《After-eve》ferment 第6章

キャンプの朝食はアキさんの焼きたてパン。 その為にアキさんは、昨日から準備をし朝早く起きていた。ユウさんが持って來たダッチオーブンを使って綺麗にパンを焼き上げた。

気溫は上がってきたが、まだ冷たい海風が吹く朝にアツアツでフワフワのパンをちぎって食べる。鍋(ダッチオーブン)で作ったとは思えないらかさ。そのままでもし甘みがあり味しいのだが、アキさんがスペシャルなをだした。高級そうな小さな瓶にった蜂。それをちぎったパンにたらりとかける。その蜂は自分が知っているとは違い、サラっとしている。

「ほれっ。」とアキさんが手渡してくれた。より甘く、らかなパンに染みていく。香りもいつものハチミツと違う。

「うおっ!何すか?この蜂!」

自分の発したその言葉に、皆がその蜂に群がる。キャンプで一夜を過ごした朝、多の疲れがある皆さんに甘〜い蜂らかなパンは、ホッとさせ疲れを吹き飛ばしてくれた。

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「いつの間に作ったんですか?」農協 勤めの子が訊いた。

「昨日の夜かるく準備して、朝早めに起きて。簡単に作れるパンだから大した作業はしてないよ。」サラっと言うアキさん。

「パンって発酵とかあるから大変かと思ってた。」自分の言ったことに皆が、うなずいた。

「発酵のやり方も々あってね、溫かいところで発酵させるとか、冷蔵庫で一晩とか。昨日の夜は寒い位だから丁度良かったよ。」

アキさん。

「だからアレだ!パンも発酵(ferment )が大事な様に、人にもそういう我慢と言うか忍耐が必要と言う事だ!」ユウさんが何か上手い事を言ってはみたが…。

「ユウさんも発酵し過ぎて破裂しないようにね!仲良くしてよ、奧さんと。」

カオリさんの返しで笑いに変えられた。

海を見ながら味しいパンと、のんびりと笑いがある朝食。これだけでもキャンプのいい思い出になりそう。それは自分だけでなく皆が、そう思ってた。おかげで只でさえ素敵なアキさんがより、ポイントアップ!陣のアキさんを見る目が更にキラキラ、星が寫り込んでいる様だった。

何故か、カオリさんはその様子に誇らしげ。

いゃ…カオリさん。さっきアキさんとはラブラブじゃないって言ってたじゃないすか。まだ彼では無いんでしょ?それでもやっぱり嬉しいもんすか?好きな人が注目されると…

アキさんが羨ましいのと多の嫉妬で余計な事まで考える、相変わらずけない男です自分は。

その後、みんなで海に行き寫真を撮ったり、軽く遊んだり。夏の海だがこの辺りは海水が冷たいので、流石に泳げない。波打ち際でキャッキャッと、はしゃぐ程度。

はしゃぐ程度なのに何故か自分だけ下半ずぶ濡れになった。

腹出して寢て風邪ひいた人にまんまとやられて…。

そして片付けをしてキャンプ場を出る。

海にいたので髪のもゴワゴワ、男陣は髭も生え、顔もテカってたので近くの溫泉に行きリフレッシュ。

皆さんサッパリして帰路に著く。

こうして一泊のキャンプだったが、楽しく何より無事に終わり一安心。

自分にとってはキャンプの楽しい思い出の他にもちょっとだけいい事もあり…まさに今回の『天候が不安定だけどキャンプやっちゃうよ(仮)』作戦は、大功となった。

夏の遊びを満喫した後は、仕事が山積みだった。ただそれは自分だけでなく、ユウさん、アキさんにとっても同じだった。

二人共、キャンプに行く為に店を臨時休業にし、ユウさんは家族を放ったらかしにした責任、アキさんはオーブン修理でキャンプ前にも店を閉めてた責任を取り戻す様に働いていた。

仕事は忙しかったが、自分はそれをじない位し浮かれていた。

キャンプの楽しい思い出と同時に得た 、

いい事がそうさせていた。

キャンプに一緒に行った農協(農業協同組合)勤めのの子の一人と、ちょっと仲良く出來て連絡先の換ができた。

(マイ)ちゃん。25歳。一人暮らし!

この小さな街での人の一人暮らし。

ちょっと珍しい。大が地元の人なので実家暮らしが普通。カオリさんも実家暮らし。彼(マイちゃん)は、この街の出では無く、ちょっと離れた街の出。去年まで隣街で働いていたがその後、農協の臨時職員としてこの街に住み始めたらしい。この街には、親戚も居るし知り合いも居るので抵抗無く住めているらしい。

自分からすれば25歳は、凄く若くじる。し後ろめたさの様なものをじつつ、一人暮らしという言葉にが踴ってしまった。

(自分も所詮、にまみれた男だった様です。)

この街に來るまでは一人暮らしと言う言葉に、深く考える事など無かったのに。

そんな剝き出しの軽い男は、勝手に

(モテ期、到來?)と信じ、ご機嫌な毎日を過ごす。

(マイ)ちゃんとは、毎晩の様に連絡を取り合った。マイちゃんも気軽に接してくれてじ良かった。やっぱり一緒にキャンプに行った事が大きかった気がした。小さな街で夜は、暇する事が多いのも逆に良かった。何となく楽しいじで話は出來たが、いまいち男の関係っぽくは、話が進まなかった。多年齢の差があるのでそんなじなのかなと、そんなに気にはしなかった。

たま〜に、ご飯を食べたりユウさんの店へ行ったりしたが二人きりでは無かった。

アレっ?警戒されてる?それとも二人きりは、恥ずかしいとか?々考えてみて、ここはアキさん、ユウさんを見習って大人の振る舞いをしようと。落ち著いた懐のふかいじで…。

そんな似合わない事をし、の子に現を抜かしていたら。

やらかしてしまった。

仕事でミス!結構な失態。

今まで慣れない仕事なりに一生懸命やってミスのない様、丁寧にやって來たつもりだったのに。

この忙しい時期に農家さんに大迷をかけてしまった。自分の凡ミスだが、それが農家さんにとっては大損害に繋がる事もある。すぐさま出向き謝罪する。たまたまユウさんと繋がりのある方なので、

「大丈夫だよ!」と聲をかけては貰ったが…辛かった。気を遣ってくれた事が。

ユウさんの店にも行き、事の経緯を伝えた。「次!次が大事。同じ事しない様に」

ユウさんからの言葉にが詰まった。

やっぱり自分はけない、だらしない、何も変わってない。

お酒も飲まず、そのまま帰った。

次の日朝早く、アキさんが訪ねてきた。

「人間大事なのは、きちんと食べる事」

そう言って、焼きたてのパンを渡してくれた。

わざわざ朝早くに焼いてくれた。

ユウさんがアキさんに言ってくれた。

泣きそうになりながらパンを食べた。

メールが來た。カオリさんだった。

「ガンバレ!一生懸命が取り柄でしょ!」

も〜 朝から泣かせないで下さいよ〜。

ありがとうございます。

第6章    終

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