《月輝く夜に、あなたと》7話
糸が切れたかのように泣いてしまった私を2人はし慌てている。
それがわかった私は泣き止まなければ、と思ったものの涙を止めることは簡単ではなかった。
「和人……和人……!!」
ただただ名前を呼んで泣くことしかできなくて
やっと涙が止まったときは、頭もも痛かった。
泣き顔でバスに乗るわけにも行かず、仕方なくタクシーで帰った。
見慣れたアパートの姿を見て、フラフラした足取りで足を進めた。
どうしてこんなことになってしまったんだろう。
もちろん、そんなこと考えても意味ないし、わかるわけもない。
その為に桐谷漸と手を組み、犯人を見つけようとしている。
そんなことは、わかっているのに
『どうして?』『なんで?』という疑問しか頭の中にはなかった。
そんなことを思っていると、また自然と涙が零れそうになる。
止めなきゃ、周りに見られてしまう
私は目をり、誤魔化そうとした。
「そんなに暴にったら、目が腫れるよ」
「なんで……」
私の右手首を摑み、病院のときと同じ優しい表で立っている桐谷漸の姿。
「そろそろ帰ってくるかなって思って」
「……なんの用?」
鼻聲になりながら私が言うと、自分が著ていた上著を私の頭に被せながら
「泣いてるんじゃないか、って思ってさ。
やっぱり僕の予想的中したね」
「バカじゃないの……」
「こんなときも強気だなー。
まあ、神崎ちゃんらしいけど」
『ほら、部屋ろ』なんて言いながら、私の腕を引く。
相変わらずの報力で私の部屋がどこかは把握済みらしい。
私が腕を引かれて前を見た時には、私の部屋の前に立っていた。
鍵を開け、そのまま帰すのも気が引け
『る?』
と聞くと
『おじゃましまーす』
という呑気な返事が返ってきた。
【最強の整備士】役立たずと言われたスキルメンテで俺は全てを、「魔改造」する!みんなの真の力を開放したら、世界最強パーティになっていた【書籍化決定!】
2022/6/7 書籍化決定しました! 「フィーグ・ロー。フィーグ、お前の正式採用は無しだ。クビだよ」 この物語の主人公、フィーグはスキルを整備する「スキルメンテ」が外れスキルだと斷じた勇者によって、勇者パーティをクビになった。 「メンテ」とは、スキルを整備・改造する能力だ。酷使して暴走したスキルを修復したり、複數のスキルを掛け合わせ改造することができる。 勇者パーティが快進撃を続けていたのは、フィーグのおかげでもあった。 追放後、フィーグは故郷に戻る。そこでは、様々な者にメンテの能力を認められており、彼は引く手數多であった。 「メンテ」による改造は、やがて【魔改造】と呼ばれる強大な能力に次第に発展していく。 以前、冒険者パーティでひどい目に遭った女剣士リリアや聖女の能力を疑われ婚約破棄されたエリシスなど、自信を失った仲間のスキルを魔改造し、力と自信を取り戻させるフィーグ。 次第にフィーグのパーティは世界最強へ進化していき、栄光の道を歩むことになる。 一方、勇者に加擔していた王都のギルマスは、企みが発覚し、沒落していくのだった。また、勇者アクファも當然のごとくその地位を失っていく——。 ※カクヨム様その他でも掲載していますが、なろう様版が改稿最新版になります。
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8 58異世界は現実だ!
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