《コンビニの重課金者になってコンビニ無雙する》8話 就職先
新しい就職先についての説明をしていた。
「――いや、そうじゃなくてだな」
「え、何処かの會社に面接に行くとかじゃないんですか?」
「だから、コンビニをつくるからそこで働かないか?って話なんだ」
「……つくる? コンビニを?」
先程から同じ事を何度も言っているのだが……
「そういう事だ、俺がつくるコンビニでお前――ヒトミが働かないか?って話だ」
そう言ってから『どうだ?』と聞いた。
「え、コンビニを始めるんですか?」
「そのつもりだ。ほら、不便だろ?」
「でも、沢山お金かかりますし、始め方知りませんし……」
「まあ、そこら辺は依頼したから大丈夫だ。お金に関しても心配ない」
すると、納得したのか『コンビニ始めるんですね……』と言っていた。
しかし、何故か他人事だったので"一応"聞いて見る事にした。
「ヒトミもウチで働くか?」
そう言うと、ハッとして目を輝かせた。
「本當に良いんですか?」
「そのつもりなんだが」
「でもやっぱり私は、ほら、失敗しましたし……」
Advertisement
そう言って、手元のにゃん太をくるくるとあやし始めた。
どうやら、俺を"萬引き犯"扱いした事を、それなりに反省しているらしい。
反省するのは良いが、行き過ぎて腐られても困る。
「……失敗しても、學んで長すれば問題ない。それに、良いのか?」
不思議そうな顔をしたヒトミに『就職先だぞ?』と言うと、目を見開いた後で數度ぱちぱちと瞬きをして、言った。
「えっ、いえっ……有難いとは思いますが、それでも迷は掛けられませんのでっ」
その様子からは"本心"がまるで隠しきれていなかったが、本人は"上手く隠しているつもり"らしかった。
……最高に目が泳いでいる。
會社間の契約の時などは、騙し合い、出し抜き合いの面がある。そんな世界で心をすり減らして來たとしては、ヒトミの様にうぶな反応をされると、微笑ましさしかない。
「まあ、そこまで嫌なら・・・強制は出來ないな」
そう言って、反応を見ながら続ける
「殘念だけど仕方が無いよな、無理に働かせる訳には行かないし」
……ヒトミは、その視線を泳がせながらも口元を開きかけたり、やっぱり閉じたりを繰り返している。
もう一押しだ。
「そうかぁ……それじゃあ、お願いしてた相手にも"斷りの連絡"をれないといけないなぁ……相手さんも結構張り切ってたんだけどなぁ、斷ったら悲しがるかもなぁ」
しやり過ぎな気もしたが、出來る限りの"理由"を付けてみた。すると、それ迄迷っていたヒトミが口の中で何やら『斷ったら迷になるみたいだし、仕方ないよね……』等と呟いてから、言った。
「そ、それじゃあ! 私が働きます!」
「でも、嫌々なら――」
「やりたいです! コンビニの仕事なら一通り分かります! 一生懸命働きます! ……働かせて貰えるならですけど」
最後だけすぼみになっていたが、待って居た言葉が聞けた。
『働きたい』
自発的な言葉が聞きたかった。
人によって、働く意味や目的は違う。
それこそ、生活の糧を得る事だけを目的にしている人も居るだろう。
生活の糧が十分に擔保されている人は、周囲の人の為に働く事もあるかも知れない。
周囲の人の為に始めた仕事がやがて、社會の為、そして世界の為の仕事になる事だってあるかも知れないのだ。
何にしても、働くという事は誰かの為になる事をする事だと思う。
俺は、社長の為に働いていた。
何にしても先ず、ヒトミには働く場が必要だ。働く場に関しては、既に電話でアポイントを取っている。予定では、一週間後に正式に決まる事になる。
働く場が決まったら、モチベーションだ。これも人に寄るが、大半が自発的・・・であるか否かが重要になって來る。その為に、半ば導的では有ったが確認した。
『働かせて貰えるなら』と言った後のヒトミは、俺の答えを待っているみたいだった。
――俺の答えなど、最初から示しているというのに。
「勿論、働いてしいさ。何せ、俺はコンビニの仕事は何も知らないからな!」
堂々と言い放つ。
敢えて、稽に見えるようにしたのだが……反応が無い。
