《の黒鉄》第45話 ハワイ、出撃
1943年2月1日。ハワイの真珠灣に集結していた日本海軍が誇る連合艦隊がついに米本土を攻撃すべく、錨を上げた。
參加艦艇は最新鋭艦の武蔵を始めとする日本海軍が誇る第一艦隊は第一戦隊(旗艦武蔵以下、大和、長門、陸奧の計四隻)を主力として、護衛の第一水雷戦隊(旗艦の軽巡川以下、第六駆、第二一駆)、第六戦隊(旗艦青葉以下、笠、古鷹、加古)、第九戦隊(北上、大井)、第三水雷戦隊(旗艦の軽巡矢矧以下、第一一駆、第一九駆)がいる。第二艦隊としては主力の第三戦隊(旗艦比叡以下、金剛、榛名、霧島の計四隻)の他、第四戦隊(旗艦高雄以下、宕、耶、鳥海)、第五戦隊(旗艦那智以下、羽黒、妙高)、第七戦隊(旗艦最上以下、三隈、鈴谷、熊野)、第八戦隊(旗艦利以下、筑)、第二水雷戦隊(旗艦の軽巡神通、第八駆、第一五駆、第一六駆、第一八駆)である。
通常であれば水雷戦隊がもうし多くいるのであるが、今回は遠距離の作戦行になることや砲撃作戦がメインであるために外された。またこれらに防空任務を擔う第一航空戦隊(旗艦赤城以下、加賀)、これらの護衛として第三水雷戦隊(旗艦那珂以下、第二駆、第九駆)が護衛として付く。
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また対潛専門部隊として第一対潛哨戒隊(一〇〇型駆逐艦六隻)の護衛が付いている。
この他にもこれら參加艦艇に給油を行う給油部隊などもおり、まさしく日本の命運を賭けた一戦になると言うことは誰もが予想できる作戦規模であった。
當然、これほどの兵力がくとなればアメリカ軍も知るところとなる。
しかし、アメリカ海軍にはそれを押さえ込むだけの力は無い。そこで航空部隊に命運が託されるところとなった。
幸か不幸か、米本土には太平洋作戦に投される予定であった撃機が數多く殘っていた。というのもアメリカ軍が占領した基地から攻撃を行う予定であったが、その基地となり得る島がほとんど日本軍に占領されてしまっていたために、本土で駐機してあったのだ。
ここに世界でも有數の大艦隊と同じく世界でも有數の航空隊が激突するという史上初の戦いの舞臺が整ったのである。
「今度こそ、アメリカ海軍は降伏するのであろうか……」
開戦より一貫して連合艦隊司令長の立ち位置にある古賀峯一は武蔵の艦橋でつぶやく。連合艦隊旗艦は武蔵が海軍に編されたことにより、連合艦隊旗艦に指定されたのだ。
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「そうであると信じたいですな」
參謀長の座にいる宇垣が言った。
彼は今回の作戦に余り乗り気では無かった。何せこれから先にある戦いは開戦前の日本海軍の作戦思想になかった戦いである。どうなるかがまるで予測が付かない。そのような博打のような作戦に仮にも連合艦隊ましてや帝國海軍の虎の子の第一戦隊を投するなど正気の沙汰とは思えない。
「これほどの艦が出張るのだ。もし降伏しなければ、そのときは……」
古賀の言わんとしていることは分かっている。
アメリカは既に新鋭戦艦の増産制にっているという。今のところ、連合艦隊の方が戦艦の戦力的には上であるが、これがもし新鋭戦艦が次から次へと太平洋方面に展開すれば日本はやがて太刀打ちできなくなる。
最初の二年や三年は大和型でどうにかなるであろうが、五年、六年先になれば大和型を遙かに超える巨艦を投するであろう。
「日本に幸あれ」
高波がうねる太平洋を何隻もの駆逐艦が進んでいく。
ハワイから米本土まで到達する區間で島のようなものはほとんど無い。萬が一にもここで沈めば、味方以外にはほとんど頼れないであろう。
「ここから先は日本海軍にとって未知數な海ね」
大和は前方にいる駆逐隊を見つめながらつぶやく。大型艦である彼は余り揺れはしないが駆逐艦はかなり揺れているはずだ。乗組員もそうとうきついであろう。
まだ見たことの無い米本土を思い浮かべながら彼はため息が出る。
かなり長距離であるため船も疲労するし、乗っている乗員にとっても過酷なであろう。ただでさえ船という閉鎖的な環境に長時間耐え忍ばねばならない上、帝國海軍の未知の海を渡るのだ。その神的ストレスは計り知れない。
「我が國に勝利を……」
その大艦隊を靜かに水中から監視するがいた。
「間違いない。日本軍の本隊だ」
ガトー級潛水艦七番艦アルバコア艦長のリチャード佐は小聲でつぶやく。
彼は発見されないよう限界深度ギリギリでアルバコアを潛行させた狀態で聴音を行っていた。極力浮上も行わないようにして、何日間も粘り哨戒任務についていたが、ついにその努力が実ったと言うことだ。
米海軍は既に日本軍接近を知しており、潛水艦部隊に哨戒任務を行わせていたのだ。
「よし、奴らが行っちまった後、浮上しすぐに本土へ連絡だ。日本海軍を確認したとな」
彼はすぐに潛鏡を下ろしながら副長に伝えた。
「海上の天気はかなり悪い。これから先、奴らは苦労するぞ」
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