《聖戦第二幕/神將の復活》第14話 ラグズの英雄たち

「戦況はどうかの、バーレス將軍。」

後ろから老人の聲が聞こえた。バーレスは振り返った。すると、聲の主はシラヌスだった。

「何故貴方様が?!」

バーレスは驚いた。

「援軍に來てやったのじゃ。それに、あいつらがうるさくてのぉ。」

シラヌスは何故か後ろを向いた。バーレスはシラヌスの見る方向に目を向けると、その先に四人の男が立っていた。バーレスは、そのうちの一人をどうやら知っている人らしく、その人に向かってつい言葉を発してしまった。

「お、お父さん?!」

その人とは、舊ラグズ王國四天王の一人であるグリードだった。

「おお、我が息子よ。元気か!」

と豪快な言葉使いで話しかけてきた。

「何故、貴方がここに?!」

「我らは長い間、北方の離島にあるドリツァー帝國へ出向いていてな。だが、長年の友であるシラヌスに聲が掛かってここに來たわけだ。」

トーレスの反が起こる數日前、グリードたち四人は北方の離島に位置するドリツァー帝國へ侵攻しており、それがために王國にいなかったのである。だが、この四人が再び集結し、この戦場に赴くということは、つまりラグズ王國四天王が復活することと、此度の戦いに參戦してくれるということである。グリードたち四人は、すぐさま布陣し、攻撃に備えた。そしてまずは、第一陣のラグベルト軍、四天王のアレス軍が出陣した。敵軍も、すぐさま盾兵を前へ出させ、守備を固めた。だが、ラグベルトが攻撃しても歯が立たなかった敵にアレスが攻撃すると、一気に敵の態勢が崩れ出し、敵陣にある道ができた。アレス軍の後ろにいたラグベルト軍も勢いに乗り、先へと進むアレス軍に続いて行った。

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