しばかり心配になっていると、呆気に取られていたヒトミが急に笑い出した。
「それ、張って言う事ですか? ふふっ」
「いや、それはまあな……うん、そんなに笑わなくて良いと思うぞ?」
ツボにったのか、ヒトミはお腹を抱えて笑い始めた。若干反応が遅かったが、ちゃんと伝わっていたみたいだ。てっきり、伝わっていなかったかと思ったが、伝わるまで時間が掛かっただけだったらしい。
そんなヒトミに苦笑しながら、トテトテと歩いて來たにゃん太を抱き上げた。
「笑いすぎだよ。そう思うよな?」
恥ずかしいのを隠す為に"にゃん太"を持ち上げると、ヒトミの顔が隠れるようにした。しかし、途中で先ほどのヒトミと全く同じ事をしていると気がつき、誤魔化すようにしてにゃん太を下に降ろした。
そんな様子もヒトミは見ていたらしく、笑いに拍車をかけたようだった。
その後、ヒトミの笑いが収まる迄の間、にゃん太と話していた。
「お前は可いなぁ」
「みやぁー?」
「あははは、ネコと話してる……ふふ、あははは!」
そう言うヒトミも、公園でにゃん太に話しかけていた気がするが……まぁ、こういう時は黙っているのが良いのだろう。
頭をコテっと倒したにゃん太の、首筋をでる。
「そうだぞ、お前の事だぞ」
「みゃぁ」
その後にゃん太とのやり取りは、ヒトミの"笑いの発作"が落ち著くまで続いた。
《書籍化&コミカライズ決定!》レベルの概念がない世界で、俺だけが【全自動レベルアップ】スキルで一秒ごとに強くなる 〜今の俺にとっては、一秒前の俺でさえただのザコ〜
【書籍化&コミカライズ決定!!】 アルバート・ヴァレスタインに授けられたのは、世界唯一の【全自動レベルアップ】スキルだった―― それはなにもしなくても自動的に経験値が溜まり、超高速でレベルアップしていく最強スキルである。 だがこの世界において、レベルという概念は存在しない。當の本人はもちろん、周囲の人間にもスキル內容がわからず―― 「使い方もわからない役立たず」という理由から、外れスキル認定されるのだった。 そんなアルバートに襲いかかる、何體もの難敵たち。 だがアルバート自身には戦闘経験がないため、デコピン一発で倒れていく強敵たちを「ただのザコ」としか思えない。 そうして無自覚に無雙を繰り広げながら、なんと王女様をも助け出してしまい――? これは、のんびり気ままに生きていたらいつの間にか世界を救ってしまっていた、ひとりの若者の物語である――!
8 166【WEB版】灼熱の魔女様の楽しい溫泉領地経営 ~追放された公爵令嬢、災厄級のあたためスキルで世界最強の溫泉帝國を築きます~【書籍化+コミカライズ】
◎アーススターノベル大賞にてコミカライズ大賞と審査員賞を頂きました。6月1日に書籍が発売されました!第二巻も出ます! 「魔力ゼロのお前など辺境に追放だ!」 魔法の使えない公爵家令嬢のユオは家族から『能なし』と疎まれていた。 ある日、彼女は家族から魔物がばっこする辺境の領主として追放される。 到著した貧しい村で彼女が見つけたのは不思議な水のあふれる沼だった。 彼女は持ち前の加熱スキル、<<ヒーター>>を使って沼を溫泉へと変貌させる。 溫泉の奇跡のパワーに気づいた彼女は溫泉リゾートの開発を決意。 すると、世界中から様々な人材が集まってくるのだった。 しかも、彼女のスキルは徐々に成長し、災厄クラスのものだったことが判明していく。 村人や仲間たちは「魔女様、ばんざい!」と崇めるが、主人公は村人の『勘違い』に戸惑いを隠せない。 主人公の行動によって、いつの間にか追い込まれ沒落していく実家、ラインハルト公爵家。 主人公は貧しい領地を世界で一番豊かな獨立國家に変えるために奮闘する。 全ては溫泉の良さを世界に広めるため! ビバ、溫泉! 自分の能力に無自覚な主人公最強のスローライフ領地経営+バトルものです。 戀愛要素なし、ギャグタッチで気軽に読めるようにしています。 ※R15は念のためとなっております。 誤字脫字報告、ありがとうございます! 感想は返信できておりませんが、とても勵みにしています。感謝です。 現在は月曜日・水曜日・土曜日に更新しています! ※書籍化に合わせてタイトルを変更しました。舊タイトル:灼熱の魔女はお熱いのがお好き?魔力ゼロの無能だと追放された公爵令嬢、災厄級の溫めスキルで最強の溫泉領地を経営する~戻ってこいと言われても絶対に嫌です。あれ、気づいたら実家が沒落してた~
