれもこれも全部マガトのせいですーー。夏休みが終わったくせに灼熱地獄の気溫は変わらないし、もうがっごういぎだぐなあい」
「変わらないリアルをけ止めろ。それよりもこの文化祭の出しを創らなきゃ、この部だって廃部になりかねないんだぞ」
廃部、という言葉に神無月はビクついた。
ついこの前までは、新聞部の新聞作という問題に力を貸さなければ文蕓部は廃部と宣告された。そしてその新聞部員こそ神無月茜である。
「そういえばいまさらだが、どうして神無月は新聞部なんかにったんだ?」
新聞部員だからこそ自分に力を貸してほしいと言われたため、貸した。そしてウェブ當時の頃からの俺の作品のファンであった。何度も描き、イラストを送ってきたために、実際に俺の作品のイラストレーターとして君臨した。
都合のいい展開なんだとはじていたが、発起點に疑問が殘る。どうして新聞部員として俺に接點を持ち始めたのか。
「私が新聞部に部した理由ーー?そんなの答えても意味なくない、本題からズレ過ぎてるよマガト。ズレズレのズーレだよ」
さらっと神無月は俺の問いを流す。これでまた俺がしらばっくれんなよだとか、答えになってないぞ神無月、なんて言ってもいいんだろうけど。どうせ、迷がられて何も答えられないのがオチ。深りはというやつだ。
ゆえに解答を用意した人が登場したのは驚きだった。
「その話は文化祭の話が終わってからにするわ。まずは本題を解決してからが先決よ」
「うぇ‼‼どうしてみなが知ってるの??」
神無月の両目は見開いていて、あたかもペットがマジックに引っかかったかのような目だった。
「別に辻褄の話ではないわ、神無月さん。自分で言っておいて反対のことをする部した理由を聞くなんてらしくないわよ」
そしてそれを悠々と聞き流す水無月。余裕がありすぎる王者の気迫だ。
「はいはい。俺も神無月にどうして部したのかなんて今は聞かないからさ。代わりとして『の7日間』について教えてくれよ。想でもいいぞ」
「それが分かんないからこうやってぐだあってしてるってのになあ。んまぁ……想というのなら……そうだなぁ」
神無月は水無月、タブレットと順に指差した。犯人はお前だ!!と言いそうな様子だ。
「そこにいるみな、と三日月さんっての子。似てるとかどうとかいうよりも、もうこれ本人だよね?」
「そ、そうかしら、神無月さん?でもいくら何でもフィクションと、現実をひっくるめるのはよくないと、お、思うのだけれど」
おーーい水無月さん。噓を言って神無月を騙そうとしているんだろうが、それじゃ逆効果だぞ。
「んーー!!そうかあ、たしかにそうだよねえ。語は語だし、誰かが創った人がいるはずだし。思い違いだったのかな」
噓だろ!!どこまで純粋なんだこの神無月とかいうお転婆系子は。ウチの擔任も同じような態度ぶりっ子を取るだろうが、神無月の場合は偽りない本気 マジ の反応だ。
っと、調子を崩されたが再度取り戻しつつ、俺は再び訊いた。
「水無月の方はどうだ?何かいい考えとか浮かんだか?」
んーー?と煽るような視線で下から覗く神無月を右手で抑え込んでから、水無月は口を開いた。いやしかし、煽った神無月も悪いが、対応する方もやり方に難があるだろそれ。
「私は…………正直になれないことかしら……この作品のヒロインも遠回しに質問する箇所、仕草。分からないまでもないわ」
「なるほどな。好きな人の傍にいても、會話していても、自然に本音で話すことが出來ない不用なところってか」
俺は水無月の主張に相槌を打つ。だが當の本人、水無月の反応は酷い。
「どうしてかしら?あなたが言うとどうしようもないほどの腹立たしさが込み上げてくるのだけれど」
「もうそれって登場人が自分だって言っているようなもんじゃないか……」
何が酷いか。簡単だ。自分で言ったことなのに、それを俺に指摘されただけだというのに、高圧的な態度を取っているところだ。
そして水無月はさらに俺の左足つま先を踵で踏みつぶした。
「うるさいのだけれど」
ぐりぐりと踵を押し當てるこの狀況。おかしい。どうにも理解できない。
すると、神無月は不意に立ち上がった。おそらく俺や水無月に関係なくだ。何せ、こっちを見向きもしなかったのだ。
「そうだ!!経験富な人にこの話を聞いてみたらいいんじゃないかな!?」
今にも噴き出しそうな笑みを浮かべている神無月。しかし、それには避けられざる重要な問題がある。誰に訊くのかという至極簡単な問題だ。
「まて神無月。いったい誰に訊くつもりなんだ?」
俺の方に見せつけるようにピースサインをして言った。
「まこっち先生!!」
「ダメだぁぁ・駄目よ!!」
俺と水無月の悲鳴が部室中を反芻させた。水無月は空回りするような高い聲だった。相當、気を使っていたんだろう。あたかも中抱いているありとあらゆる事が拡散したように見えた。
というか、それって水無月自がこの語の登場人三日月と似ているということを悟ったようなものじゃないか。と考えつつ、俺は神無月の方を見やるが「なんで?」と頭を傾けている。さすが、頭の中がお花畑のような生徒、これでこそ神無月茜だ。
そして一瞬のことだった。俺が水無月や神無月に確認するまでもなく、呆気に取られたのだ。
部室は校の端に位置していて、廊下に繋がる扉は1つしかない。
そして夏休み前に、扉の前で「掛依親衛隊」と稱する一味に脅された。それが部室のり口での思い出。
ガラッと扉が橫に開かれ、生ぬるい風が部屋にり込む。
「こんにちは~~。文・蕓・部さん」
問題ばかり起きるそんな部室に、奴、由井香が現れたのだ。
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