《After-eve》bench time 第3章

やっぱり楽しかった。この4人が集まると。

平日の夜の1、2時間。夕食を共に過ごしただけの時間だったが、ずっと記憶に殘る様な気がした。

ユウさんとカオリさんは、お酒も飲みながらだったが自分とアキさんは飲まずに。

でも充分楽しいひと時だった。

中華料理屋からの帰り道、雨がポツポツ降り出した。この時期の雨は、季節を進める。一雨毎に気溫が下がり、秋に近づく。

車の後部座席に座ってる2人には、雨など構い無しにお喋りに花が咲いていた。

自分は、助手席に乗り運転しているアキさんと共に後ろの酔っ払い2人を傍観していた。

「アキさんは、やっぱり秋が好きとか?」

自分が後ろの2人に構う事なく、靜かにアキさんに訊いてみた。

「苗字についてるからって、強引だなー マコちゃん。でも嫌いじゃないよ。春から夏にかけてが一番かな!」

「確かに初夏とか良いっすよね〜」

「もう秋になるね〜あっと言う間に。」

秋本さん(アキさん)が言った。

「それこそこれからは溫泉の時期じゃないすか?紅葉見ながら。」遊ぶ事しか頭にない自分。

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「だねー。でもマコちゃん仕事忙しくなるんじゃない?収穫期だよ?」

「うっ、ですね。何か大変そうだな、大丈夫かな。」収穫期と言う言葉に急にビビる自分。

「マコちゃんは大丈夫だろ。農家さんが大変だろーに。」冷靜なアキさん。

「です。…農家さんに迷かけない様にしなきゃ。」自分がやらかしたミスを思い出す。

「そうだぞマコ!またやらかしたらクビになるぞ!」

いつのまにかカオリさんが、相変わらずキツイ言葉で…

「そうだねー、仕事し落ち著いて紅葉が見頃になったら溫泉ですかね?」

アキさんが素敵な提案を。

「宿泊しよ〜よ!溫泉宿で!ユックリした〜い。」前のめりになりながらカオリさんが言った。

何かまた楽しそうなじになってきた。

カオリさんが言った事は、大行われてきたし。決斷力(我を押し通す力)が、素晴らしいカオリさんならでは…。

「良いけどっ気、なくない?」

ユウさんが、ヤバイ所を突っ込む。

「え!何?私じゃ足りないの?若い子が良いの?若けりゃ良いの?大ユウさん奧さんとグダグダなのに、どうしてそんな事言うかな〜?だからめるだよ!奧さんと。」

あ〜、カオリさんまで余計な事を言い出した。だから酔っ払いは面倒です!ねっ、アキさん!

再び、後ろの席2人が賑やかに言い合いを始めた。

そんな中でもアキさんは、和かなじで見守っていた。

雨は、朝方まで降り季節が確実に一つ進んだ。

まだ秋になった訳では無いが、農家さんの方々は既に忙しい時期にっていた。

日中は暑いくらいになる事もあるが、朝は冷える。霜が、おりる前に収穫が始まる。

それにつれ自分の會社も徐々に忙しくなっていった。

大量の農作の収穫。畑だけでなく普通の道路までそれをじさせる景。大きな農作業機、農作を運ぶ大きなトラックが頻繁に行きう毎日。自分もそれに同調する様に駆け回っていた。

マコちゃんが仕事で駆け回っている時期、私(カオリ)はボンヤリした日々を過ごしていた。

あの日からずっと…。

今は、割と普通にしているけど何処か心の奧底で不安が付き纏う。

心なしかお酒の量も増えた。

酔っては、マコちゃんやユウさんに強めにあたる。直接ぶつければ良いものを怖くてそれが出來ない。アキさんに言えない、何も。全てが壊れそうで…

アキさんが倒れた夜。ほぼ私が、何をしたのか何を言ったのか記憶が無い。

ただ『アキさん』と何度も呼び掛けた様な…

次の日、朝一で病院に行ったけどアキさんは普通だった。病院のベッドで寢てる以外は。いつもの様に優しい顔で聲を掛けてくれた。昨晩の事が噓の様に…

しアキさんが話してくれた。ユウさんが言っていた様に、が何かの病気では無かった。自立神経がしバランスを崩し一時的にをコントロールできないだけ。と、アキさんは言ってた。

し…って。意識がほぼ無いじだったのに…

以前は、こんな事が結構あったらしい。薬を飲んで、たまに病院に通い検査してたが地元に帰って來てからは大分良くなりアキさん自も安心してたらしい。

アキさんは、ずっと「ゴメンね〜」と「迷かけちゃったね〜」を繰り返し言うだけ。

私は、それ以上何も言えなくなった。

本當は、いつからなり始めたのか?とか 何か原因があるのか?訊きたかった。

ただ、何故かそれを訊くのが怖かった。

私もアキさんの家にある仏壇は、知っている。そこに飾られてるの寫真も…

大切な人を失ったという事。

その過去さえ訊けない。いつかアキさんが話してくれる日が來ると信じて。

ただ余りにも知らない事が多過ぎて…

正直、今アキさんと2人きりだと戸う。

2人きりだと、私が…アキさんに答えを求めすぎる気がして。

でも…好き。

好きだから知りたい!好きだからチカラになりたい!好きだから私だけを見てほしい!

それを言えるには、まだ無理なのかな?とか、そう言う事をボンヤリ考えてしまう毎日。

みんな一生懸命働いているのに。

私もまだい、いい歳なのに。マコちゃんの事、悪く言えないな〜。

ん〜は盲目⁈さて仕事、仕事!

カオリが、々考えている頃。

俺(ユウ)は、考えるだけじゃなく悩んでいた。夫婦の事だが。

別に何かあった訳では無く、嫌いになった訳では無く。難しい時期なのかな、夫婦として。何となく上手くいかない。何となくぶつかる。子供が自立し、家から出た事も多影響あるのかな?

もう、そんなに時が経ったのか。結婚した時、子供は小學學。もう大學生。あっと言う間だった。あっと言う間だから奧さんと、ぶつかる暇が無かった?でも子供の事でめた時期もあったけどなあ。

子供が家に居ないだけで、上手くまとまらないのか…。カオリやマコには大丈夫!と言ってはみたもの、流石にアキには見破られる。ん〜迎えに行くか。アキが奧さんに、と渡してくれた "モンキーブレッド" とか言うパンを持って。

何か、変な形のパンだが意味あるのかな?

アキは無意味な作らんし。マコやカオリに渡したも本當は、ちゃんと意味あるんだろう。いい加減に説明してたけど。

そういう奴だから、アキは。

それぞれが悩み、考え 、秋めく時に重なる様に。

「溫泉!溫泉!いきたいなぁ〜」

今の所、悩みなし!  田辺 誠(マコ)

第3章    終

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