《聖戦第二幕/神將の復活》第14話 ラグズの英雄たち
「戦況はどうかの、バーレス將軍。」
後ろから老人の聲が聞こえた。バーレスは振り返った。すると、聲の主はシラヌスだった。
「何故貴方様が?!」
バーレスは驚いた。
「援軍に來てやったのじゃ。それに、あいつらがうるさくてのぉ。」
シラヌスは何故か後ろを向いた。バーレスはシラヌスの見る方向に目を向けると、その先に四人の男が立っていた。バーレスは、そのうちの一人をどうやら知っている人らしく、その人に向かってつい言葉を発してしまった。
「お、お父さん?!」
その人とは、舊ラグズ王國四天王の一人であるグリードだった。
「おお、我が息子よ。元気か!」
と豪快な言葉使いで話しかけてきた。
「何故、貴方がここに?!」
「我らは長い間、北方の離島にあるドリツァー帝國へ出向いていてな。だが、長年の友であるシラヌスに聲が掛かってここに來たわけだ。」
トーレスの反が起こる數日前、グリードたち四人は北方の離島に位置するドリツァー帝國へ侵攻しており、それがために王國にいなかったのである。だが、この四人が再び集結し、この戦場に赴くということは、つまりラグズ王國四天王が復活することと、此度の戦いに參戦してくれるということである。グリードたち四人は、すぐさま布陣し、攻撃に備えた。そしてまずは、第一陣のラグベルト軍、四天王のアレス軍が出陣した。敵軍も、すぐさま盾兵を前へ出させ、守備を固めた。だが、ラグベルトが攻撃しても歯が立たなかった敵にアレスが攻撃すると、一気に敵の態勢が崩れ出し、敵陣にある道ができた。アレス軍の後ろにいたラグベルト軍も勢いに乗り、先へと進むアレス軍に続いて行った。
【書籍発売中】【完結】生贄第二皇女の困惑〜敵國に人質として嫁いだら不思議と大歓迎されています〜
【書籍版】2巻11月16日発売中! 7月15日アース・スターノベル様より発売中! ※WEB版と書籍版では內容に相違があります(加筆修正しております)。大筋は同じですので、WEB版と書籍版のどちらも楽しんでいただけると幸いです。 クレア・フェイトナム第二皇女は、愛想が無く、知恵者ではあるが要領の悪い姫だ。 先般の戦で負けたばかりの敗戦國の姫であり、今まさに敵國であるバラトニア王國に輿入れしている所だ。 これは政略結婚であり、人質であり、生贄でもある。嫁いですぐに殺されても仕方がない、と生きるのを諦めながら隣國に嫁ぐ。姉も妹も器量も愛想も要領もいい、自分が嫁がされるのは分かっていたことだ。 しかし、待っていたのは予想外の反応で……? 「よくきてくれたね! これからはここが君の國で君の家だ。欲しいものがあったら何でも言ってくれ」 アグリア王太子はもちろん、使用人から官僚から國王陛下に至るまで、大歓迎をされて戸惑うクレア。 クレアはバラトニア王國ではこう呼ばれていた。——生ける知識の人、と。 ※【書籍化】決定しました!ありがとうございます!(2/19) ※日間総合1位ありがとうございます!(12/30) ※アルファポリス様HOT1位ありがとうございます!(12/22 21:00) ※感想の取り扱いについては活動報告を參照してください。 ※カクヨム様でも連載しています。 ※アルファポリス様でも別名義で掲載していました。
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