8 118【書籍6/1発売&コミカライズ配信中】辺境の貧乏伯爵に嫁ぐことになったので領地改革に勵みます
身に覚えのない罪を著せられ、婚約者である第二王子エルネストから婚約を破棄されたアンジェリクは、王の命令で辺境の貧乏伯爵セルジュに嫁ぐことになった。エルネストに未練はないし、誤解はいずれ解くとして、ひとまずセルジュの待つ辺境ブールに向かう。 初めて會ったセルジュは想定外のイケメン。戀など諦めていたアンジェリクだが、思わずときめいてしまう。けれど、城と領地は想像以上に貧乏。おまけになぜかドラゴンを飼っている!? 公爵家を継ぐために磨いた知識でセルジュと一緒にせっせと領地改革に勵むアンジェリクだったが……。 改革を頑張るあまり、なかなか初夜にたどりつけなかったり、無事にラブラブになったと思えば、今後は王都で異変が……。 そして、ドラゴンは? 読んでくださってありがとうございます。 ※ 前半部分で「第1回ベリーズファンタジー小説大賞」部門賞(異世界ファンタジー部門・2021年4月発表)をいただいた作品ですが、他賞への応募許可を得た上で改稿加筆して応募タグを付けました。 ※ 2021年10月7日 「第3回アース・スターノベル大賞」の期間中受賞作に選んでいただきました。→2022年1月31日の最終結果で、なんと大賞に選んでいただきました! ありがとうございます! 加筆修正して書籍化します! 2022年6月1日 発売予定です。お迎えいただけますと出版社の皆様とともにとても喜びます。 コミカライズも配信中です。 どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m
8 136朝起きたら、幼馴染が悪魔に取り憑かれていた件
ごくごく普通な學園生活を送る、 高校1年生、西田 徳馬は 一つだけ誇れる自慢があった。 それは、成績優秀、運動神経抜群、 容姿端麗な宮園 愛花の幼馴染だということ。 いつものように愛花の家のインターホン を押し、愛花の可愛らしい聲で 1日がスタート。ーのはずだったが⁉︎ ☆不定期更新m(._.)m☆ ☆率直なコメントお待ちしております ☆1話1話が短めです(((o(*゚▽゚*)o)))
8 111星の降る街
2017年、隕石が地球に衝突し人類は絶滅するとされた予言は、2993年現在人類が生存している事で証明された。 だが隕石は地球に衝突して甚大な被害をもたらして、さらには隕石に付著した謎の生命體が地球で猛威を振るい、その後何度も隕石は落ちて來て謎の生命體を完全に駆逐する事が出來ず、地球の第三勢力として世界を恐怖させた。 そんな全人類の共通の敵が現れたのにも関わらず人類は手を取り合う事が出來ずに世界はバラバラのまま。 そんな世界に生きるいろんな人々の物語。 ※作者は趣味で書いているド素人の為文法や言葉がおかしかったりしますが、あらかじめご了承ください。 一応キリの良いと思えるところまで書き上げて、読み直して修正して確認して。。。って感じで書いてますので更新自體はけっこうゆっくりになると思います。 一応現時點では3部構成、サイドとアフターのストーリー合わせて5〜6部構成で考えております。
8 192異世界生活物語
目が覚めるとそこは、とんでもなく時代遅れな世界、転生のお約束、魔力修行どころか何も出來ない赤ちゃん時代には、流石に凹んだりもしたが、でも俺はめげないなんて言っても、「魔法」素敵なファンタジーの産物がある世界なのだから・・・魔法だけでどうにか成るのか??? 地球での生活をしていたはずの俺は異世界転生を果たしていた。 転生したオジ兄ちゃんの異世界における心機一転頑張ります的ストーリー
8 135