《コンビニの重課金者になってコンビニ無雙する》28話 変態パンツ
ヒトミの家までは、既に數度行き來していた為、想定していたよりも早くスムーズに著く事が出來た。途中で數臺の黒いバンを追い越したが、ヒトミの家の付近で車とすれ違う事が珍しかったので、思わず運転手を見てしまった。
運転手は30代半ば程の男だったが、その風貌から何か力仕事をする様な"専門業者"の人かなと思った。助手席にも人が乗って居たが、何か帽子の様なモノを付けていて顔が見えなかった。
恐らく、この辺の家を取り壊しにでも來ていたのだろう。
そんな事を考えていた正巳だったが、車を出ると言った。
「もう來てるみたいだな」
見ると、白い塗裝のされた乗用車が止まっている。
ナンバープレートを見ると、この前メモしたモノと同じだった。
……間違いなく、この前來ていた執行の車だろう。
「ふんふんふ~ん」
車を見たヒトミが、鼻歌を歌いながらスキップをしている。
思わず『子供じゃないんだから……』と言いそうになったが、その心境を察した正巳は黙っている事にした。そんな正巳を見て、『正巳さんも一緒に行きましょう!』等と言って來たが、全筋痛の正巳にはとてもでは無いが真似できなかった。
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り口まで元気にスキップしたヒトミは、正巳が來るのを待ってから鍵を取り出した。どうやら、正巳が首飾りだと思っていたは、実家のカギだったらしい。
カギを取り出したヒトミに言った。
「向こうの人が先に來てるみたいだから、開いてるんじゃないか?」
そう言った正巳に対して、ハッとした様子のヒトミが言う。
「ぶぅ~この瞬間を楽しみにしてたのに~」
「それを俺に言われてもなぁ……それに、別にこの後何回でも開けられるだろ?」
「それもそうですね!」
機嫌が良さそうなヒトミを微笑ましく思いながら、開いたドアをって行った。
家の中にった正巳だったが、そこに有る靴を見て不思議に思った。
「……ズック靴?」
今來ているのは、裁判所の執行の筈だ。
この前來ていた男は、確か黒スーツに黒い革靴だった。
……件の覧に來ている時にスーツに革靴で來て、いざ書類に署名する際はズック靴で來る事などあり得るのだろうか。もしや、間違えて靴を履いて來たとか……?
黒スーツに運靴を著ている姿を思い浮かべてみて(それはあり得ないだろう)と思った。そんな失敗をするような人には思えなかったのだ。
どことなくその靴に見覚えがある気がして、ヒトミに聞こうとしたのだが――
「なぁ、この靴何処かで……ヒトミ?」
隣に居ると思って聲を掛けた正巳だったが、そこにヒトミはいなかった。
取り敢えず、上がれば分かるだろうと思った正巳は、若干筋痛で苦労しながらも靴をぐと上がった。軽く掃除されているのかいないのか、床には薄っすらと埃が積もっていた。
「……コレ、使って良いのかな」
し遠慮しながらも、脇に立ててあったスリッパを取った正巳は、廊下を抜けてリビングへとった。正巳は、てっきりそこに二人・・が居るものだと思ったのだが――
「……居ないな」
部屋の中を見回すも、人の気配が無かった。
何となく嫌な予がして、ヒトミと合流する事にした。
「ヒトミー何処に居るんだ~」
そう言いながら、リビング以外の部屋を見て行くが……一階にある部屋は、四畳半の和室とトイレ、それに風呂場と洗面臺のある所だけだった。
一階に姿が無いので、二階に上がった。
移する際、足をするようにして歩いていた正巳にとって、階段を上るのは痛みとの闘いだった。如何にか耐えきった正巳は、そこに幾つかの足跡がある事に気が付いた。
埃がれて足跡が殘っているのだ。
幾つか足跡のある中、足をって歩いたような跡があるのを見つけた。その跡は、階段を上ってから直ぐ――左に曲がった所から続いていた。
……ほぼ間違いなく、これはヒトミの足跡だろう。
その様子が想像できる。
テンションの上がったヒトミが、足をりながら歩く姿……。
「ヒトミ―?」
もしって來てしくない場合に対応できるよう、一応聲を掛けた。
しかし、若干くぐもった聲が聞こえるも、明確な答えが無かった。
「るぞー」
そう言ってドアを開いた正巳は、目の前の狀況を一瞬理解する事が出來なかった。
部屋は、薄い水の壁に勉強機があり、本棚があり、収納があり……その、ごく普通の部屋・・・・・である筈の場所に唯一、普通じゃないモノが居た。
その男は、頭から三角巾……いや、子供……それもい子供が履く様なクマのプリントのされた下著を被っていた。それだけでは無い、合計で十數枚の下著を両腕に・・・通しており、異様にモコモコした見た目になっていた。
なんと言ったら良いのか分からなかった正巳だったが、その目を見て理解した。
「……確か、浩平こうへいとか――」
そう呟いた正巳だったが、男がくのが早かった。
「キョンショヘー!」
訳の分からない奇聲を上げ、こちらに走って來たが、筋痛の正巳には咄嗟にく事など出來なかった。結局、中途半端にを逸らした正巳の足に、完璧とも言える形で引っかかった。
『"――ドゴッ!"』
正巳の足に引っかかった男は、そのままつんのめる形で開いた扉の向こう――廊下の壁へと突っ込んでいた。ここから見る限り、壁に綺麗にを開けている。
「……ビビったなぁ」
てっきり襲い掛かって來たのかと思ったが、正巳の後ろにドアがあり、逃げ道を塞いでる正巳を退かす為に奇聲を上げていたのだろう。
突然の出來事に、今更鼓が跳ねあがて來るのをじながら、クローゼットの上を開けた。するとそこには、手足を靴下で縛られ、口にテープを張られたヒトミが居た。
「……この短時間で、どうしたらそうなるんだよ」
「むぅーむぅぅ……」
何やら話しているが、全く分からない。
怪我が無いか確認しながら、取り敢えずヒトミを縛っているモノを外そうとした正巳だったが、そこでチャイムが鳴るのが聞こえた。
念の為、窓から下を見た正巳だったが、玄関に居るのが待っていた人である事が分かってホッとしていた。
そこに居たのは、執行の男だった。
「執行で革靴にスーツ……なのに、何で軽自車なんだよ……いや、エコだけどさ」
そう一人で突っ込んでいた正巳だったが、取り敢えず執行"峰崎"にも、事の次第を伝えておく事にした。
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