仕事の忙しさにも慣れてきた頃、突然の有給休暇を頂く。仕事が忙しいので恐してしまいそうだが、この、ご時世きちんと有給を取らせないと會社としても大変らしく有り難く休ませて貰う。

折角なので通常の休みにくっつけて3連休にした。別に大した予定も無く、持て余しそうだったが忙しかった分、ゆっくりしようと思っていた。

とりあえず車で1時間の割と大きな街で夏の服を買い、髪を切り、ある程度やるべき事を済ませた。

ちょうど夕方。夕方と言っても日も長くなってきたのでまだ明るい。

アキさんの店[After-eve ]へ行ってみた。しお客さんがいたが、丁度お會計をして帰るとこだったのでゆっくり出來そうなじだった。

「3連休？いいね〜何かする事ある

の？」アキさん。

「別に何も決めてないっす。結構突然有給取れ！って言われたし。」

「最近忙しそうだったから、ゆっくりすれば良いんじゃない？」

殆ど売り切れたパンを片付けながら自分の事を気にかけてくれるアキさん。

「土、日曜日が休みならカオリちゃんでもってデートでもして來たら？(笑)土、日なら彼も休みだし。」

躊躇いなく言うアキさん。

「またそんな冗談を…カオリさんはアキさんのいしか興味無いでしょ。」

「うーん。年齢からすれば俺なんかよりマコちゃんの方が良いとおもうけどなー」

「年齢は関係無いっすよ。アキさん若いし。」

「あら。すっかりお世辭も上手くなって…ふふっ」

と、パンのレシピが書かれたノートを広げ明日のパンを選ぶアキさん。

何気なくノートを見たらビッシリとんなパンのレシピが描かれていた。

「凄いっすね！全部作れるんすよね。」

「パンはね。意外と難しく無いんだよ。

難しく思われがちだけど基本のパンが作れれば結構なんでも作れるのよ。」

レシピをパラパラ見ながらサラッと言うアキさん。

「何か味しく作るコツあるんすか？」

「別にないよ。どこのパン屋さんも基本同じよ。ただ々ね、原価とか効率とかを考えると多変わるよね。當たり前だけど。」

「そうだねー、ウチはあまりそういう事

考えてないから良い小麥良いバターを使って、自分で作れる分しか作らないから贅沢というか味しくなきゃいけないよね。」

「だから儲けは無いようなもんだよ。」

「やっぱり小麥は大事なんすか？」

素人の自分が生意気にも訊いてみる。

「んー確かにね 高いは良いんだけど、

要は、そのに合った作り方そのに合ったパンを作る事が大事かな？」

「そのの分や特に合わせて、ねる(Kneading)事がパン作りの基本だから。」

流石です。何かやっぱり格好いいです。

同時にパンが好きなんだなとじた。

「革製品を作る事はパン作りと共通する事があるんすか？」何か哲學的な答えが出てくるかと期待する自分。

「…無い。」

「うっ。またやっちまった。」やっぱりアホな自分。

「ぷふふ、マコちゃんらしいよ。革、レザークラフトはね、何か楽しそうだから始めただけ。パン作りも同じだけど。」

「俺さー、何も無かったんだよ。得意な事とかやりたい事。で、とりあえず手當たり次第んな事挑戦して、この２つが面白いかなってじただけなんだよ」

アキさんがアキさん自の事、話すの始めてかなと思いつつ。

「何か意外っすね。アキさん何でも出來そうなのに。」

「ん？またお世辭？何か奢らないといけないなー。」

「そうだ！マコちゃんカレーパン好きなんだっけ？じゃ今度、特別に作ってあげるよ。好みに合うか分からんけど。」

「マジっすか！うれちいです〜」

やっぱりいい人だ、カレーパン好きなのも覚えていてくれた。

サイコーですアキさん。

「うれちいって…いい大人が…気持ち悪っ！カオリちゃんに教えたろ。」アキさん。

サイテーですアキさん。

第３章        終